岐阜は桜も散り、落ち着いた感じと春真っただ中を感じる日々です。
体調も崩しやすい季節ですので、皆様も愛犬も体調には気を付けてお過ごし下さい。
20年弱、家庭犬の共生をサポートする専門家として本当に多くの飼い主さんと犬と向き合い、一緒に悩み、汗をかき、喜び、時には辛い時に叱咤激励して乗り越えたすごい飼い主さんと時間を共にしてきて、その中で教えてもらった教訓が今の自分に至っています。
もちろん、すべてがハッピーエンドではありません。
それも完璧はないですから、あって当然ですしだからこそ、また学びや成長も得られます。
そうしながら今も私は四苦八苦しながら、飼い主さんと目指すべき意識を見失わないように、何よりもスタートの意識が間違っていたらどんどんと間違いが広がってしまい、相手との距離もどんどんと離れてしまいますから、私は離れを一度くい止め、逆にその離れた関係が「リセット」としてA型と呼びますが、スタート意識の改善をして、前に進むほど相手との距離が近くなるAのような道に案内するのが私の役割です。
人間と犬との問題は、その飼い主さんの意識次第で未来はどうにでも変わります。
私が専門で行う分野は、人間と犬の共生問題の犬の行動カウンセリングと、飼い主さんに改善ポイントを指導する双方の指導で、問題改善をサポートしていくのが主です。
そして、その問題が起こるべくして起こしている思春期時期(犬が生後6か月~1歳くらい)の予防教育サポートの2つになります。どちらも大切なのが「飼い主さんの意識と育むスキルと何よりも大切なのがコミュニケーションスキルの習得と、コミュニケーションを深める」です。
これは共に生きる上で、最低であり、最高の目標です。
しかし、今の日本の問題は、この「コミュニケーション」だと思います。
今まで、犬とコミュニケーションを深めないと暮らせない距離での生活でしたが、最近の関わりはかなり距離が近くなりすぎたあげく、犬の気持ちを読み取るスキルと安全安心を築くという考えも方法もない中で、ミスコミュニケーション(誤解)によって、ひどければ犬は心の傷を負うほどの恐怖を得てしまっている子も増えています。しかし、ここで言えることは飼い主さんも決して悪気があってやっていないし、いじめるつもりでやっていないくて、皆、愛情として行ったことばかり。
もしくは、ちょっと冗談でという気持ちが、犬には冗談が理解できずにショックを受けた犬も多くなっていています。
そこに拍車をかけるのが、犬が人間にとって都合悪い行動をとったものを「問題行動」とラベルを貼って、理由や意味の理解なく、人間のいう問題だから相手が悪い=なおすという概念で、しつけやトレーニング、行動治療に入ってしまうことが多くなり、どんどんと犬の意思表現を受容する必要意識が低くなってしまっていることに警鐘をならさないといけないと感じています。
犬は話しません。それは人間のようにという意味です。
しかし、意思表現として話していますし、人間の気持ちも受け入れています。
問題やもしくは成長期の時に、犬の習性、常識、思考などを理解してあげて、犬の発するサインや彼らとまず仲間になるためのステップが必要なことを忘れていないでしょうか?
思考や常識、習性に違いがあっても、感覚、心においては人間と変わりありません。
知らない人が突然触られた時の不快や恐怖、怒りは犬も感じます。
人間の子ども同様に、自律心を育むことや自制心、協調性を育むお手伝いを親がして育ててあげることで、理解ができ、特に異なる種との共生となればなおさら安全や安心は人間以上に気を使ってあげないといけません。
これが愛情であり、思いやりですが、彼らに何を育てないといけないのか?目的がないと要求に応えるがままに育てて、犬らしく正常に育てた子を都合が悪い子=問題犬として、それから犬を痛めつけて人間にとって都合の悪い意思表現はするな!と心悲しませる、抑圧をし表現できなくなった状態を「お利口になった」と言います。
これは飼い主さんが悪いと言っているのではなく、気づくことが大切なんです。
ここに気づかないと、犬だけを都合のいい形にしていき、意思も理解されずにただただ人間の一方的なアプトプットに潰されていくだけになってしまうのです。
私は「犬の問題行動はない」といつも伝えています。
「犬の意思表現」としてすべて必要で、意味と理由があるものばかりだからです。
それを理解し、その必要性をなくしていく、理由があればその原因となるきっかけを改善してあげることから初めていかないといけません。
コミュニケーションの基本は「聞く(理解する、受容する)」、「伝える(教える)」です。
犬との関わりで私が最初に行うのが、この部分です。
飼い主さんはとにかく自分の思いどおりにしたい要求にアウトプットばかりになり、受け入れるが弱くなっているので、コミュニケーションができる状態を整えます。
犬のいうことをいつも聞いてあげているから・・という方もいますが、聞くだけではコミュニケーションではなく、これもだんだんと自分の都合(いい人、嫌われたくない)というアウトプットになってしまいます。
もしくはどうしたらいいか犬がわからず不安にさせてしまって、怖がりじゃないのに怖がりとラベルを貼られてしまいますが、ただわからない不安なだけというケースもあるので、どうすると安心を得られるのか?を教えることのやさしさも必要です。
咬む、吠える・・基本的に自己防衛が必要な状況、身を護るための正常行動です。
それを誰に向けているか?によってまた対応も変わります。
咬む、唸るのはしつけができていないから、ただそれをしないようにするというステップだと彼らの唸るという表現を使えないようにしたら、人間にもリスクが高まるので私は唸る行動はありがたい行動としていつもそこから対話をしていきます。
唸る、咬む、吠える時は緊張、不安、恐怖、苦痛などの心理状態になっていますが、この行動を弱めてあげようと先に軽減する対処をしてしまうと、確実にその子のメッセージを読み取れなくなり、飼い主さんも改善意識が必要なのに、犬が少しでもよくなれば、原因となった行動や意識を変える必要性がなくなり、犬への脅威を与えている状態は改善せずに犬だけをもっと都合のいい犬にしようとなってしまったら、コミュニケーションができなくなってしまいます。
人間も危険という現実を認知して、その脅威から自分の身を護るという意識行動を持たないと、危険意識が薄いことで、セルフディフェンスができずに犬に咬まれ続けることになると、犬はそれで嫌悪や恐怖から逃れることを成功できることを教えてしまい、定着化させてしまうリスクがあるのです。
犬という動物の危険を知っていれば、その危険を出させないために努力や攻撃させない、しないという関係構築ができます。
犬がメッセージでやめてと伝えても受け入れてもらえない、止めてもらえないから最終手段で咬むのです。
可愛がりたいのに、それをさせない犬が問題で、飼い主に咬むとは!と相手の気持ちを理解しないことが問題の一番の核ではないでしょうか?
皆さんが同じことされたら、怒る、攻撃することはOKで、犬が同じことをするとNOとはフェアではないですし、それは家族でも仲間でもないと思います。
こうしたことに気づく、人間が本来持っている心を取り戻すきっかけを働き掛けするのが私のサポートです。
たとえ、悪気がなかったとしても犬が咬まないといけないくらい苦痛だったという事実を受け入れてあげるべきで、悪気がないから犬に何をしてもいいというわけではありません。
してしまったことは戻せないのですから、ここから理解と誤解を解くための対話(受容と伝える)を繰り返していきます。その中で改善がみられてきて、犬の負担が強すぎる場合に獣医師による薬物療法の補助療法としてのサポートが必要となれば、取り入れていきます。
これが私が教えて頂いた、問題解決のステップで、カウンセラーが主導しながら状況とタイミングをみて、行動診療医と相談するというシステムとそのステップの理由を学ばせて頂きました。
犬だけで問題は成立しませんから、私たち人間と関わったうえで起こる都合の悪い行動であって、犬が病気ではないからです。もちろん、病気のサインとしてのメッセージもあるので、まずは病気が関与していてないか?の獣医師の診察と病気でない診断のもとでのステップです。
ほとんどは「犬の意思表現」です。
嫌というのは、病気なのでしょうか?怖いものみてパニックするのは病気でしょうか?
生きていくために怖いものから逃げるという行動はないのが異常です。
10年間は私は犬の心の薬とは無縁でここまできました。
これが良いとはいいきれません。その分、犬の負荷は大きかったですが犬を薬で大人しくできるという概念がそもそも飼い主さんの意識になかったので、この誤解を解く努力に専念されて、安心を取り戻していくことが多かったのです。
理解しよう、自分ができることは何か?を知り、このこの為にできることをしたい!
これが愛情の基本だと思います。
困っているからこの犬を直し、自分は悪くないこの犬がおかしいから犬が都合のいい犬になれとなっていたら、私のような専門家はまさしく「問題人」です。
私と問題犬と呼ばれている存在は同じ存在になります。
嫌だということを私は発信する、犬も発信する。
今まで私は恐怖で脅され、自己抑圧しながら親にとっていい子を演じて、外からいたらカルガモ親子と呼ばれてきましたが、仮面です。
私はだからこそ、自分の人生を自分として生きるために、親に都合の悪い発言を繰り返して、勘当されて今に至っています。
だから、自己表現をすることも大切にしているし、犬にも同じく嫌と言える存在であり、その嫌がもし好きになってもらいたいことなら、対話を繰り返して不快でないように理解してもらう努力をします。
意思表現は問題行動じゃない!
なおすのではなく、相互理解しあって、異なる文化、常識を理解しあって共生を築くことが家庭犬のしつけトレーニングだと私は思います。
コミュニケーションと命や心を育てるためです。
共に生きる犬の育て方、コミュニケーションのスキルを養うために飼い主さんに学び、自分のスキルを養って頂きたいと思います。
ある人からしたら、この内容も問題人でしょう。
同じことを言っても、ありがとうございますと言われたり、同じことを言っても、嫌な人と言われます。
大切なのは、私の主体性と目的をしっかりと持っていることです。
ないとぶれて自分を見失ってしまったら、自分がなくなります。
自分の領域をしっかりと認識することで、他領域はその専門家にバトンタッチできるようにしないといけません。
犬の言い分を対話(行動)から確認しながら行い、状態やメッセージを慎重に慎重に解いていき、その上で飼い主さんに誤解を解いてもらうための仲直りアプローチやリハビリを始めますが、その中で負担が大きすぎてキャパオーバーが続くのなら、行動診療医にヘルプして薬物療法のサポートがないと犬の心が壊れてしまったら本末転倒ですから、意思表現を確認をしっかりと観察するためには、まず素の状態での反応を繰り返し、いろいろな角度から検証していかないと先に薬で反応を抑えてしまうとその状況の情報が得られずという問題も起こります。
補助療法として薬物療法があることは、行動診療科のHPなどにも書いてあるように、犬の意思表現を聞き取る行動カウンセラーのアプローチが主となって相互の改善アプローチの手助けをしていく必要性があります。
それを専門に実践スキルの習得の訓練と研修を受けているのですが、本読み、学問だけでの行動リハビリは誰でもできますがやはりメンターの指導のもとで研修課程と実践を積んでいないと領域じゃないのに行動教育の指導を入れると犬だけの一方的に改善させてよかったですね!という結果になる危険性があるのです。
トリマーはやはりトリミング技術がないとできませんし、医療も同じく専門技術がないとできないのでいいのですが、教育やカウンセリング、リハビリは見よう見真似で出来てしまうからこそ、危険な領域だし、だからこそトレーナーやカウンセラーも勉強し向上して、その領域の専門家
として任せてもらわないといけないと思います。教育はトリミングの時にはトリミングのためのトレーニングもありますし、メディカルトレーニングもありますが、共に暮らす、生きるためのしつけトレーニングは家庭犬トレーナーが、問題改善のカウンセリングやリハビリは行動カウンセラーにバトンタッチしてやらないと、獣医さんだから何でもできるとその領域まで専門訓練や実習を受けていない人が行うからまたいろいろとトラブルになるのです。
その分野にバトンタッチするのも、私はプロとしての責任だと思います。
カウンセラーは「犬の行動(しぐさ)という声を聴き、カウンセリングする」のです。
そして、飼い主さんも悪気がないのですが、これがこの行動(声)の伝えたいこととして伝えて、誤解を解くべく実践をしてもらいます。
悪気がないから、何をしてもいいというもそれも違います。
だから改善という実践で犬への愛情を示すこと、知らなかったからすまなかったという気持ちは行動で示していき過去を責めず、未来を築くことをしていくことが大切です。
私も後悔に苦しむ人も、罪なきものが理解されずに問題ラベルを貼られて意思を否定されて人間の都合だけのいい子にさせられてしまう犬も観てきました。私の発言も、きっと都合が悪い人にとっては「問題人」です。
私は問題人でいいのです。何も言わないことが一番の罪だと思うので。
問題人かただのメッセンジャーなのかは、相手次第で変わると思います。
犬も問題犬なのか?メッセンジャーなのかは飼い主さん次第で変わると思います。
偏らず、私は基礎という軸をまっすぐもって中立にこれからも励み、相互理解のお手伝いに励もうと思います。
