内側から見た富士通 | 田舎で暮らす公認会計士のBlog(田舎暮らし編)

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結婚を機に27歳で丹波篠山での田舎暮らしに踏み切りました。
とはいっても大阪に勤務しながら、都会と田舎のいいとこ取りしてます。
田舎生活8年目。田舎生活や篠山の魅力を皆様に広めたいと思います。



著者: 城 繁幸
タイトル: 内側から見た富士通「成果主義」の崩壊

昨日金沢で、ベストセラーの
内側から見た富士通「成果主義」の崩壊
を読みました。

かつては勝ち組の代表格だった日本を代表する大企業、富士通で起こった「成果主義」導入による崩壊。その原因を元人事部エリート社員が暴くこの本。

正直、読んで
”ドキッ”
とした。
遅ればせながらも、「成果主義」を導入しようとしている(ちゃんと説明を聞いたわけではないのであくまでも主観ですが)自分が所属している部署にも当てはまることがヤマのようにあるのだ!

従来の日本的経営の特徴であった「終身雇用」、「年功序列」、「企業内労働組合」がもはや通用しないのは明らかであるが、かといって今やどこの企業も導入している「成果主義」でさえ、やり方を間違えるととんでもないことになる。この本は元富士通社員の単なる暴露本ではなく、日本企業全体で起こっている実情に対して警笛を鳴らしているのである!

↓本の内容を私なりに整理してみました。
<成果主義導入の必要性>
・バブル崩壊による業績の降下
・高騰する人件費の抑制
・ピラミッド型の人員分布組織の変形から来るポスト不足の対処(バブル期大量採用のつけ)
→当時、ITソリューション事業で勝ち組だった富士通は、一般企業に先駆けてこの「成果主義」を導入した。


<富士通で成果主義導入が失敗した理由>
Ⅰ.評価制度そのものが形骸化、機能していなかった
・従業員の目標達成度をいかに正しく評価するかといった、成果主義の根本からして誤っていた
・努力しても報われない、どんぐりの背比べになってしまった
・降格制度が存在しなかったため、既得権にあぐらをかく、やる気のないしらけた社員(管理職)を多数輩出した
・年功序列制度により管理職になった人に評価されるという矛盾
・「裁量労働制」と「時間労働制」の選択・並行運用による矛盾
・管理職の「目標」「成果」は公表されなかった

Ⅱ.単にアメリカ式成果主義を直輸入しただけであった
・従来からの「年功序列」「終身雇用」で培われた封建制度的な「ムラ社会的組織文化」が何も変わらないまま、これとは相反する「成果主義」を導入してしまった。

Ⅲ.経営者、人事部の失態
・責任を取らない経営者たち(それどころか責任を従業員のせいにしているのだ)
・全員が「最高評価」だった本社人事部は、失敗に気づきながらも軌道修正しなかった。
・経営者と癒着した機能しない労働組合の存在
→このあたりの話は、沈まぬ太陽/山崎豊子を読んだ時と同様、日本企業、ダメ経営者、エリート社員に対する失望を感じましたね(+_+)。

これにより富士通は過去の年功序列制度で培ってきた良い面である「チームワーク」「愛社精神」「チャレンジな精神」「高い技術力」までもが見事に崩壊してしまったと筆者は嘆く。その上、2度にわたる巨額赤字で過去の累積剰余金までもが吹っ飛んでしまったのだ。

このように「成果主義」もやり方を間違えると、従業員のモチベーションも下がり、日本的経営の過去のいい面もひっくるめてすべてを失ってしまうことになる。こわいですね。

「組織論」や「モチベーション理論」って会計士受験で習っていたときは漠然としてよくわからなかったけど、自分がサラリーマンになって実際組織に所属してみると結構考えさせられますね。この手の本も趣味で読むと結構楽しいですよ。でも社内評論家にならないように気をつけます。具体的な行動に移さないとね。

長くなりましたがとりあえず、この本は人事担当者、経営者にはぜひとも読んでいただきたいです。
あっ、あと、大手電気会社に関係する人もね☆。