輸入米/主食用は10%相当 農水省内規で制限 | 侘寂伝文(わさびやブログ)

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海外から日本が買っている米の内 主食用に回すのは「輸入量の10%相当量」とする内規を農林水産省が設けている事がわかった 

原発事故の影響で国産米の価格が前年より2割上がり食品業界は主食用を増やして欲しいと求めているが農水省はこの“内規”を理由に拒んでいる 
   
kome0709   
外国産米の輸入量と主食向けの推移 
  
内規は1993年のガット・ウルグアイ・ラウンド交渉で 米の部分開放が決まった時に作成 一定量を毎年輸入するミニマムアクセス(MA)米を受入れる一方 市場開放に反対する農業団体や与野党の農林関係議員に対し 主食用に上限を設ける内規を示し説得に使ったとみられる  
  
日本は輸入米に極めて高い関税率を設定している為 日本に入ってくる米の殆どをMA米が占める MA米は初めて輸入した1995年度の43万㌧から徐々に増え 2000年度以降は77万㌧でほぼ一定している うち主食用に回す分について内規では「初年度(1995年度)5千㌧.2年度1万㌧.3年度4%相当量.6年度10%相当量」と明記している 主食用は1998年度以降は毎年度10万㌧前後でほぼ固定されている MA米の13%前後にあたり内規にほぼ沿った量だ 残りのMA米は煎餅や味噌などの加工用や家畜の餌などに使われている 
  
食品業界の増枠要求拒む  
  
最近の国産米値上がりを受け 大手スーパーの西友が中国産のMA米を店頭に並べるなど輸入米のニーズが高まっている コンビニに弁当やおにぎりを納めるメーカーで作る「日本弁当振興協会」は6月初め 主食用の輸入枠を15万~20万㌧に広げる事を農水省に求めた だが同省は「10%」の内規を理由に輸入枠は見直さない考えだ  
  
内規はウルグアイ・ラウンド交渉時 コメ輸出国の米国と非公式に調整して作ったものとみられる だが環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への日本の参加を巡り USAライス連合会は「MA米は加工用などに回され 日本の消費者に届いていない」などと主張 TPP交渉で日米の火種になる可能性がある  
  
餌用などに回すMA米は輸入した価格よりも安く業者に売るため その差額の穴埋めや管理費に毎年度300億円強の税金を使っている 穀物の国際取引に詳しい九州大学大学院の伊東正一教授は「価格の高い主食用にもっと回せば 財政上の負担も減るはずだ」と指摘する