11月の富山に続き、今回の遠征も家族旅行を兼ねていました。
家族とは法隆寺や飛鳥地区といったメジャーな観光地を訪れましたが、個人的に訪問したい場所があり、そこは一人で行きました。
その4.奈良インプレ(観光地)
として個人的に訪問した場所を綴ります。
(1) 若草山
(2) 浄瑠璃寺
(3) 秋篠寺
(1) 若草山
若草山には開山期間があり、閉山期間に入ると通常ルートでは登れません。
昨年平城京トライアルマラソンで奈良に来た際、そのことを初めて知りました。
開山期間は3月第3土曜~12月第2日曜とあり、トライアルマラソン開催日(2020/12/19)の前週まででした。
これは残念極まりなかったです。
そして今年、奈良マラソンは12月12日
まさに12月第2日曜、開山期間最終日です。
レース前は憚れたので、レース後に登ることにしました。
春日大社~東大寺大仏殿を経由します
私が感じた若草山の良さを3点述べます。
①静かで落ち着ける
②刻々と空~稜線の表情が変わる
③奈良盆地・大和を一望~悠久のロマン・人の営みに想いを馳せる~
①静かで落ち着ける
私も観光者の一人であり、大きなことは言えませんが・・・
歳のせいか、観光地の人混みが近年キツくなってきました。
人混みにいると、"人混み酔い"とでもいうような、気分や調子が悪くなる傾向があります。
観光地に来ていながら、人混みがなく、落ち着いた場所が良いという贅沢な望みですが、若草山は私のそうした望みにかなっていました。
・鹿が寄ってきたりと、ほっこりもできます。
②刻々と空~稜線の表情が変わる
奈良の風景の良さとして
・大和の山々の稜線が美しく見えること
・空が広く、良く見えること
・稜線に太陽が沈む夕暮れが綺麗なこと
を感じました。
若草山からは、そうした空や山々の稜線が良く見えて、特に夕暮れ近くは、表情の移り変わりが飽きなかったです。
③奈良盆地・大和を一望~悠久のロマン・人の営みに想いを馳せる~
空や山々の稜線だけでなく、当然奈良のまちもパノラマで一望できます。
手前の東大寺、興福寺の五重塔、右手には平城宮跡・・・
太古の昔から、人々は眼下に広がる奈良の都を眺めていたような気がします。
漫画や映画などの創作物では、戦いが終わった後、丘など小高い場所から静かになった戦場を俯瞰する・・・といった場面の切り替わりがあります。(「戦いとは空しいものだな」などと呟いたり)
スポーツ漫画では、熱戦が繰り広げられた後、無人の競技場にたたずんだり・・・(「俺たちは試合には勝ったが、勝負には負けていた」などと熱く語ったり)
数時間前に走ったマラソンコース、家族と観光した場所・・・
果ては、奈良時代の妄想、悠久の人の営み、輪廻転生・・・
仕事で気が滅入ることがあり、若草山で静かに物思いにふけることができたのはとても貴重なひと時でした。
(2) 浄瑠璃寺
浄瑠璃寺は奈良と京都の間、木津川市の山合いにあり、少し遠く、メジャーな観光スポットというわけではないと思います。
今回訪れてその良さを堪能しました。
こちらも3点にまとめました。
①偉大な文人たちが思いを寄せる
②静かで落ち着ける
③実は相当に貴重(平安時代の建物・姿をそのまま残す)+知的好奇心をくすぐる
①偉大な文人たちが思いを寄せる
昨年読んだ和辻先生・堀辰雄の著作の両方において、浄瑠璃寺は存在感がある書かれ方をされていました。
調べてみると、堀辰雄の著作「大和路・信濃路」にある浄瑠璃寺訪問の章は、『浄瑠璃寺の春』として高校教科書にも採用されているようです。言われてみると「あしび(馬酔木)」は記憶のどこかにある気もします。
偉大な文人達を惹きつけたことで、私も浄瑠璃寺を訪問したいと考えました。
②静かで落ち着ける
①と同様
平日午前のため、観光客の姿も無く、時が止まったかのような静かな場所でした。
③実は相当に貴重(平安時代の建物・姿をそのまま残す)+知的好奇心をくすぐる
こじんまりとしたお寺ですが、三重塔や本堂、本堂に安置されている九体の阿弥陀如来像、庭園・・・これらは平安時代のものがそのまま現在に残っているそうです。
東に薬師仏、池の対岸、西に阿弥陀仏を配するのは、浄土思想を表しており、「彼岸」といった言葉の由来になっています。
さらに調べると、興味深いことが色々分かってきます。
一例をあげると・・・
■ 九体を安置する意図
⇒「九品往生」という考え方があり、現世の行いにより、人は3種類に分けられる。
良い人を上品(じょうぼん)、悪い人を下品(げぼん)、中間を中品(ちゅうぼん)に分け、更にそれぞれを3種類に細分、合計9種類となる。
上々、下の下、上品、下品といった言葉はここから由来される。
■ 池の形は梵字の阿字をかたちどる
⇒梵字とはサンスクリット語のa。個人的にギリシャ文字のαと同じルーツを感じます。
そして、アルファなどというと、今流行の病。平安末期も疫病が流行っていたような
仏像や寺院への興味はここ最近なので、考え方・背景などをどこかでしっかり学んでみたいと感じました。
(3) 秋篠寺
こちらも落ち着く場所でした。
秋篠寺も、いわば堀辰雄の文献の影響でした。
いま、秋篠寺という寺の、秋草のなかに寐そべって、これを書いている。いましがた、ここのすこし荒れた御堂にある伎芸天女の像をしみじみと見てきたばかりのところだ。このミュウズの像はなんだか僕たちのもののような気がせられて、わけてもお慕わしい。朱い髪をし、おおどかな御顔だけすっかり香にお灼やけになって、右手を胸のあたりにもちあげて軽く印を結ばれながら、すこし伏せ目にこちらを見下ろされ、いまにも何かおっしゃられそうな様子をなすってお立ちになっていられた。(出典:堀辰雄「大和路・信濃路」より)
やや屈折した形になりますが、伎芸天女の像を実際に目にすると、「80年程前に堀辰雄が目にしたものを自分も目にしているのだな」などとと不思議な気持ちになりました。
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その他の訪問地をダイジェストで
桜や馬酔木(あしび)が咲きほこるという春や、ヒグラシが鳴く夏にも奈良を訪れてみたいです。
***(英語学習の一環で簡単な英作文をするようにしています。違和感などがあれば、ご指摘いただけると助かります)***
It was a beautiful winter day for a marathon and hiking.
A bit chilly but nothing that a jacket and tech shirt couldn't take of.
I opted not to drink or not to eat too much after the Nara Marathon since it might not be fruitful for my liking.
Instead, I climbed on Wakakusa Mountain.
Since I'm in "recovery" mode for my mental, I chose for a beautiful scenery from the mountain top.