6月1日に埼玉県営大宮球場で行われた都市対抗野球大会南関東予選、オールフロンティア×日本製鉄かずさマジックの観戦記です。

オールフロンティアの監督、初芝清、日本製鉄かずさマジックの監督、渡辺俊介。マリーンズの「レジェンド」ともいえる両名が都市対抗出場をかけて対決!マリーンズファンならずとも野球ファンとしてもたまらない一戦になりますね。

<スタメン>

【先攻:日本製鉄かずさマジック】

①レフト 片岡

②ファースト 戸堀

③サード 勝俣

④DH 吉田(開)

⑤ショート 内山

⑥ライト 岡

⑦センター 眞﨑

⑧キャッチャー 伊藤

⑨セカンド 奈良原

先発ピッチャー 橘

【後攻:オールフロンティア】

①センター 磨

②ショート 鶴見

③ライト 高嶋

④レフト 吉内

⑤サード 関

⑥ファースト 石原

⑦DH 伊藤

⑧セカンド 原田

⑨キャッチャー 古川

先発ピッチャー 手島

<試合概況>

最初にチャンスを作ったのはかずさマジック。2回表内山、岡の連打で1死1・2塁のチャンスを作りますが、7番眞﨑の打球がピッチャーライナー併殺となり先取点を奪えません。

その後は補強選手として2年連続で都市対抗制覇を経験している橘が老獪な投球でオールフロンティアを抑えていく一方で、オールフロンティア先発の国際武道大出身のルーキー手島も走者を出しながらも要所を締める投球で得点を許さず、スコアレズの状態、福本豊氏の言葉を借りると「たこ焼きが並んでいる」状態で試合は最終盤に入ります。

こういう試合展開だと得てして、本塁打で決着がつくもの。(福本氏的表現だと「最後に爪楊枝がつく」)本塁打決着かなと思っていた9回表、かずさマジックの4番吉田(開)がライトスタンドへソロ本塁打を叩き込み、均衡を破ります。

オールフロンティア善戦も競り負けかと思われたその裏、この回先頭の1番磨が橘の初球を叩き、ライトスタンドへ同点のソロ本塁打となり、試合はタイ・ブレークの延長戦に突入します。

こうなると、両監督のタクトに勝敗がかかってきそうです。

10回表、オールフロンティアはリリーフに川上を投入も先頭に四球を与え無死満塁としてしまいます。しかし川上も踏ん張り、ファーストゴロ本塁封殺、三振で2死満塁まで持ち直します。

しかしかずさマジックは1番片岡がセンター前にはじき返し、2者が生還。3-1とリードを奪います。

その裏かずさマジックもリリーフの森本を投入。オールフロンティアは犠打と四球で1死満塁とし、一打同点のチャンスを作ります。

代打山田が三振ののち、8番原田が執念の内野安打を放ち、1点を返しさらに2死満塁と一打サヨナラのチャンスを作ります。

しかしここは森本が踏ん張り、最後の打者をセカンドゴロに仕留めゲームセット。かずさマジックが競り勝ちました。

 

<注目選手など雑感>

マリーンズのレジェンド監督同士の一戦は手に汗握る接戦となりました。

この試合を演出したのは両チームの先発ピッチャーの好投です。

かずさマジックの先発橘は今年32歳のベテラン。

バッタバッタと力でねじ伏せる投球ではありませんが、9回を投げ与四球なしの1失点のHQS。ベテラン健在でチームの精神的柱にもなりそうです。

対するオールフロンティア先発手島も驚くようなボールはないですが、粘り強い投球で9回1失点。四死球も1個だけと勝ちをつけてあげたいような素晴らしい内容でした。

上背はないものの体を目いっぱい使っての投球フォームとゲームメイク力の高さは印象に残りました。

投手陣に比べ印象は薄くなりがちですが、9回のホームランの応酬はあっぱれで、かずさの4番吉田(開)はこれで筆者が観戦した都市対抗予選で4年連続弾!(2021年2022年2023年

こういった経験豊富な選手が結果を残すと東京ドームへの道が拓けてきそうですね。

オールフロンティアで殊勲の同点本塁打の磨は桜美林大出身の2年目。

これから歴史を作っていくチームを引っ張っていく存在になっていきそうです。

軍配は過去の実績があるかずさマジックに上がりましたが、オールフロンティアも実力をつけその差は確実に縮まってきていると思います。

この先第2、第3代表決定戦でマリーンズレジェンド監督が再び対決することになるのか注目ですね。

 

日鉄かずさマジック0000000012=3

オールフロンティア0000000011=2

<延長10回タイ・ブレーク>

(か)橘、森本-伊藤、上村

(オ)手島、川上-古川、栁瀬

【勝利投手】橘

【敗戦投手】川上

【本塁打】

(か)吉田(開)

(オ)磨