【真田信之 弟・幸村をしのぐ器量を備えた男】
PHP文庫
【著】川村真二

真田昌幸の長男で真田幸村の兄、真田信之の歴史小説。
徳川家康に無敗の真田昌幸や徳川家康をあと一歩まで追い詰めた真田幸村の激しさは無いが、真田の家を守るための戦いが粛々と描かれていて面白い作品。
真田家の物語は、大阪夏の陣で真田幸村が討ち死にしてそこで終わっていたので、その先が知れたのが良かった。
徳川家にとって最悪の謀反人を親兄弟に持つ真田信之が、いかに家を保ち続けたのかが非常に興味深く感じた作品。
徳川家康、秀忠、家光、家綱と四代に仕えたことは衝撃だった。(93歳で没)

 

 

【戦百景 山崎の戦い】
講談社文庫
【著】矢野隆

山崎の戦いを舞台にした歴史小説。
本能寺の変で織田信長が横死してから、明智光秀が豊臣秀吉に破れるまでを8人の視点から描いた作品。
歴史小説は、結果が全てで誰がどのように考え、感じ、思って動いたかの正解はないもの。
それでも明智光秀像、豊臣秀吉像等は、割と似た感じで描かれていたように思うが、この作品では今までとは違った感じで描かれていてとても興味深く感じた作品。

 

 

【化け者心中】
角川文庫
【著】蝉谷めぐ実

江戸時代を舞台にした時代小説。
芝居小屋で起きた、鬼の成り代わり事件を元女形と鳥屋が解決する話。
文学賞三冠のデビューいう帯が付いていたので手に取った本。
難しいことは解らないが、本題に入るまでがとても長く感じた。
6人の容疑者から誰が鬼かを暴くために元女形と6人の人となりが深堀されていく。
鬼を早く暴かなければ、夜な夜な鬼に小屋の人間が喰われていくという展開の話ではなかった。
最後まで読むと、そういう展開にならなかったのもタイトルも納得の面白い作品。