心理カウンセラー・公認心理師の
栗林あや(いがぐりこ)です。
他人の不幸を願う心理について、皆さんはどう思いますか?
日常生活で、ふとした瞬間に、他人のつまずきにホッとしたり、
内心で「ざまあみろ」と思ってしまうことはありませんか?
この感情、実は「シャーデンフロイデ」と呼ばれています。
直訳すると「他人の不幸は蜜の味」となりますが、
これは心理学の世界ではよく知られた現象です。
他人の不幸に安堵や喜びを感じるこの感情、
一見するとみっともないし、ちょっと後ろめたいものですよね。
でも、実はこれ、人間としてとても自然な反応なのです。
私がこの「人の不幸を願う感情」に初めて気付いたのは、実は小学生の頃でした。
その頃、ファミコンの「スーパーマリオブラザーズ」が大流行していました。
私は、同じ団地に住む1つ年上の「はるみちゃん」と一緒によく遊んでいました。
私たちは、「スーパーマリオブラザーズ」の「2プレイヤーモード」でよく遊びました。
このモードでは、1プレイヤーのマリオが敵にやられるか、奈落の底に落ちるまで、ずっとマリオの番が続きます。
そしてマリオがやられると、2プレイヤーのルイージの番になるのです。
はるみちゃんがマリオになると、私はルイージ。
私より年上のはるみちゃんはゲームが上手いから、私の番がなかなか回ってきませんでした。
やっと私のルイージの番が来ても、1-1ですぐに敵にやられてしまい、
またあっという間にはるみちゃんのターンになってしまいます。
私は、ただ横で、はるみちゃんがファミコンを操作するのを見ているだけになってしまいました。
そのとき、私は心の中で、はるみちゃんのマリオが敵にやられたり、奈落の底に落ちたりするのを願っていました。
「負けろー、負けろー!落ちろー、落ちろー!」と。
でも、はるみちゃんは、いつも華麗にジャンプして、難局を切り抜けてしまうのです。
5〜6歳の純真無垢なはずの子供でさえ、人の失敗を願う心理を持っていたんですね。
しがらみを抱えた大人なら、なおさらに、
人と競争する中で、他人の失敗を望むことは、案外よくあることなのかもしれません。
そもそも、なぜ私たちは他人の不幸に心が動くのでしょうか。
その理由の一つは、「自分自身の不満や劣等感が隠れている」ことが多いです。
人は、他人と自分を比べてしまう生き物です。
他人がうまくいかないところを見ることで、
「自分はまだ大丈夫かも」と、一時的に自信を得ることがあります。
それから、子供の頃の私のように、
「他人がうまくいかないことで、自分の立場が良くなって、得する」と錯覚してしまうのです。
これらは一種の心の安定剤のようなものですが、
長期的に見ると決して健全な心理状態とは言えません。
では、このような感情がわいたとき、どう向き合えばいいのでしょうか。
まずは、この感情を否定せず、素直に受け入れることが大切です。
子供でも抱くくらいの、誰にでも起こり得る自然な感情ですから、
自分を責める必要はありません。
次に、この感情がどこから来ているのか、自分自身と向き合い、深く掘り下げてみると良いと思います。
例えば、職場でのプレゼンで失敗した同僚を見てホッとするとき、
それは自分自身の不安やプレッシャーから来ているかもしれません。
このように自己分析をすることで、感情の根源に気づくことができます。
そして、日頃から自分自身を肯定的に捉えることも重要です。
自分自身を肯定的に捉えて、自分に寄り添う習慣ができると、他人の不幸を喜ぶ必要がなくなります。
自分自身を大切にすることは、他人を思いやる心を育てる土台となります。
例えば、小さな成功を自分自身で祝ったり、自分の良い点を思い出すことなどをして、
日常生活の中で自分をねぎらい、褒める習慣をつけると良いです。
他人の不幸は蜜の味、と言いますが、それは一時的なものです。
本当の幸せは、自分自身と向き合い、自分を大切にすることから始まります。
今日から、自分自身にもっと優しくなってみませんか。
自分を大切にすることで、他人の不幸を喜ぶ必要がなくなるし、
他人の幸せを見て「素敵だな」と思えるようになるかもしれません。
そうすることで、人間関係もより楽になっていくのです。
最後に、このような心理状態に悩んでいる方がいれば、
プロの心理カウンセラーとして、いつでもお話を伺います。
他人の不幸に安堵する自分自身を恥じることなく、
一緒に向き合い、解決の糸口を見つけましょう。
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