シンポジウムと慶應義塾大学薬学部の新設 | 塾生150メールマガジンバックナンバー

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見切り発射感でブログを始めたのはいいけど自分のまわりの人の知的好奇心の高さに改めて驚いた。今日はとあるシンポジウムに行ってきた。

慶應義塾先端科学技術シンポジウム
「基礎・臨床一体医学の推進による学際的創薬研究の未来」
http://www.crp.keio.ac.jp/

タイトルなげえ(笑)半年に一度開催されるこのシンポジウムは慶應義塾の研究の最前線を知ることができて面白い(前回はNTTや総務省の方を招いてのユビキタスネットワーキングをテーマに開催された)。今回も多少の場違い感は気にしないことにして、とてもよい刺激を得ることができた。要するに、慶應義塾と共立薬科大が合併するから一緒に仲良く研究しようよ!ということらしい。この合併には一塾生の立場から思うところがあったので、多少の批判を恐れず少し持論を展開してみたい。


合併のニュースを知ったのは確か去年の夏だったと思う。おお慶應やるじゃん!と感じたと同時に、本当に意味があるのかと疑問視した。なぜなら学校に関わらず組織の統合は、そのソフトウェアである人材(この場合両校の学生と教員)の有機的な交流があって初めて意味があるものだと思うからだ。

慶應義塾大学には医療系学部として医学部の他に1990年代から看護医療学部があった。しかし両学部の交流は十分とは言えなかった。キャンバスは慶應病院のある信濃町(医学部)と湘南藤沢(看護医療学部)と地理的に離散し、唯一信濃町となる3年次においても合同のカリキュラムがあるわけではなく、学生同士は一部のサークル所属者を除き、卒業まで顔もわからないということもありうる。このような実状の中で、薬学部新設のニュース、残るは歯学部が揃えば医療系は完璧だなどの意見も同時に飛び交い、そういった一種の帝国至上主義論に対して、実状を把握せずにいたずらに学部を新設しても…という懐疑的な立場だった。

決して合併に反対しているわけではない。複数の離散キャンバスを持つ大学は他にも、早稲田(西早稲田、大久保、戸山、と所沢)を始めたくさんあるし、合併後のメリットの方が大きいだろう。新設薬学部の所属キャンバスは1年次日吉、2~6年次は現在の共立薬科大のある芝の予定だという。重要なのは前途の通りソフトウェアの問題だ。

この機会に塾生から何かできることはないかと考え、昨年10月、12月と交流イベント(スポーツ大会とクリスマスパーティー)を企画し実施した。結果はというと、イベント自体はある程度の盛り上がりを見せたものの、共立薬科大側の反応は概して冷ややかであった。色々と反省点のあるなかで詳細は省くが、特に学生間の文化や価値観が違いすぎると感じた。同時に機能するには長い時間と歩み寄る努力が必要なのかということと、異文化間のコラボレーションの難しさを痛感した。

今日のシンポジウムでは主に専門的な研究内容に焦点が当てられたが、少しずつではあるが両校の歩みよりが始まっているなと感じ、ちょっと嬉しくなった。合併の社会的価値が表に現れてくるのはおそらく何年か先のことなのだろう。まあそんな期待を胸に、当事者である一医療系塾生の立場からゆっくりと見守ってみようと思ったシンポジウムであった。

ぜひ内部の実状を踏まえた本音のほどを望月正隆さん(現共立薬科大学長)に直接伺いたくて仕方がなかったが、シンポジウムの空気を読んで自重。中外製薬の永山治さんにタミフルに関する質問が出なかったのも同じくシンポジウムにおける大人の対応だ(笑)