コエンザイムQ10、略してCoQ10
美容に関心がある方は、知らない人はいないくらいに一般的になりましたね。
健康食品や化粧品など、様々な美容・健康目的の商品に入っている成分です。
もう4年以上前ですが、サプリメントとしてのCoQ10が品薄になり、店頭から消えてしまうなんてこともありました。
その時は、希望する患者さんには、「ノイキノンを自費で処方する」と医師からの連絡があったくらい。
でも、患者さんの状態によっては、医師が処方を断ったので、市販の健康食品として売られているCoQ10を利用するよりも患者さんにとっては安心だったかもしれません。
では、質問!
次のうち正しいのはどれでしょう?
①コエンザイムQ10は、医薬品としても使用されている成分である。
②コエンザイムQ10は、その美容効果が高く評価されている。
③コエンザイムQ10は、副作用が少なく安全性が高い。
CoQ10は、ユビカレノンまたはユビキノンとも呼ばれる脂溶性のビタミン様物質。
ビタミン様物質とされるのは、通常体内で合成されるため、摂取が必須ではないからです。
同様成分のユビデカレノンは、医薬品名「ノイキノン」としてエーザイさんから販売され、治療薬としても使われています。
医薬品から、健康食品としても利用できるようになった成分です。
体内で合成され、特に酸素の消費量が多い心筋内に多く存在しています。
ただ、体内での合成は、20歳までが最高レベルで、加齢ともに合成量は低下していきます。
心臓病や筋ジストロフィー・パーキンソン病・糖尿病・HIV感染などで体内のレベルが低下してることがわかっています。
特に、心臓病では重症になるほどCoQ10が少ない傾向にあります。
また、コレステロールが高くて、薬を飲んでいる方(スタチン系と言われるコレステロール低下作用のある薬)は、体内のC0Q10の量が少なくなる傾向にあります。(スタチン系の薬剤がCoQ10の体内合成を阻害するため)
そのメカニズム(体への働き)としては、
・抗酸化作用
・細胞のエネルギー源であるATPの産生
・内皮細胞依存性血管拡張改善
などが考えられます。
臨床試験で結果が報告されているのは、医薬品としての効果である、心筋の酸素利用効率を高めて心臓の働をよくするという効果だけです。ただ、心不全への効果は弱いため、他の医薬品の補助として使われます。
血圧に関しては、一貫して低下効果が期待できるが症例が少なく、データとしての信頼性には乏しいようです。
美容目的でのサプリメント摂取は、今のところその効果を実証できるだけの十分なデータはありません。
摂る量
採り方としては、サプリメントでは1日量100mgとして販売されているものもありますが、医薬品での用量は1日30mgであるため、それを超えないように摂るのが安全です。
また。肉や魚介類にごくわずかに含まれますが、1日の必要量を食品のみで摂ろうと思うと、明らかにカロリーオーバーになります。
100mg以上を摂るのであれば、1日数回に分けて摂ると、胃腸の不調・食欲不振・吐き気・下痢やめまいなどの副作用が起こりにくくなるようです。
摂る時間
CoQ10は、脂溶性なので、食後すぐに飲む方が吸収が高まります。
安全性・注意
副作用はほとんどなく、安全性も高い成分ですが、
高血圧で治療中の方(降圧剤服用中)
糖尿病で治療中(血糖降下剤服用中)
の方は、薬の効果が強く出ることがあるため、注意が必要です。
また、ビタミンKと構造的に似ているため、ワーファリンの作用を弱めてしまう可能性も指摘されています。
安全性は高い成分ですが、授乳婦・妊婦での安全性情報は不十分であるため、摂るのは避けてください。
運動能力の向上は期待できませんが、激しい運動の最中、酸素/血流の不足で臓器障害が起こる可能性が指摘されています。
まとめ
健康食品としてのコエンザイムQ10
・摂取量目安 100mg/日が一般的であるが、医薬品としての用量は30mg/日とされている。
・脂溶性のため食後すぐに飲むと吸収がよい。
・20歳を境に体内レベルは低下する。
・心臓の酸素利用率を増加させることが認められている。
・血圧は低下させるというデータがある。
・高血圧/糖尿病治療中(薬剤服用中)は注意が必要
化粧品に含まれるCoQ10
脂質の抗酸化作用を持つので、細胞膜を酸化から保護する働きは期待できる。(試験管・動物実験レベルでの評価)
質問の答え
①コエンザイムQ10は、医薬品としても使用されている成分である。
③コエンザイムQ10は、副作用が少なく安全性が高い。(ただし全くないわけではありません)