医療モデルから学ぶこと、勘違い | 家庭犬共生共育トレーナー&共同生活問題カウンセラー田中利幸の気づきとぼやき

家庭犬共生共育トレーナー&共同生活問題カウンセラー田中利幸の気づきとぼやき

2021年11月でトレーナー&カウンセラー歴22年。
”イヌをなおさずして、問題を解決する”が私もモットーですが、そこに至るまでの様々なわんこ先生(犬達)と飼い主さんと歩んだ気づきのメッセージを楽しんで愛犬と共利共生を築いて頂けたら幸いです。

寒暖差が激しくなってきました。

体調を崩しやすい季節、気を付けてお過ごしください。

 

色んな場所で、医療モデルで統一性を説明する話を聞くが私はいつも??と思ってしまう。

この方は本当に医療知って話しているのかなぁ?って。

私は環境上、医師と関わることも多いし、患者としても医療と関わることが多いので、医療事情や話もよく聞かせてもらうし、自分も関わっている。

エビデンスで証明されてて、この病状にはこの薬というように統一性がある・・こんな話をよく聞きますが患者の立場からしても、そして関わらせて頂く中で、医療程統一性のない現状を痛感している。

 

同じ学会で専門医、指導医の資格を持っていても、診断、治療方針、薬、外科なら術式など本当に同じ病気でも医師によって異なる。

同じ病院で、同じ志を掲げてあっても、同じ科でも医師が変わると全然違う。

医師に言わせれば、一般企業の方が余程統一性に取り組んでいるから、よく医学モデルを組織作りで話している人達がいるが、ちゃんと知ってから話して欲しいとも言っていた。

私は頭と腰の手術、脊髄の硬膜外に血液を注入して脊髄液漏出を止める手術を受けている。

この頭の手術でも、何でこんな方法で?という脳外科医の先生もいれば、素晴らしい手術だという先生もいる。

腰に関しても2回手術をしたが、最初は腰椎椎間板ヘルニアの手術でしたが、それでは改善できずセカンドオピニオンで脊椎脊髄手術で有名な先生に診てもらったら、ヘルニアではなく椎間板周辺の骨が炎症し機能していないから椎間板を取り除き、人工ゲージを埋め込んで固定する手術が必要と言われて、その手術後、腰痛は改善した。

私は最初の先生は誤診だと思っていないし、それがあっての次のステップだったと思っている。

その固定術の後に縫わずに接着剤で傷口を閉じた方法にも、医師によっては良しという人もいればよくないという人もいた。

 

原因がわからずに体調悪化の原因がわからずに、1年半仕事を休職していたけど、今まで誰も取り合ってもらえなかったけどある神経内科医の先生が過去の症状から推測して検査をしてくださり、部分てんかんが見つかり、血流低下が起きている部分、血管を特定してくださり、その治療薬で、今は普通に指導できるようになった。

どれだけ症状を言っても、調べてももらえなかったのに、先生によってこうして特定してくださる医師もいる。

 

獣医療でも同じではないでしょうか?

同じ学会で、認定医でも獣医師によって見解や治療方針や概念は異なる。

難病経験者ならわかると思いますが、診断も治療法も検査も、薬も医師によって同じ科の医師でも異なるということ。

だからエビデンスで統一されている説は私はちょっといつも胸にひっかかる。

その人は患者の経験があるのかなぁ?医師との関わりがあるのかなぁ?って。

 

こうした勘違いが多い。

私は別の意味で、医学モデルを学ぶべきだと思っているのです。

それはここまで説明した部分。

異なるという点です。

医師は人間です。そして常に進化していますし、色んな治療法、診断法、手術法があり、手技も主義も様々。

そして相性もあるということ。

これだけ違う医療が提供されていれば、患者に合う医師、医療選択が与えられているということ。

同じばかりがいいとは限らない。

垣根を越えて、経験からの推測によって私の部分てんかんや脳の血流低下(手術した時の脳の病部位で圧迫を受けていた脳部位)した部位の特定とその影響が説明がつくということ。

 

これが同じだったら私は今だ苦しみ続けていたと思う。

うつ病、パニック発作と言われていて、先生の見立てで医師を紹介してくださり、甲状腺の病気だったこともある。

これは専門家(プロ)と呼ばれる世界だと私は思います。

 

家庭犬トレーニングに関しては、海外でも陰性強化から陽性強化まで様々なトレーナーがいて、哲学もそれぞれ。

どれもメリットがあればデメリットもある。

それを選択するのは飼い主さんだと思う。

皆がエビデンスでいいと言われている方法が良い成果を招くとは限らないし、科学では証明できない部分での良き成果に結びつくこともある。

人と犬の共生を豊かにし、共に生きていくために必要という目的は忘れてはいけないし、目的が異なっていては別だが、目的が同じなら色々側面からとらえると色々な見解ができるし、色々な手法がある。

紙切れのような平面ではなく、命を扱う、心を扱うことは立体であり、見る角度、見ている場所によって景色も異なる。

その飼い主さんと犬に合う、必要な側面を提供できる専門家に出会えれば、良きものを提供してもらえるし、指導者によって単面の専門家もいれば、多視点から見える専門家もいる。

 

それはやはり経験の数と様々なアプローチをしている人なら多視点を持っているし、知識だけ豊富な時はやはり見える側面も少ないは当然。

私は医療モデルから学ぶことは、何も一緒でなくていいということ。

それぞれがどの面の景色を見て、提供しているか?を知り合うこと、それを尊重しあって自分の見えない側面を相手の先生が見えるならその先生にバトンタッチして連携していけばいい。

皆同じがいいとなると見える世界も限られてしまう。

 

私は皆、大切な先生だと思っています。

得手不得手が必ずあるからです。

皆、同じことをいうのはいいみたいだけど、それに当てはまらない人や犬は除外されるとなったら、それでもいいのでしょうか?

この先生だからこそ、この説明とこの方法が伝えられる・・だから価値があります。

先生が変われば、同じことで説明も同じでも、方法は同じで表現が変わってきても当然。

ロボットではないからこそ、人間味あることなのです。

 

最近の日本は極端すぎるし、偏見しすぎだと思います。

必要なものを提供できるものをもっている先生を生かせばいいし、生かせる先生にバトンタッチすればいい。

正しいとか、間違いとか、そんなのは人間では測れないと思う。

プロは教祖じゃない。

だから絶対はありえないし、なくていい。

プロも常に途中。

成長は命尽きるまで続く。これでいいという時はないし、常に変化していくもの。

 

こだわり、そこで勉強を止めた時点で、私はプロは終わると思います。

大切なのは、多視点を持つ為に、色々な角度を学び合うことです。

私は飼い主さんもプロの一人と考えます。

飼い主さんの視点も必要だからです。

違うから批難ではなく、違いを見分ける知恵がないだけ。

違いはあえて、大切な学びになり違う視点を知ることが大切なのです。

専門分野が違えば、同じ現象でもアプローチや見解は異なるもの。

分析学視点、獣医学視点、生態学視点、訓練学視点、同じわけがありません。

 

正しい、良いばかりが、正しい良いとは限りません。

もちろん、暴力などの犯罪行為は別として。

統一感は目的で必要ですが、表現、手技は色々必要です。

 

医療モデルを統一性で説明する勘違いではなく、逆にこうした同じ学会で認定を受けている専門医、指導医でも違っていていいということを学ぶべきだと思います。

皆さんに色々な選択が提供されていことに恵まれていること、そしてそれを見極める知恵を磨くことを大切に素敵な先生たちから色々と学んでみてください。

ロボットやクローンの専門家は、私は求めなくていいと思う。

やはり人間である以上、人間味を大切にしていきたいです。

 

人間の移り変わりを見守っている親(木)はそれをよく知っていると思う。

木は根、幹、枝、葉とそれぞれがあってこそ生きられることを教えてくれる先生であり、親だと思います。