寒いのか暑いのか?本当によくわからない日々が続いていますね。
今年は暖冬なのか?本当にわかりませんね。
社会化教育と社会性教育。
社会期と呼ばれる生後12週齢までが社会化教育の時期ですが、パピークラスと呼ばれるクラスが社会化教育にあたります。
実は日本ではまだ歴史が浅い、社会化教育ですが、社会化教育が必要、大切と言われるようになってから、それまで日本でも提供されていた生後6カ月~のしつけトレーニングの必要性が薄れていき、社会化、社会化となってきています。
一見、社会化教育普及は素晴らしいですが、社会化教育も良い事ばかりではありません。
社会化教育の後に社会性教育という家庭犬としての共生の為の教育の本番となるセットで提供、受講されて初めて社会化教育が活かされます。社会性教育を活かす為のサプリメントのような感じで社会化教育がありますが、主食は社会性教育で、前菜が社会化教育になります。
自我が出る生後6カ月~初めてしつけという社会適応と人との共生に必要なスキルの育みが必要ですが、社会でのマナーとなる行動と犬の保護を築いていく教育をしていきますが、パピークラスの社会化教育は人や犬との交流をしていきますが、6カ月以降は、他の犬、人を無視できて、脅威を感じずに飼い主さんの指示に集中していられるように教えて、犬は苦手な犬への脅威や、犬が苦手な人への脅威を与えずに飼い主さんの許可なく勝手に挨拶にいくことを止める、確認して大丈夫な人なら許可を出してからいくというルールなどを教えられるように飼い主さんに社会性教育の内容と実践を習得してもらいます。
社会化教育を受けていると、人や犬の脅威や警戒が少ないため、確認した後に、飼い主さんの許可で挨拶をさせることがご褒美に使えます。
自制心は忍耐力とは、違い、まずは欲求を抑止した後に、あるプロセスを踏んで得られる(解放)ことを教えて育むことです。
ダメと止めるだけでなく、どうしたら得られるか?のプロセスを学ぶことでフラストレーションを起こさずに適切な欲しいものを得る方法や、抑止後の報酬を得る方法を学ぶことをしています。
そして、相手と場を共有しあい、共に生活する協調性も社会性教育では行いますが、社会化教育してあると、協調性が高い状態で共に育つことができるので、”社会性教育をスムーズにするための社会化教育”なのです。
家でお利口さん、家ではできる、良い子、わるい子、出来た、出来ない、お利口さん・・これは社会性ではありません。
社会の一員としての安全スキルを身に付けることと、自分も保護されながら安全に生きられるための教育です。
パピーの頃は、まだ依存しているのでいいですが、生後6カ月から1歳で自立の為に依存が薄れていくのが正常発達。
しかし、社会性教育(ONELifeベーシッククラスでのグループレッスンが社会性教育になります)を受けないと、この依存で交流させることだけで終れば、社会性は育まれず、6カ月からの脱社会化期でせっかくの社会化を活かすことができなくなってしまいます。
パピークラスも自分のいう事をきく、きかない、従わない、従う、お利口さん、可愛いから・・と遊ばせることを楽しむままで終れば、社会性は欠如し、本来の社会共生をするために必要な教育をしないことは、正常な自立発達を妨げたり、飼い主さんの確認なく、勝手行動が強化されたら、どんどん飼い主も邪魔者でストレス源になり、家庭内暴力、飼い主さんが安全な存在として信頼できなくなり、自分の勝手が通らないとキレるという攻撃性や衝動性が高くなってしまい、周囲を苦しめるだけでなく、社会の方への迷惑や犬自身も苦しむことにさせてしまいます。
児童福祉や動物福祉の規定があれば、十分な”ネグレクト”に匹敵するのです。
反抗期と言いますが、自我を主張することは大切なことですし、自分を意思を表現しつつ、それに対してどうしていくべきかを従わせるのではなく”教える”をすることで、反抗ではなく、主張しあうことで伝えて教えていくことで、一つ一つ習得していくのです。
怒らせないように、反抗しないようにと犬の要求通りに育てたら、その時は大人しく過ごせるかもしれませんが、その後に主張できなかった苦痛から発達障害がおきたら、突然攻撃性が表れるのは当然であり、あえて自己主張ができる状態で飼い主さんとコミュニケーションを取りながら育んでいくことでコミュニケーションが取れるようになりますが、社会化教育のまま、社会性教育への成犬へのステップアップの切り替えができないと、社会適応力が育たずにストレスやプレッシャーに潰れて、反社会性行動や人が安全基地ではなく、家が安全基地となって飼い主さんと共に動く時も飼い主さんとリードで繋がっていることが苦痛になり、飼い主さんと一緒にいるのが苦痛で、散歩や社会で探索する行動がとれなくなってしまいます。
そして、いつもビクビクして社会適応できない精神状態にさせることは、精神的苦痛を与えている虐待にもなっていき、身体的虐待以上の苦痛を与え、生活は長期ストレスになるため、心身の不調を引き起こすことになってしまいます。
最近は脳科学も発展し、犬の心や愛着に関するサイエンスがわかってきたため、今までの形だけ(人間のとって都合のいい)の良いの為に愛着形成が築けずに、愛着障害による非行、攻撃性、衝動性が高まり、飼い主さんとの関係が築けなくなってしまうというリスクが起こってしまいます。分離不安や再会の喜びは大切な感情の動きであり、愛着形成が出来ているから分離に不安を感じたり、再会で喜ぶのです。
これが何かに熱中している間に気付いたら飼い主さんがいないとか、帰ってきても無視していると自分の保護と愛が与えられていない状態となり、不安の抜けた”分離”は、愛着障害であり、心の状態は問題なのです。分離不安症と分離不安は違います。
安全基地となるハウスで回復と人と関わる中で、緊張、警戒、気を使うというプレッシャーを受けていくことで、心の筋力がついて潰れない心になるように育てていきます。
そして、ハウスから出る時はリードをつけて、飼い主さんが持っている状態で一緒にいる安心を得られるようになると飼い主さんが安全基地となって、飼い主さんがいれば回復ができるため、外への探索と危険を感じたら飼い主さんのところに戻る安全基地があってこそ、適応できる心が育ちます。
本来は人が安全基地となるはずが、最近は家のテリトリーが安全基地となり、飼い主さんが安全基地でなくなることで、飼い主さんと繋がれていることが苦痛となり、飼い主さんと社会に出ることができなくなり、安全がないためにパニックや自己防衛で攻撃する行動に発展していきます。
ご飯が欲しいという楽しみの表現、散歩にいける喜びを表現することをダメだと叱られて、何も楽しいを表現できないことをお利口とさせるって怖いと思いませんか?
私はすごく気になります。お利口という人間の身勝手な願望のがんじがらめで犬の表現の何でも抑止するのは、これも精神的虐待ではないのでしょうか?
体罰などの身体的虐待には目を止めていますが、見た目の傷は残らなくて身体以上にダメージが大きい精神的虐待の予防にも関心を持って頂き、社会で自信もって健全な心の発育を提供するためにも、社会化という準備で終るのではなく、社会性教育をスムーズにするために社会化も活かして欲しいと思います。
提供する専門家もパピーの社会化だけに偏ることの弊害や飼い主さんの心の苦しみをうみだすリスクの把握をして、”社会性のための社会化”いう認識が広まり、飼い主さんにも社会共生の為の本来すべき教育情報が提供されていき、心が健康な発育や教育が提供される環境を取り戻さないといけないと思います。
外飼いをなくし、室内飼いを増やしたいと思って頑張りましたが、今、室内飼いが増えて苦しむ犬の姿、目の前に可愛い犬がいる中で、距離感が保てずに依存に苦しむ飼い主さんが増えている現状に本当に室内飼いは幸せか?と思ってしまうことがあります。
環境ストレスを考えると室内がもちろんいいですが、室内飼育は距離も近く、干渉も多くなる分だけ、人も犬と共に生きるための精神力や適応力のトレーニングが必要に感じます。
社会化教育と社会性教育は2つ揃って初めて、1つの教育になります。
20年前の犬の方が社会性や適応力や愛着形成が出来ていました。
最近は、逆に崩壊し、過去になかった精神的、適応性の弱化で苦しむ犬が急増しています。
ぜひ、一匹でも多く社会性教育を受けられ、飼い主さんも社会性教育の方法と目的を学び教え育てる実践がなされていき、共に安全安心な社会共生ができる社会つくりに社会性共育の普及の急務に励みたいと思います。
