インフルエンザが猛威を振るう中、皆さんいかがおすごしでしょうか?
今年度のセミナーも岐阜、大阪になりましたが、今年度も各地でセミナー講師をさせていただきました。
毎年のツアーのようになってきてますが、私にとって学生たちやトレーナー、トリマー看護師さん、獣医師、飼い主さん、様々な形でお話しさせて頂く上で、私が伝えるべきことをできるだけ伝えたいと務めさせて頂けることに感謝しています。
私のような特別優秀でもないものが講師をさせて頂くことは本来なら適職ではないかもしれませんが、私はあえて専門家(玄人)になるために大切な心得と学ぶべきことを伝えるのが自分の務めだと感じています。
学生たちがいるから私は学ばせてもらえるし、彼らに伝えてあげることができている。
求めてくれる人がいなければ、提供できないので、提供できるって実は発信のようで待ちなのです。
プロになるうえで大切なことは何か?今年度はここを伝えてきました。
適正、最善の方法を学ぶ・・素晴らしい先生はたくさんいるし、良い情報は意外と探せばあるし、得ることができます。
何でもそうですが、最近は良いこと=良い学びとなっていると思いますが、私がこの道に入る時に教えてもらったことで大切にしているところは”失敗を知る”です。
失敗はダメという印象だと思いますが、失敗と気づくことは、私はミスするポイントを学べた成功だと思います。
良い状態の対応はそんなに難しいことではありませんが、私達が一番怖くて、気を付けないといけないのはやはりミスです。
リスクから安全に導くためには”リスク”を知らないことほど危ういことはありません。
失敗ばかりする人は失敗と気が付いていないから繰り返しますが、失敗した後が大切で、リスクな出来事からの立ち上がり方をどれだけ知っているか?これが指導者には必要です。
成功しか知らない人が、もし失敗と直面した時、そのリスク回避や改善法を経験してなければ知識で知っているだけでは適応ができません。
問題を扱う時は、まさしく失敗やミス、リスクも教科書のようなメカニズムや対応策ではどうにもならない、載っていないことを扱うことが多いですし、どこまでやるとどうなるか?を悪い状況を判断できるスキルはやはり経験者の先輩指導者の元で学ばないと本などの情報では体得ができません。
どれだけのリスク適応の経験を積んできたか?それと同時にそうしない適正で最善の方法も常に学び続けないとどちらかだけでは半人前です。陰陽1体がこの世の道理ですから、教えるも指導するのも陰陽を知ってはじめて指導者となれます。
私の仕事は他者の問題を築いた結果から、問題改善に導く仕事なので、問題を経験していないともちろん改善策の引き出しもなくなってしまいます。
実務経験が長ければすごいわけではないですが、やはり経験値の中に現実的な状況と回避策や改善策が考えられます。
デッドライン、デンジャーライン、ケーションライン、これは指導責任者の元で学ばないと学ぶことはできませんし、本当に事故を起こしてしまいます。
怖い経験、危うい経験を知るからこそ、そうした時の対応訓練を日々積んでいけるし、最善対応の腕を磨く事もできます。
私は今でも問題と向き合う時、必ず大先輩に相談します。正しいとか間違いとか新しいとか古いとかではなく、どれだけの修羅場を踏んできたか?が私には重要でその問題で起こりうる最悪のシュミレーションが必要なんです。
最善策は学べば上手くいきますが、最悪策は知識ではできないので。指導が必要なんです。
自分でやりながら、そこをどうするとどんな危険が待ち構えているか?やったことがあるからこそメンターは指導できますから、私にやらせながら導いてもらえます。そうして自分も”道”を歩む力をつけて成長していきます。
最善策を検討する時は、若き先生に助言を求めます。
自分が見落としている部分や気づいていない部分に気づかせてくれるからです。
自分という一人が指導するには、先を導く先輩と、後ろから指摘してもらう後輩の両方が必要です。
素人は真っ白で素の人だから、習うことができます。
玄人は黒い部分を耐え抜いた人だから、染まらないで白色をみせることができます。
白い紙に白色で描いてもわからないように、黒い紙に白色で描くからわかるのです。
それが玄人(プロ、専門家)です。
最近は白ばかりを求めて、白だけを身に付けてしまいがちですが、専門家になるにはやはり黒や苦労を知らないといけないと思います。
古い精神論だという人もいますが、古いはいつから悪くなったのでしょうか?新しいは正しいのでしょうか?
いつも私はどんなことでも光と影があると思いますし、双方はどちら平等なのです。
知識や技や術を教えること大切ですし、学ぶことも大切ですが、心得こそやはり私は基礎としてもっとも大切だと思います。
良いとか悪いとか、正しい、間違いという評価のゲージさえも勝手なゲージです。
そんな評価よりも、私は先輩には一生追い付けないからこそ、自分も自分の足で歩いて追いかけながら、先輩のサインを見逃さず、より良い道を指導してもらう心とやはりいつまでも自分より経験している先生だからこそ、敬う心を忘れずに習い黒に染めて白をわかりやすく伝えられる指導者になれたらと思います。
失敗をしらない、優秀は方法を知っている先生も素晴らしい。
私はそちらにはなれないけどしくじり先生にはなれる。
学生たちや後輩達がしくじらないための先生でありたいと思い、今もしくじりを繰り返し学び、歩んでいます。
しくじり先生は目立たないけど、一番支えてくれている厳しく、温かい先生。
私の尊敬するしくじり先生を見習い、私ももっと素敵なしくじり先生になりたいなぁとこれからも向き合っていこうと思います。
成功が成功とは限らない。
失敗することを成功したことが成功なのかもしれない。
だから人生無駄なし!
間違いも、出来ないも、悪も陰も。
ネガティブこそが真のポジティブだと思います。
これからも私はネガティブに生きる!そうしながら犬達や飼い主さんとネガティブにチャンネル合わせて、ポジティブにあがってもらえるように自分はこの位置にいたいと思います。
自分を育ててくださった師匠のように。
