まだまだ蒸し暑い日々が続いていますが、空は夏と秋が衝突していますね。
夏は短いですね。
ストレス・・以前はストレスはなくしていくことが良いというのは科学的な常識でした。
しかし、それは犬のトレーニング分野におけるものが多かったのですが、同じ科学ですがストレスを避けるのではなく、受け入れてそのストレスとなる刺激や出来事の嫌悪を跳ね返し、快の選択をする思考トレーニングが現実に生きる上でのポジティブトレーニングとしてありました。
実験室やある決められた条件、人と離れて暮らす動物にとっては有効的な科学的手法でしたが、家庭犬においては、逆にそれがストレスで苦しめる結果になっていることが多く、攻撃(咬む、吠え、襲い掛かる)などが増えている要因でもあります。
私の基本ベースとなるポジティブトレーニングとして、レジリエンストレーニングを軸にここまで数万頭の犬と飼い主さんと問題解決のサポートを20年してきました。
共に暮らすとなると避けられないストレスも多くなり、また逆に快適を得られることで、不快を感じやすくなるという側面を無視してしまっているのが、ポジティブだけに意識を向けた方法の落ち度なのです。
ネガティブな出来事が起これば、攻撃的になる。これは解決ではなく誤魔化しになってしまいます。
本当のポジティブトレーニングは、ネガティブの適応力トレーニングとポジティブを得る術を教育するエデュケーションが2つで1セットです。
不快、不都合、負荷のないこの世は存在せず、いつもストレスというのは存在するものです。
これが現実です。
ストレスレスとはあの世の話です。非現実的なのです。
力が必要で、サポートが必要なことはネガティブな出来事の時です。
飼い主さんも犬と楽しく過ごせている時に専門家に助けを求めるでしょうか?
やはり苦しみ、問題というネガティブな時に専門家の助けとサポートを必要とします。
ここでの課題はネガティブの適応力を鍛え養い、適応してポジティブを得る自発性の考え方をトレーニングしていくことで、行動もネガティブを通じてポジティブに移行していきます。
これを反復していくことで、自己判断でネガティブを回避して、ポジティブを得るために考え動くという実行力が身に付けば解決できるのです。
犬たちもネガティブな状態から逃げよう、避けようだけを考える癖になると、常にネガティブをなくすために考え行動するという状態に置かれています。
楽しくはないのです。
今までのネガティブもどうせこれはいつもの練習だ!くらいに楽しさと結びついてくると別にストレスが存在していても、それをストレスとは感じていないので、もはやストレスではないのです。
ストレスをなくすのではなく、ストレスでなくなる力を養うのです。
そうして、楽しいや快適を得る術を教え導いて育てていくことで、犬はポジティブを感じ、得られて楽しく生きられます。
大切なのは”感じる”ことで満足できますが、快適を”感じられない”のであれば、もう快適ではありません。
ネガティブやストレスを排除しつづけて、快適を与えた結果、すべてがネガティブとストレスしか感じないようになっていきます。
逆にネガティブを感じることによって、ポジティブを感じてポジティブを得られるようになるのです。
これが本来の”ポジティブトレーニング”なのです。
多くの問題を抱える犬たちは”ストレス”を減らすことが必要ではなく、逆に”ストレスが少なすぎて、適応力が弱くなっていること”で、問題が起こっています。
かわいそうと何でも嫌がることや要求に応えてきてしまって育った犬は、そうして楽を得ることによって、嫌なことや要求通りにならない苦痛を与えられています。
衝動を抑制する自律する力を育ててもらえる環境ではなかったので、そこで更に負荷を軽く実は逆に適応力の低下を助長してしまっていることに気が付いている人が専門家も少なくなっています。
ネガティブとポジティブのバランスが大切で、双方をバランスよくトレーニングしてくことで、犬も快を得られる力が備われば、もうネガティブに潰れない、ポジティブを得られる子に育ちます。
片方だけではだめなのです。
両方あってこの世を生きるための育みが得られます。
ストレスが悪い、犬が嫌悪に苦しんでいるのが悪いという考えが、「悪い影響」を生み出すとエビデンスでいわれています。
筋力トレーニングの重りがストレスです。苦しいから走らないマラソンランナーがいるでしょうか?
痛いし、苦しいからパンチしない、試合しあいボクサーがいるでしょうか?
これをまったく犬が嫌がることをなくして、褒めるだけが良いといっている生きるという目的になっているのが、現在の方法の多くです。
苦しいから、そこから脱するために必要な力をつけようと体が自分を守るために「活性」します。
活性はポジティブです。
体の負担が本当にかかっているのなら、体はバランスをとる機能があるのでかからないように働きます。それをむやみに負担を薬で減らすことは本当にいいのでしょうか?
心身症的に体の不調や健康維持ができない状況には補助として必要です。
ただ咬むだけ、興奮するだけと、理由の把握と自分たちがすべき主体性と理由と意味をせぬまま、犬だけに薬を使って楽にさせることは、弱化させていきそれが苦しみを増させる、普通の生活に必要なストレスに適応できなくすることを助長することにもつながることを是非飼い主さんが愛犬を守るためにも理解してあげてください。
私の知っている限りでは、イギリス、スウェーデンでは、咬む問題で獣医師が薬を最初に処方することは今でもないそうです。
身体的な疾患がないということを獣医師が診察して、診断して、その後は問題行動のリハビリを行うカウンセラーやトレーナーにコンサルして、改善はそちらで行います。
その中で、やはり薬物療法のサポートが必要となった時、リハビリ、ケア、トレーニングしている専門家から獣医師にコンサルして、補助として薬物療法を併用していきます。
最終手段なのです。それくらい慎重にならないといけないし、飼い主さんも安易に薬物療法を望まないそうです。
20年たってもイギリスは今もそうだそうです。
獣医師とカウンセラー、トレーナーの連携は必要不可欠なのです。
それぞれの専門(医療)と(教育、リハビリ、トレーニング)を尊重しあえているからこそ、飼い主さんと犬の利益を提供できます。
日本は切り取られた一部の情報だけで、一部の部分だけに着目した対応をしてしまい、全体を把握し、ジェネラル(総合的)に行動カウンセリングできる専門家がまだ少ないのです。
飼い主さんと犬の両方を知る専門家が本来は家庭犬の暮らしと生きるをサポートする専門家です。
犬だけみて、犬にアプローチするのは、家庭犬ではなく、犬だけで犬が生きる場合のみに有効です。
ここの普及が急務で、どんどんと日本は人間の子どもの成長にも、犬の成長にも歪みが起こっています。
現実を今一度しっかりと生きることを楽しむために苦楽の波を乗りこなせる力を育ててあげられる飼い主さんを育てるのが、家庭犬トレーナーの役割です。
犬を変えるのではなく、飼い主さんの考え方、意識を変えられるための知識提供するのがまずは第一ステップ。それができたらやっと方法に進んでもいいですが、意識や考え方が違う方向なのに、形だけの方法を提供しても意味がないのです。
人間には感性があること、犬にも感性があるのを忘れてはいけません。
機械ではないからこそ、ロボットのように理論で決めつけるのは彼らの生命尊重を忘れています。
その方法を実行するためにまずは考え方、意識、心を整えないといけません。
ハウツーという技法にこだわる前に、意識に目を向ける。
是非、楽して苦しむ、苦しんで楽するのではなく、苦楽を共にできる”生きる”ができる育みの普及と必要性を理解し、求めてもらえたら皆さんも私も犬たちも幸いです。
ネガティブもポジティブも合わせて、生きるポジティブとポジティブを得る力を育ててくれるネガティブを受け入れるを大切に、過去からあった本来の生きるための育みのトレーニングを広めたいです。
自分たちの関わり方の改善がまずやるべきステップです。
リハビリを実施するのを前提に薬物療法の併用が許されますが、日本はその辺りの倫理がまだあいまいです。
飼い主さんの指導なくしての薬物療法は、問題解決ではありえない!と返事が返ってくるので。
嫌かもしれませんが、これも飼い主さんがポジティブを得る為にトレーニングが必要ということです。
一緒にネガティブに負けず、ポジティブを得られる生き方のトレーニングとレジリンスという力を育んでいきましょう。
