今年は大阪の地震や夏の豪雨、台風、北海道の大地震など天災が続いています。
地域の皆さんは本当に大変だと思います。
心苦しいですが、お見舞い申し上げます。
少しでも早く復旧と被害が少なく済みますように。
ここ5年間、私は家庭犬共生のジェネラルアプローチ(総合視点による改善アプローチ)のできる認定を受けるために勉強してきて、やっと今年認定を取得できました。
ジェネラル??って思う方もいるかもしれませんし、何故?と思う方もいるかと思います。
私は問題改善の指導をしながら、従来の刺激に対する恐怖や不安、行動的なトラブルなどの問題改善に違和感を感じて、こちらのアプローチの必要性を感じて5年間の時間勉強を続けていました。
犬が怖いから犬に馴らす、音が怖いから音に馴らす、これを専門用語では系統的脱感作と拮抗条件付けという方法を用いて改善するという理論的、教科書的な方法で今も当たり前で現場でも指導していると思います。
ここで私は何に疑問を感じたか?
威圧的な態度で犬と接して改善させようとする飼い主さんと、すごく心配して自信のない態度で犬と接して改善させようとする飼い主さんが同じ犬への改善アプローチをしていることに??を感じたのです。
飼い主さんの違いは、必ず犬への影響は異なるのに、”犬”だけに注目し、”犬”だけをよくしようという当たり前を当たり前にしてはいけないと感じたからなのです。
何故その刺激を怖がるのか?反応してしまうのか?もっと広く、飼い主さんのパーソナリティーや生活環境などからの影響を見て、警戒や緊張を招いている”生活環境”に着目をし、その刺激に対する改善ではなく、もっと根本の過敏に影響を与えている環境からアプローチして、自信を持たせてあげることで、その音の反応も緩やかになっていきます。
犬を改善するのではなく、その犬の状態を形成している”環境”や”影響する学習改善”をすることで、飼い主さんの改善=犬の改善に繋がることをしないと、もし犬が良くなったとしても、また飼い主さんはより横着になって益々わがままにふるまい、勝手なふるまいで益々犬に負荷をかけてしまうきっかけを作ってしまったら、それは本当に”改善指導”なのでしょうか?
咬む問題改善を担当することが多いですが、咬むから咬むということに対改善法を私は行いません。
咬まないといけない状況改善と、適応できるスキルを育むスキルを飼い主さんに習得してもらい、犬への対応の変化で総合的に犬の状態を向上させてあげることで、咬むという行動は徐々に減っていけば、犬への苦痛も軽減し、適応性があがれば生きやすくさせてあげられます。
色々な勉強をしましたが、多くは犬に問題のラベルを貼って、その問題には、この対処という犬ばかりへのアプローチばかりでは、これはフェアーな方法でないし、共生でもなくなるし、強制になってしまう。
そして福祉ではないと感じたからです。
飼い主さんにもその犬と共に生きるためのスキルを育成指導し、人と犬が共に育まれることこそ、本来のあるべき”共生”だと思うのです。
犬を直す・・咬みつきを直す、吠えを直す・・人間は犬を問題としてアプローチすれば楽です。
でも、無意味に行わず、そうした行動を起こさないといけない環境や状況を無視して、犬を直すという意識をつけさせてしまったら、それはもう強制的、一方通行な勝手を強化しています。
私が改善する時は、飼い主さんの意識改善、環境改善をしながら、関係の改善に努めます。
マテができるから、じっと生活でしていられるのではなく、リラックスしていられる関係になれば、犬はマテというトレーニングがあまりできなくても落ち着いて生活できます。
横につけと教えなくても、飼い主さんに協調することは苦痛である事実を受け入れ、協調することで楽しさが得られることを教えてあげることで、ポジティブな協調性が育まれれば、自然と自らの意思で飼い主さんについていきます。
嫌だったら、ついていかなくていい環境でそれをチェックしていきます。
人間社会で共に生きる上で、やはり思い通りにならない苦痛は避けられないので、そうした苦痛軽減と適応性を育むことを提供してあげれば、犬は平常心と我慢ではなく、当たり前にただ座っているだけになればストレスでなくなるのです。
そうなれば、別に過敏に音に反応することも減ってきて、自信もって良いを得られる対応を教えてあげれば警戒も減るので、音の反応も軽減ていきます。
私の練習は基本アイコンタクトという練習はやりませんが、犬がよく飼い主さんの顔を見上げて動く行動をしています。
どうしたらいい?って確認する関係になれば自然と意識を飼い主さんに向けるからです。
アイコンタクトで教えても、それは形だけ見ているだけでそこに”意味”や”理由”が存在してなければただの飾りです。
いう事をきかせる、従わせる、トレーニングで行動を増やしてもその形は化け物かもしれません。
犬だけの形の結果に着目しているからです。
トレーニングが不要ということではありません。家庭犬においてのトレーニングは飼い主さんと共に取り組み、共に楽しむための趣味になるアクティビティーとして活かして頂きたいと私は考えています。
人と共に人間社会で生きるための適応力を”育む”というポイントから親と子が共に育てば、それが共育と共生であり、共生はジェネラル(総合的相互視点)で行うのが家庭犬の育みだと言えます。
今、見失っていて、今一度振り返らないといけないのは、犬にだけ注目して、犬にだけアプロ―チするのではなく、飼い主さんと犬の相互に働きかけるジェネラルアプローチが大切です。
犬達が人と共に楽しく生きられるための基礎適応力の育み方を飼い主さんに提供し、ラベルではなく総合的な育みで根本改善していくことが飼い主さんにも犬にも結果良き未来を提供し、利益を提供できるからです。
日本では、偏った科学が進み、犬の行動結果ばかりに着目しているようで、人間の自己満足のみになってしまっています。
環境という相互視点による科学が本来の科学の在り方で、犬側からの視点を飼い主さんも受け止めることが必要でそのお手伝いをするのが家庭犬共生の専門家である家庭犬トレーナーが目指すところだと思います。
犬を”直す”ではなく、相互を”見直す”総合相互視点による共にを広めるためにジェネラリストトレーナーの認定の勉強を続けてきましたし、これからが本当にそれを活かして勉強を深めていく一歩だと思います。
一人でも多くの共感しあえる専門家同士で意見交換などをしていきながら、総合的なアプローチができる環境を整えたいと思います。
私は犬の状態で、犬のその状態を改善するアドバイスはしません。
犬の状態は、飼い主さんの改善ポイントを知る”大切な情報”として捉えます。
飼い主さんが変わらなければ、犬は変わりません。
トレーナーがどれだけ頑張っても、飼い主さんの協力なくして、成果は得られません。
当たり前のジェネラルアプロ―チが、当たり前でなくなっている日本。
今一度、ジェネラルアプローチを見直してみませんか?
私はそのことを発信するために、これからもセミナーで一人でも多くの方に届くように努めていきます。
そしてこれからも家庭犬ジェネラルトレーナーとして、飼い主さんと犬の仲介役となって、結びの手伝いをしていきたいと思います。
