今日は公認会計士試験2次試験の合格発表日だった。
この日が来ると4年前の自分の発表日のことを、そして大切な人のことを思い出します。
短答試験直前の2000年4月。
毎朝5時に起きて専門学校に行く私におにぎりを作ってくれていた母に異変が起こった。
数日前から体調不調を訴えていた母は、医師の診断で胃がんとわかり、すぐ手術を受けることになった。その後、癌がかなり進行していることがわかり、もう余命は短いかもしれないと父から告げられたときは、さすがに先が真っ暗になった。正直どうしていいかわからなくなった。
家族や親戚には
『とりあえずお前は勉強を頑張れ。そして合格してお母さんを励ましてやれ』
と言われた。
これまでろくすっぽ勉強してこなかった自分の勉強成績は専門学校で中の下、何とか短答は受かったとしても、論文合格は絶対に届かない。夢に出てきたこともなかった。もうすべてのことから逃げ出したかった。
でもここで負けることは許されない。
それからの日々、合格を目指し、合格を無理やり信じて頑張った。
心の底ではおそらく不合格だと思っていながらも、日に日にやせ細ってく母の姿を見ると不合格というシナリオを用意することはできなかった。
成績は伸びなかったが、今の成績で何とか合格できないかと真剣に考えた。
ただ、合格すればよい。それだけ…
7月末に論文試験を受けたときの感触もあまりよくなかった。
そして10月5日の発表日。はっきり言って100%あきらめていた。
前の晩はなぜか泣いた。
朝から途方にくれていた。
9時半を過ぎても連絡がなかった。
もう仕方がない。
母に正々堂々と謝ろうと思った。頑張ったんだから仕方ない。
でもそんなこと言える訳がない。
どうしよう。
あーーーーー。
とそのとき携帯電話が鳴った。合格発表を見に行ってくれた友人からだ。
不合格の知らせだろう。気を使ってちょっと時間をとってくれたんだろう。
深呼吸してから電話を取った。
「もしもし」
「奇跡が起こったよ」
???
「名前があったよ」
????
「合格してた」
?????
何度も何度も確認した。
どういうわけかわからないが、とりあえず合格していたのだ。
母は本当に喜んでくれました。自分のことの様に、というより、自分以上に喜んでくれました。何度も何度も喜んでくれました。
あの日の喜びは一生絶対に忘れないと思う。
本日、合格の栄冠を手に入れた方、本当におめでとう。