永き好き飲み友 | 侘寂伝文(わさびやブログ)

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前の店からお付合い頂いている常連様がありがたい事に今も多数

不肖な自分には勿体無い事で 恐縮の至りです


その常連様方のうち 奈良方面から月に数回お越しになられる

Mさん,Tさん 仕事関係の繋がりからの長き飲み仲間だが 私も

昔の店長就任当時から大分鍛えて貰った旧知のご意見番だ(笑)


前の店に比べ今の店はMさんTさんも交通上不便な場所でありながら

必ず定時 決まった時間 そして好み 昔から変らない方達


失礼ながら私とは(恐らく)親子程の年齢差があるだろうにも関わらず

壮健で食べ上手,飲み上手 1回のご飲食で平均1升瓶が空になる(+_+)

普通の顧客と交わす様な 細かいやり取りはもうない…お互いが

空気を判っているので 自然な流れで食事の場は和やかに流れる


Mさん Tさんがご来店される度 昔あった様々な思い出が頭を過ぎる

お客様全員の前で怒鳴られる事も(部下ミスの責任)しばしあった

当時の私にしてみたら“苦手な客”の筆頭格でもあった(^▽^;)


だが店長当時より苦手で仕方無い癖の有る個性的な顧客ばかりが

独立当初から何故か今日まで 私を応援してくれている

最後まで諦めずに 逃げずに対処した賜物だろうか←手前味噌w


普通 100名以上集客規模の店だと“店長”という立場は専ら接客や

玄関でお出迎え お見送り というのが通常業務なのだが

私の場合少し変わり者で 最初から最後まで恰好が白衣(笑)


特徴や好みが個性的な常連様が予約で入ると 自分が調理場に

突入 造り身を引いたり 献立を直接指示したり よく色んな方から

「あんた 店長やろ…もうちょいじっとできへんのかいな」とたしなめられたものだ

でも結構 そのちょこまかさが受けていたみたいで「ああ やっと相手して

貰えるわ(笑)」と“ご苦労ビール”を頂戴していた


創業20年余という老舗の店だっただけに店長就任当初は大変だった

自分の親程の方々から「あんたか 今度の店長さんは」と吟味され

嫌味を言われる事も多々あった まあそれ位でへたれる性分ではないが

あの時は色んな意味で接客の深さを学んだ と今だから笑って言える

お客様皆が大先輩 自分は新卒の研修生 そんな感じだった


私が退職し 独立するのでは?という噂が全店に流布した時も 客の誰もが

「もういじめるやつがおらんようになるのは寂しい」と言われ 思わず涙した事も

勿論 皆に開店DMは送付させて貰い 間接的に伝えてはいるが 

やはり“勤める人間の筋”として 職務中に自分の都合を口頭で言えなかった

「本当の付合いは私がこの店を離れてからだろう」頑なにそう信じていた



その時の懐古話になり Tさんが「つい最近の話みたいやな」


「そうですね でも何とか今日までこれでご飯食べれてます」 と私


「いやね まあ散々言うてきたけど あんた最初から見た時から判ってたよ」


「何が…どうせ“へんこ”なとこでしょ(笑)」


「そうそう(笑)でもその変らん“へんこ”さがええねん

       今 そういう若い子 おらんようになったもんなあ…」


(いやいや TさんやMさんの方がよっぽど“へんこ”やん)


でも 何か言われて思わず涙が出そうになった 

同じくくりに取られた事が何故か光栄に感じ 恥ずかしい気持ちだった

TさんMさん これからも変らぬ好き“飲み友”でありきを