和歌山県西牟婁郡周参見(すさみ)町 すさみケンケン鰹
(参照)鰹.松魚.堅魚(カツオ) わさびや公式04/09
初鰹の旬期 といっても今は1月半ばじから河岸で見掛ける事が普通になりましたが 昔から私が最も好んで店で使う鰹は和歌山県南部 すさみ町ブランドの“ケンケン鰹”
鰹には珍しいモチモチした食感と柔らかい味わいは 弊店で食された方には説明不要だと思います 勿論加熱“タタキ”などにはせず芝造りで 常連様には自家製のぽん酢しょうゆや岩塩で 召し上がって頂いています
ブランド地名の“すさみ(周参見)”は和歌山県南部熊野街道沿い 串本町隣に位置
すさみ町を流れる大間川に架かる平松橋名物の“鰹オブジェ”まさに鰹の漁港です
ケンケン漁とは
小型漁船に疑似餌を躍らせて鰹を誘惑し釣上げる近海弾き綱一本鰹釣り漁法です
日本は古来から東洋髄一の漁業国と言われ 中でも紀州地方は 他地域を圧倒する優れた漁法を持つ地域でした 明治初期日本からハワイへ多くの人が移民した時 串本田並から移民した人達が ケンケン漁の原型をハワイ人に伝えたそうです
しかしハワイではその漁法が上手い事行かず 現地人の手によって改良されていきます 時は経ち 明治41年(1908年)に串本町田並の小野七之助氏が元々自らの先祖が伝え ハワイで改良されたケンケン漁法を持帰り田並に伝え それが日本全国に伝播し 現在のケンケン漁の礎になったと記述されています
“ケンケン”の語源は伝わった先ハワイのカナカ語から由来しており また疑似餌が踊る様や ピョンピョン飛び跳ねる姿から命名されたとも言われています
この疑似餌と潜行板の組合わせによるケンケン漁法は 一本釣り引縄漁法の歴史を画し すさみ漁業を支える原動力になっています またケンケン漁法によるすさみ“ケンケン船”は 全国漁業者の通用名となりケンケンと言えば「すさみのケンケン船」が代表する程です
潜行板(せんこうばん)
船の形に作った板で船の推進力で疑似餌を海中に潜らせる漁具です 板の材料は桐板が主流ですが 近年は浮力の強い合成樹脂製も多く見る様になりました すさみでは古くから専門業者が製作しており 全国的にも有名で 現在は北海道から九州まで 全国各地ですさみの手造り潜行板が活躍しています