心理カウンセラー・公認心理師の

栗林あや(いがぐりこ)です。

 

 

日々の生活の中で、新しい考え方や方法を学んだとき、

 

「なんだかよくわからない」とか、「なかなか理解できない」ことってありますよね。

 

 

そんなときに役立つかもしれない一つの考え方があります。

 

それは、「既に私はできているかもしれない」と思ってみることです。



わたしは、23歳の時(今から20年前)、スティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」を初めて読みました。

 

 

 

 

 

当時、営業の仕事をしていた私は、スケジュールやタスク管理に興味がありました。

 

安い給料で思い切って、当時の私には高価だった「7つの習慣」を取り入れたスケジュール帳、「フランクリンプランナー」を購入して、使っていた時期もありました。

 

 

 

 


「7つの習慣」には「時間管理のマトリックス」という考え方があります。

 

これは、行動や出来事を「重要度」と「緊急度」の2つの軸で分類するものです。

 

 

 

 

 

 

 

自分の行動を見直して、本来やるべきである、右上の『第II領域(緊急ではないが重要なこと)』に注力することを目的としています。


 

でも、20代の私はこの内容が全く腑に落ちませんでした。

 

もちろん、書いてある意味はわかるんだけど、なんだか腹立たしくて仕方ありませんでした。

 

 

7つの習慣で言われている

 

「私たちは、左上の『第I領域(緊急で重要なこと)』に振り回されすぎているから、本来やるべきである第II領域に注力する必要がある」

 

という理屈はわかるのですが、

 

「自分の第II領域が何なのか??」と考え出すと、嫌悪感が湧いてきて、一気にわからなくなってしまうのでした。

 




他にも、「7つの習慣」には、次のような原則があります。

1. 積極的であれ(主体性を持つ)


2. 終わりを思い描いて始めよ(目標を持つ)
 

3. 大事なことを先にする(優先順位をつける)
 

4. Win-Winを考える(相互利益を求める)
 

5. まず理解に努め、そして理解される(コミュニケーションを重視する)
 

6. シナジーを創造する(協力して成果を上げる)
 

7. 刃を研ぐ(自己更新を続ける)

 



20代の私には、これらが、なんだか「理想論の押し付け」のように感じられて、一度はハマったものの、気持ち悪くなってしまいました。

 

 

他にも、「役割(母、父、上司としての自分…など)を明確にして、目標を立てる」という考え方があるのですが、

 

日本で生きていれば、すでに他の国よりも「妻はこうあるべき」「母はこうあるべき」と、社会的な役割を求められる文化の中で生きているから、

 

なんだかますます窮屈になる感じがして、疲れてしまったのです。

 

 

 

その後、日本でも「7つの習慣」が大ブームとなり、さまざまな関連本やセミナーが商業化されるにつれて、

 

若かった私はますます嫌悪感を抱いて、いつの間にか情熱が冷めてしまいました。

 

 

 


さて。

 

数年前くらいから、YouTuberなどが「7つの習慣」を取り上げたことなどの影響で、リバイバルが起きました。

 

その中で、また、あの時の「時間管理のマトリックス」をあちこちで目にするようになりました。

 

 

で、ふと最近、「もういちどフランクリンプランナーを使ってみようかな」と思い立って、

 

当時のバインダーを引っ張り出してきて、「時間管理のマトリックス」を眺めてみました。

 

 

そしたら、気づいたことがあります。

 

 

それが、「もう私は、時間管理のマトリックスを活用できているのではないか?」ということです。

 

よくよく考えたら、とっくの昔にできていたことに気づきました。



例えば、主婦の皆さんにはおなじみの「名もなき家事」ってありますよね。

 

残り少なくなったトイレットペーパーやハンドソープを補充したり、誰かが出しっぱなしのサランラップを片付けたり。

 

これらはまさに『第II領域(緊急ではないが重要なこと)』です。

 

 

私の人生のミッションが「毎日を快適に暮らすこと」だとしたら、

 

毎日やっているこれらの家事は『第II領域(緊急ではないが重要なこと)』なのです。

 

 


私たち主婦は、日々の生活の中で『第II領域(緊急ではないが重要なこと)』をめちゃこなしているのです。

 

緊急ではないからこそ、家族(特に旦那)にはその成果を評価してもらえないことが多いですが、私たちは確実に『第II領域(緊急ではないが重要なこと)』のタスクを日々行っています。

 

 

夏服を片付けて冬服を出したり、タンスの整理をすることも、

 

栄養バランスを考えた献立を立て、まとめて買い出しに行ったり、作り置きをするのも、『第II領域(緊急ではないが重要なこと)』です。

 

 

家族にはなかなか気づいてもらえないけど、この地道な努力が、家庭を支えているんですよね。

 

つまり、私たちは日々「快適な暮らしをする」という人生の目標をもった上で、

 

この、『第II領域(緊急ではないが重要なこと)』のタスクをこなしまくっているんです。



つまり、もう当たり前のように、ミッションと価値観と役割のトライアングルが出来てるのです。



これを理解すると、当時の私の不快感が少し和らぎます。

 

主婦にとっては「何をいまさら?」と感じるかもしれませんが、それだけ日々の家事が重要な役割を果たしてたのです。


すでにやりまくっているのに、さらに新しく探そうとしていたから、

当時の私は、一気にわからなくなっていたのでした。



それから、これに私が当時気づけなかったのは、「男女の社会的な役割の違い」も影響しているかもしれません。

 

男性は社会の中で『第I領域(緊急で重要なこと)』に対応することが多く、

 

休日になると『第IV領域(緊急でもないし重要でもないこと)←スマホゲームとか(笑)』でバランスを取ろうとするのかもしれません。

 

 

そのため、「男性社会向けの考え方」「男性社会向けのビジネス書」として『第II領域に目を向けよう』というのが、提唱されていたのかもしれません。


でも、一方で女性は、上記のように、すでに『第II領域(緊急ではないが重要なこと)』に時間を割くことに偏りすぎている傾向があると思っています。

 

 

家事の多くが、『第II領域(緊急ではないが重要なこと)』に該当するし、

 

「やらなくても死なないけど、やらないと生活が快適ではなくなるタスク」が多いのです。

 

これが女性の「巣作り本能」なのかもしれません。

 



つまり、私たちはすでに、『第II領域(緊急ではないが重要なこと)』をこなしているのです。

 

 

だから、これからは胸を張って言おう。

「私たちは、時間管理のマトリックスのプロです!」って。(笑)

 


そして、たまには『第IV領域(緊急でもないし重要でもないこと)』に思いっきり時間を使っちゃおう。

ゲームにハマるのもよし、ゴロゴロするのもよし。

だって、私たちは『第II領域』のプロなんだから、たまには息抜きしたっていいよね?

そう思ったら、なんだか気持ちがラクになりました。

 

 


何かを学んで、どうしても理解できないことがある時、

 

そんなふうに「もうできているかも?!」と思ってみると、案外すんなり理解できるかもしれません。

 

 

日常生活の中で実践していることを振り返り、自分を認めてみるのも一つの方法ですね。

 

 


そんなことを考えながら、古いフランクリンプランナーをペラペラめくっていたら、また、フランクリンプランナーを使ってみようと思いました。

 

2024年7月からのリフィルを買ってみました。

 

たのしみ。


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そんなわけで、

栗林あや(いがぐりこ)でした!

 

(P.S.これは私の偏見による記事なので、もしこの記事を「7つの習慣」の専門インストラクターの方が見て「ちげーよっ!」と思ったら、そっと目を瞑ってください。(笑))

 

 

 

 

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