海松食.水松食(ミルクイ)/波貝(ナミガイ) | 侘寂伝文(わさびやブログ)

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楽菜 わさびやブログ-ミルクイ1  
Tresus keenae 海松食 水松食 ミルクイ ミルガイ 山口県大島産 

   

二枚貝綱バカガイ科の1種で 殻が最長15cm位になる大きな二枚貝 表面は暗褐色の

殻皮で被われています 体後部の水管が大きく発達しているのが特徴です

外見が姥貝(北寄貝)に酷似していますが 此方の方が倍ほどの貝幅.重量に加え 

水管が大きく突出している事で簡単に見分けが付きます 

  
楽菜 わさびやブログ-ミルクイ3  

水管は黒皮に覆われ海藻が生える事も有ります この水管に海藻が生えた様が“海藻を

食べている”様に見えた事から“水松(ミル)貝”と名前がついたそうです 密生した海藻が

松葉の様に集まった為に“海松”と云われますが ミル(学名Codium fragile)ばかりが

水管に生えている訳ではありません 
    
楽菜 わさびやブログ-ミルクイにぎり  
日本全国の沿岸に分布 主に瀬戸内海や三河湾.東京湾などの内湾砂泥底に生息し 

浅瀬の砂泥底に深い穴を掘って暮らしています 
  
楽菜 わさびやブログ-ミルクイぬた    

水管が貝臭み無く食感が軽快で美味な為 古来より割烹や寿司屋に重宝され 造りや

寿司ねた.塩焼き等に用いられます 

純国産のミルガイは取高が激減し 二枚貝中で最も高級食材になりました 現在一般に

流通している“ミルガイ”の殆どは韓国産や中国産の“白ミル.ナミガイ”です(下記参照) 
   
楽菜 わさびやブログ-ナミ貝2  
Panopea japonica 波貝 ナミガイ 岡山県倉敷児島湾産  

   

キヌマトイガイ科ナミガイは現在“白ミル.ミルガイ”として広く認知されている二枚貝ですが

本来は減少したミルクイの代用食品として扱われていました ミルクイとは全く別の科目で

殻は脆く柔らかく 肉質は食感良くもミルクイと対比してやや大味です 

  
楽菜 わさびやブログ-ナミ貝1   

貝殻の紋様が波状の皺でこれがナミガイの由来になったようです こちらも日本全体の

沿岸部に生息し 内湾の水深10m~50mの砂泥底に深く潜って生息しています 

  
楽菜 わさびやブログ-ナミガイ造り  
ミルクイ同様 食感を造りや寿司などで重宝し ひも.わたの部位は塩焼きや
バター炒め

などで提供します 貝臭さは然程無く 代用品でありながら人気のある食材に 近年は

水揚げ減少の為 国内産は価格がやや高めに以降しています 
  
楽菜 わさびやブログ-波貝造り1