昨日、今日と真夏日になっていますね。
体調管理が大変な中、新型コロナウイルス感染の脅威もあるので、十分に気を付けてお過ごしください。
家に籠るって結構大変ですね。
今はこれも修行と思い、一日も早い再開を待つのみです。
ここまで長くに分けて犬の成長を書いてきました。
使役犬と家庭犬では色々と条件も異なる為、家庭犬は実は非常に難しい条件をクリアしながら育てないといけないのです。使役犬は基本は勉強し、専門知識・技術を身につけたプロが育成管理をしていきます。
そして特定の専門の行動を犬は活かして活動をします。
家庭犬の場合はどうでしょうか?
大きく違うところは、プロが育成管理するのではなく、専門的に犬を学び、育て方を習ったことがない方たちが生活を築き、特別な仕事ではなく、共に暮らす、生きることを目的に生活力を教育し、それに必要な力をトレーニングして鍛え養っていきますが、そもそもその方法やスキルがわからない状態でそれを実現しないといけません。
暮らしと活動の両方を提供できないといけないので、特定の専門的な教育やトレーニングだけでなく、総合的な実施が必要になるのが家庭犬として育てることなのです。
日本は外飼いで番犬的な関わりをしてきたのが、突然と室内で犬と暮らすという前代未聞の経験のないことでありながら急にそれが普及し、飼い主さんはもちろんですが、犬も過去にない混乱を起こしています。
犬をどうにかする以前に、自分たちがそのスキルも知識もないことに気が付かないと始まりません。
専門家でも、犬をどうさせるか?という一方的に人間に都合のいいようにしていくことばかりで、自分達を見直すという意識や考えを指導することが本当に少ないと思います。
脳を育てるのか?様々な現実に適応できる力を育てるのか?体を育てるのか?そうした様々なことを育むために、その目的に応じた方法をセレクトしていき、トータル的にバランスよく育てないといけません。
科学的に犬が学習する適切な方法も、それは学習の一部に対してベストですが、学習だけで生きていくわけではありません。
人間同士でさえ、同じ屋根の下で暮らすということに苦痛を感じるように、、種も異なり、常識も習性も異なる相手と暮らすというのは、犬にも保護者となる飼い主さんにも負担がかかるのです。
優しい方法だったら、人間の一方的な都合の良い子にしていいのでしょうか?
彼らにも意思があります。いつも快ばかりの生活は現実に存在するのでしょうか?
それは現実は難しいことです。
科学的な環境でなら、それが通用しても日常生活ではそれだけでは生きてはいけません。
何よりも犬を育てるのは当然の責任ですが、実は皆さんは他人事のように話している方がみえますが、皆さんは犬に親として育ててもらわないといけません。
私たちは犬育てをし、犬は親育てをするのです。
それが共に生きるという”共育”です。
飼い主さんも犬を育て、共に暮らすためのスキルを養うためにトレーニングして力を養ってもらうサポートが必要なのです。
それが家庭犬の専門トレーナーの本来の仕事であり、役割でもあります。
オーナーズトレーニングやドッグオーナーズスクールが家庭犬として育てるために共に学ぶためのスクールです。
私たちは出来ていて、正しいのが無意識に当たり前になっているから、犬が問題だといい犬をなおそうとしていますが、そもそも本にもネットにも皆さんの行動や心の影響を想定したサポート方法はありません。
私たちがそうした状況を作り、またそうした状況を変えるにも私たちにあります。
見直しは犬ではなく、私たちで私たちの教えるスキル、育むスキル、社会での共同行動の主導スキル、安全生活の提供、関係を築くスキルなど、私たちが主体にならないと始まりません。
犬を知るには、自分を知らないと始まらないので、それが本来の相互尊重しあう共利共生の実践です。
社会共生をするためには、社会性を教え、適切な方法を犬に教えてあげないといけません。
いうことを聞く、聞かない、従う、従わない、お利口、バカ犬という評価は必要なく、命令で従わせる奴隷のようにではなく、自分で判断して自分の意思で適正行動ができるように教え育て、トレーニングサポートをしてこそ、”自由”が得られます。
子犬は幼虫、思春期にサナギとなって保護しながら、外(社会)で適応できる力を育んで、1歳になったときに社会を共に羽ばたける成虫(🦋)(成犬)になれるように、発達に合わせた教育が必要です。
1歳までにパピー、思春期教育を終えたら、やっとここから自由を得るための歳齢を迎えられ、1歳~3歳は自由共生への最終ステップで3歳までに自由(ルールを守って、自分の意思で望ましい行動をとれる、判断できる)暮らしを築いていきます。
これが成犬期です。
3歳~5歳はさらに落ち着き、5歳くらい~シニア期になるまでが共に生きる時間を共に楽しめる時間であり、異なる種同士が種を越えたコミュニケーションと愛着が築かれることは感動です。
ただ可愛いという自己満足ではなく、共に尊重しあって自意識行動で生活や対話ができるってこれが家庭犬としてのメリットだと思います。
使役犬と比べ、活動がどうしても少なく、共同作業が少ないからこそ、本能的な衝動行動を強化するよりも飼い主さんと共に楽しめる”レクリエーション”が必要です。
優しさより、楽しさが大切で、そうした肉体的欲求を満たし、精神的(脳)欲求の両方を満たしてこそ、犬は満たされて、よく眠れます。
質のよい睡眠が学習力の向上や健康などにもプラスになり、ストレス耐性も強くなる大切なことです。
活動が少なく、吠えて困るから吠えを止めろというのは、同じ境遇に自分がなったらできないと思います。
やはりエネルギーが滞れば、何かで発散しないと壊れてしまうので、それが吠え、破壊などの行動でエネルギー消費をしているだけで、それさえしなくなったら本当に異常にさせることになります。
またストレスや嫌なことを避けようとしてしまいがちですが、こうした外でのさまざまな刺激は、リラックスを得るためには必要な刺激なのです。
今の私が家の中でリラックスが多すぎてストレスを感じているように、ストレスとリラックスは単品じゃなく、2つで1つなので、大切なのはバランスです。
ストレスがあるから、温泉に行って癒されるし、体を酷使するからマッサージで癒しを感じるし、負荷がなければ解放もなくなるのです。
苦しいがなければ楽もなくなるし、欠点がなければ長所もなくなります。
ストレスケアマネージメントはストレス科学でありますが、今までの常識と違い、ストレスを利用する、必要というのは、自然の道理でも同じです。
成育する時は負担(ストレス)がかかるから、小さな苗のままでいようなんてありえません。
体も成長するということは破壊と再生を繰り返しています。
これを心の成育にも必要なのです。
心の成育を忘れてしまい、トレーニングの目的を間違え、犬の心と意思を潰して”大人しくなった”と満足するのは超危険です。
私は自分の意思を表現し、その後その時に必要な状況を受容し適応できる子に育てるのが目的です。
家庭犬には、こうした色々な視点からのアプローチがあって、初めて一人(一匹)前の犬に成れる「成犬」になれるのです。
心と体が共に健全な発育ができるように、犬育てのできる親育てを皆さん自身の課題にして頂けたら、共に成犬式を迎えて、大人の付き合いをして頂きたいと思います。
意思疎通ができる関係の人と犬が増えていくように、私も教導に努めたいと思います。
心が成犬になれた犬たちが増えますように。
