栗林あや(いがぐりこ)です。
ひょんなキッカケで、ネット上で「母っぽい人」を見かけた。
いや、その人と母の間に、実際に何かの共通点があるわけではなく、
私が勝手に、画面の向こうのその人に、母を重ねて見てしまった。
胸がザワザワした。
その人に対して、一瞬、嫌悪感を抱いた。
本人は一生懸命なんだけど、現実的な実力が伴っていない。
だから、本人が自分で思っている「私は出来る!」「がんばります!」って算段と、
実際の結果が大幅にズレていて、成果物は不手際だらけになる。
本人は「できる」と言ってやったことが、実際はできていない。
いろんなことが抜け落ちている。
言ってることとやっていることがブレブレだから、
本人は嘘をつくつもりはないけれど、状況的に、本人が嘘を言っていることになる。
本人はやるつもりでいるんだけど、他人から見たら「できてないじゃん!」ってなる。
「え!またトラブルを起こしたの?!」ってなる。
本人は精一杯やっていて、ただその熱意だけ。
視野が狭く、周りは見えていない。
「これをやったらこういう結果になる」という先読みができない、または甘い。
周りに重大な迷惑をかけているのに、本人はその重大さをわかっていない。
自分の中では「私はがんばってるから!」。そこで思考が止まっている。
その先の、他人視点の発想がない。
周りが迷惑をかけられて困っていることを伝えると、
本人は「ごめんなさい」と謝るんだけど、
そもそも、ことの重大さがわからないまま謝っているから、その謝り方も、相手から見たら、かなりズレている。
相手から、ますます怒りをかってしまう。
対峙した相手によっては「不誠実」「ありえない!」「出るとこにでます!」とさらに事が大きくなって、取り返しがつかないことになってしまう。
私はそんな母のトラブルで、近所の方に謝りっぱなしだった。
平謝りするしかない。
母は「これからは、きをつけます!」「頑張ります!」「わたし、これからはがんばるから!」「だいじょうぶ!」
そう言うけど、そうじゃないんだよ。
「これから」なんてもう無いんだよ・・・。
「これからは、きをつけます!」って、また同じことしようとしてるってこと?
そこは「もう今後一切関わりません。足を踏み入れません。本当に申し訳ございませんでした。」って言うところなんだよ・・・。
「がんばります!」じゃないんだよ・・・。
私は、いつまた近所の人から連絡が来るかビクビクしていた。
当の母は、大問題を起こしているのに、5分後に違う話題に頭が切り替わると、ケロッと忘れている。
「自分がやったこと、本当にわかってるの?!!!」
母に、私は何度キレたことか。
そんな母は、1年半前に、精神病院に即日入院することになった。
退院する時、主治医の先生と相談員さんのすすめで、「精神障害者保健福祉手帳」と「自立支援医療受給者証」を取得した。
私としては、昔から問題を起こす母が、やっと「障害を持っているからだったんだ」とわかって、そしてそれが公に認められることになって、なんだかホッとした。
主治医の先生によると、
「精神障害者手帳を取得することは、患者さんやご家族によっては、(文化歴史的な背景から)取得に抵抗を持つ人もいる。
だから皆さんに確認をとっています。手続きを進めていいですか?」
との説明だった。
母は「おねがいします」と即答した。
「私は、心と体がバラバラで、自分ではダメだと思っていても、まわりがみえなくなってしまう。」
「自分が自分でよくわからなくなってしまう。」
「だから(障害者手帳取得の)手続きをしたい。」
と自ら言った。私も同意だった。
母的にも、自分がなぜこんなにトラブルを起こしてしまうのか。
なぜ周りの人を怒らせてしまうのか。
それぞれの出来事の重大さはわかっていないにしても、自分が繰り返してしまう失敗に、長年悩んでいたのだ。
母はそこから、社会的な福祉の支援を受けられるようになった。
今は一人暮らしをしていた団地も片付けて、施設に入居している。
やっと安心の生活が送れるようになった。
訪問看護師さんや、ケアマネさん、施設の方に恵まれた。
本人の顔つきがずいぶん穏やかで明るくなったし、私も安心できている。
先日、たまたまネットでみかけた人を見て、そんな母との過去のことを思い出した。
この話に特にオチはなく、「こういうとき、周りの人は何ができるんだろう?」「自分の立場だったらどうするだろう?」と思いを巡らせていた。
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