最近、曳家工事や古民家修復のことばかり書いているんで(苦笑)
一般の木造住宅の、家の傾き(沈下修正工事)のことを久しぶりに書きます。
昨年末にアンダーピニング工法で沈下修正工事をされている親方と話していると、
「土台揚げって安くて粗悪な工事みたいに言われているけど・・本当は、もっと良い工事じゃないか?って思うんですよ」と言っていただいた。
確かに、それぞれの工法にメリット、デメリットがあるので。
どの工法が良いか?などと乱暴に言う人は、どうなのかな~~?と思ってしまう。
何よりも東日本大震災から6年が経過して、今では「リフォーム年間」のような工事金額の電話帳のような冊子にも、アンダーピニング工法や薬液注入工法、そして土台揚げの概要と参考価格が掲載されるようなっていますが。
むやみにアンダーピニング工法がもっとも良い工事であり、再沈下のリスクが少ないと書かれて、逆に土台揚げは安いだけが取り柄の悪い工事のように書かれているのが不当な評価だよな~と思ってはおりますが・・そうかと言って自分としては他の工法の悪口を書く。というのも嫌なんで・・自分は自分にご依頼いただける方に誠意を持って対応してゆくのみ。と考えてます。
土台揚げの利点は、基礎はそのままにしておいて、ジャッキで持ち揚げた分をコンクリートを増し打ちするわけですから。
基礎の増し打ちを丁寧に施工すれば、地盤に対しての安定感は一番だと思います。
床下からコンクリートを詰める作業が面倒だからと外からモルタルを流している業者もいますが、その結果、水切りを傷めて尚且つ、きれいに増し打ちが出来ていない施工例をまま見かけます。型枠をきちんと組むべきです。
床下からコンクリートを流しこめるよう土台下から8cmほど型枠を下げておきます。
まじめにやれば、このくらいきれいに直せます。
仕上げに左官さんに上塗り掛けてもらえば全く判らなくなります。
その費用は10万円くらいです。
以前、千葉で、自分が48人工+材料代+出張費で、310万円で見積もりした案件を、
大手さんが(もちろん実際には下請けが施工です)20人工で270万円で見積もりしてました。(下請けがもらう金額はだいたい半額くらいです)これでは、この業者さんが、上手いとか、下手というレベルの話ではないです。
お施主さんの希望金額ばかり聞いたり、利益率を優先して、施工品質を落とすことを平気で言う元請けと、「自分は言われたことをやっているだけ」という意識の低い職人がいます。
自分の感覚だと大手さんの中には「事故が起きたら保険とかでカバーすれば良いから。何パーセントかは施工不良が出てもトータルで見て利益が出ているなら。そこはあえて全てを良い工事でなくてもかまわないでしょう」みたいに見ているように会社があるように思います。
自分は正直、そこのところを大手に迎合するのが嫌で、失業もしております。自分の手掛けた家に安心して住めないようでは恥ですよね。
詳しくは「曳家岡本」のHPも見てくださいませ。