冬瓜の特色 | 侘寂伝文(わさびやブログ)

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冬瓜201  
下処理までした冬瓜を仕上げしていくわけですが 冬瓜に限らず日本料理で用いる“旬の野菜”は何れも共通して「その素材の期間」が最優先された考え方でどの店も献立に書かれていた様に思います “冬瓜自体は美味しいものではない”と前述しましたが 同時に出会い次第で その旨味を持たない冬瓜でも美味しく頂ける それも追求する事が少なかった様な

 

懐石料理で専ら冬瓜が登場する時“味より見栄え(色)が優先され 先日UPした様な切出しや火加減の手法に拘るも 冬瓜自体の味というよりは主になる鱧などの付け合せ等 脇役としての色合いが認識として強いです 自分が調理師をしていて長年 払拭出来ない“疑問のひとつ”でした


冬瓜自体 瓜科特有の繊維質を持ち ほぼ無味無臭の青果なので逆に取り合わせる“出会い”として獣肉系 鶏肉 鴨肉の脂が乗った部位 また甲殻類なら海老や蟹等のアミノ酸成分を多有する酒類 夏は暑い季節故 冬季に比べ人も冷たくひやした食材を嘱望する傾向があり 獣肉を用いると その部分で難点が発生します(脂融解温度の問題) 

 

海老や蟹等では舌先の旨味は演出出来ても 冬瓜自体の旨味は…そこで自分が創作したのが浅利と煮含める手法です 貝類も蛤や粒貝など多種ですが 季節のものや素材の特性を考察した結果 浅利が理想に近い味で冬瓜を美味しく食す事が可能かと そういう過程を経て“浅利と冬瓜含め煮”を創作しました