◆公開授乳のおもひで【その1】
のつづき。


そんなわけで、


お産と授乳による疲労困憊と、
切開の痛みと、
睡眠不足と、
これからの不安と。

ホワホワの、
か弱い赤ちゃんを死なせてはならぬ、

という
緊張感や焦りと。


それに加えて、

「私はもう、
ゆっくり休むことはできないんだ。」


そんな絶望感が、
わたしに重くのしかかった。



とにかく必死で、
しんどくて、
苦しかった、あの時のわたし。

 

 

 

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そんな、わたしに、

退院した翌日、

招かざる客が訪れた。


****


私と、赤ちゃんは、
退院してすぐのこの頃、


家の客間である和室を、

一時的な部屋代わりに
使わせてもらっていた。


玄関からすぐの部屋なので
蚊は侵入するし、

横に仏壇あるし、
線香のニオイするし、

おばあさんがペタペタと
スリッパ履いて移動するし・・・・

落ち着かない部屋だった。


けれど、

他に空いている部屋はないし、


トイレとお風呂から
一番近い部屋がこの客間だったので、

私はこの部屋を使わせてもらうことにした。


おマタが盛大に裂けて、
移動するのも
やっとだった私は、

この部屋が
自分がいる場所として、
一番好都合だと思ったからだ。


*******



そんなこんなで、


私がその客間で、

例のごとく
汗びっしょりになりながら、
授乳をしていると・・・


 

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家の外で、
なにやら、ガヤガヤと、

賑やかな声が聞こえた。


 

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「ああ、
おばあさん(旦那の祖母・現在89歳)が、

畑から帰って来たんだな。

近所のババアたちと
おしゃべりしてるんだな。

あーーーーうるさいっ。」


私は瞬時に
そう思った。



・・・・・・すると・・・・・


その声はどんどんと
近くなり・・・・・


やがて・・・・・


ガラッ!!という
玄関の引き戸が開く音とともに・・・


ドドドド!!!

と、足音が響き・・・・

 

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目の前に突然、

4~5人の
ばあさんたちが現れた!!!!


ヽ((◎д◎ ))ゝ

 



どーーーーーん

 

 

 

 

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ばあさん1:
「あんたらンうちに、
赤が産まれただって??!!」


(あなたのお家に、
赤ちゃんが生まれたのね!)



ばあさん2:
「今、乳をくれてるって聞いたもんで
ワシら、見に来ただに~」

(今、授乳してると聞いて、
私たち、見に来たのよ)



ばあさん3:
「今じゃここらじゃ
赤がいなくて、珍しいねぇ」



ばあさん4:
「ホレ!見てみ、乳、吸ってる!!」



ばあさん5:
「どれどれ・・・

あんれまぁ!!!
乳くわえてるねぇ」

 

 

 

 

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肝心の
うちのおばあさん(旦那の祖母)は、

「そうでしょ、そうでしょ。」

という面持ちで、

この異常な空間に
疑問を感じているようなそぶりは
全く無かった。



・・・・・・

これが、普通なんだ・・・・!!(@_@)



今の私なら、

「身体がしんどくて辛いので、
申し訳ないけど、静かに休ませてほしい。」

くらいは言うだろう。


けれど、

当時の私は、

突然の出来事で
ビックリして声が出なかったのと、


まだ、同居を始めたばかりで、

「ここのやり方に合わせなければ・・!」
と、必死だったので、

 

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としか、言えなかった。


 

そして私は、
だまってうつむいたまま、

必死に乳首を咥えさせていた。



当時私は、

赤ちゃんに乳首を
うまく咥えさせられなくて、

乳頭保護器を使用していた。


 



ババァたちは
未知の器具に、


「それはなんだね?」

「あんらぁ~
そんならものくっ付けて、
赤は吸いにくくないだかね?」

「(おっぱい)出てるだかね?」

・・・等、

根掘り葉掘り聞かれ、



挙句の果てに、

「ワシらの頃じゃ、
もう産んで1週間したら、
赤を置いて、畑に行ってたっけねぇ。」

「乳の時間だけ、
家に帰ってこりゃあいいだよ。」

「時間を決めて乳をやらないから泣くだで。
そのうち赤も『今はもらえない』と、わかる。」


など、など。


私にとって
ありえない発言を残して、

嵐のように
ババァたちは去って行った。


うちのおばあさんも、

その後も
このババァたちと同じセリフを
何度も言ってたから、

きっと、昔の子育てって、
そういうモノだったんだろう。


平常時なら、

「ああ、おばあちゃんたちにとって、
珍しいことなんだな。」

とか、

「おばあさんにとっては、
それが常識だったんだな。」

とか、

「でも、私は私の心地よいやりかたでやろう。」

などと
思えることも、


げっそりと朦朧として
普通の判断ができない状態の私は、


ババァたちの一連の行動すべてが、

私の授乳や子育てを全否定し、
責めているように感じて、

わたしは
たいそう、傷ついたのであった。

 

*****


その夜、

私は
旦那の前で、シクシクと泣いた。

 

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本当は
わんわんと大泣きしたかったけど、

客間だから、

泣いたら、
他の部屋に居る、
同居家族に聞こえてしまう。


私がおばあさんの行為を
悪く言ってるのが
もし、他の家族に聞かれたら、

わたしはこの家に居られなくなる。


だから声を殺して、
シクシクと泣いた。


「・・・なんでわたし、
知らないおばさんたちに

授乳してるところを
見られなきゃいけないの・・・・」

「なんで、みーちゃんを家において・・・
・・・わたしも畑に行けってこと?!」

「もう、帰りたい。
アパートに、帰りたい・・・」


声にならない声だった。


旦那は、

「へ?赤ちゃんが珍しいからだろ?(*‘∀‘)
おばあさんも、見せびらかしたかったんだよ。」


と、当てにならない返答だった。



わたしは、その晩、
泣きながら授乳をした。

抱いてるみーちゃんのちっちゃな耳に、
涙がぼたぼたと、こぼれ落ちた。


やっとこの腕に抱くことができた我が子。

母子ともに健康で、
退院することができた。

ありがたい。

迎え入れてくれる家族がいる。
居る場所がある。

私は恵まれている。


・・・・な、はずなのに、

嬉しいとか、
赤ちゃんがかわいいとか、
愛おしいとか、
幸せとか、

そんな感情よりも、

不安や
恐怖や
緊張感や
しんどさの方が大きくて。


目の前の幸せを受け入れられずに、

ただただ、
ぐったりとすることしかできない自分にも、

どうしていいかわからずに
泣いた。



*****


そんなわけで、

以上が
わたしの公開授乳の思い出。



・・・・



・・・・



と、思ったら!!!


本当の恐怖はここからだった。


私は本家の嫁。

みーちゃんは、
本家に産まれた、初の内孫。


この翌日から、
(てか、私は夜も寝てない)

怒涛の
出産祝いラッシュで、

親戚の方たちが
ひっきりなしに訪れて、

私は否応なしに、
公開授乳を
しなければならないのであった。。。(iДi)


そんな中、
のんきに、朝早くから、
サーフィンにやってくる、旦那の弟。。。。。

自由にのびのび、子育てしているらしい、
Sちゃんのはなし。



うわああああああああああああ!!!

今思い出してもムカツク!!!(@_@)


言ってもよかったなぁ。(iДi)


「ありがたいけど、
わたし今、しんどくて、産後がつらくて。
申し訳ないけど、静かに休ませてください。」

って。

言えばよかったなぁ。


「おばあさんの時代はそうだったんだね。
けど、わたしは今必死で、
そう言われると、
責められてるように感じてつらい。」って。


言えばよかったなぁ。


「わたし、
産後は静かに落ち着いて過ごしたい。」って。


うううううううう。(´д`lll)

 


けど、言えなかった。


ありがたいと思っていたから、
言えなかった。

感謝していたから、
言えなかった。


おばあさんにも、家族にも。


感謝していたら、
本心を伝えてはいけないと思っていたから。

感謝してるんだから、
我慢しなくちゃいけないと思っていたから。

迷惑かけているんだから、
わがまま言ってはいけないと思っていたから。


わたしが、
ずっと『感謝』だと思っていたのは、

もしかしたら
『感謝』ではなくて、

迷惑をかけないように…と、ビクビクしながら
自分を殺すことで居場所を保つ、

『保身』だったのかもしれない。


*****


その後、

おばあさんとは、
世代間のギャップや
文化の違いなどもあって、

私はさまざまな面で衝撃を受けるのであった。
(またいつか記事にするかも)


そんなわけで、
長くなったが、

私の公開授乳の思い出でした。


ちなみに、
このしんどさは、

赤ちゃんの生後1か月検診のころから、
ちょっとずつ減ってきて、
(自分が慣れた)

生後3か月くらいになると、
おっぱいを飲む量も増えて、
しんどさが、だいぶ落ち着いた。


生後8か月で
お座りができるようになるころ、

まとめて寝るようになって、
やっと、
「あ、ちょっとラクになった」と思えた。

そして、
生後10か月頃、
今度は「夜泣き」がはじまってグッタリして。

しんどさの質が変化していった。


妊娠出産って、
赤ちゃんとお母さんの絆、とか、
愛の結晶、とか。

キラキラして素敵なこどばかりが
注目されがちだけど、

産後一か月は、
ほんと、しんどい。

想像を絶するほど、しんどい。

お産の痛みなんて吹っ飛んでしまうほど、
超しんどい。

限界のピークをはるかに超えている。


『妊娠中より、
出産後の方が大変ですよ。

産後一か月は眠れません。
超絶グッタリです。

おマタもズキズキします。
授乳はしんどいです。
必死です。

「あかちゃんカワイイ~!」だなんて
そうそう思えません。

けど、
産後ってそういうモンです。
それがフツーです。

それでいい。
1か月経てば多少落ち着くから、
それまでの辛抱だ!

今のうちから、余力を残しとけ。
誰かに「助けて」って言う練習しとけ。

「産後はゆっくり過ごしたいから
面会はお断りさせてください」って
今のうちから言っておけ。』



だなんて、
妊娠中、だれも教えてくれなかった。

産まれてからも、
疲労困憊のわたしに、

みんなが
「おめでとう~!」って。

「幸せでしょ~」って。


現実と朦朧感とのギャップに、
わたしひとり、
取り残されてるみたいだった。



ヽ((◎д◎ ))ゝ


・・・・・うんわー。

これ書いてたら、
日が暮れて、夜が明けちゃう
。(;´Д`)ノ

いつまででも書けそう。


今日は、ここまでにしよう。



子育ての話は、

今度11月に、ここでする。

超スペシャル。

超楽しみ。



それでは、

またね。(*^▽^*)


最後までおつきあい、ありがとう。

おわり。




***

※わたしの出産体験記は、
ここでも読めます↓

お産のコツを書いてみようかな。①

【私的とっておき】お産のコツ②

【私的とっておき】お産のコツ③

お産のコツ。あとがき

◆超長文*長女の妊娠と薬のはなし。


*******


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