月日が流れるのが早いですね。
各地で、地震、災害が続いております。
どうかお気をつけてお過ごしください。
7月に入り、夏ですね。
この夏も色々な意味で大切な季節を有意義に過ごせたら幸いです。
今日のテーマは私は久しぶりに書く内容です。
土岐で指導した頃は飼い主さんに幾度と話をしてきたことですが、久しぶりにこのテーマで書こうと思います。
犬が言うことを聞かないし、大人しくしてほしいし、お利口になってほしい、色々と犬に対して〇〇になってほしい、それが満たされないと「この犬は本当に・・」「前の子は・・」という気持ちが起きてきます。
これは相手に対する”期待”であり”要望”であり、これを起こしている状態は”依存”です。
相手に依存していて、自分を見失う状態になり、相手によって自分の心を満たそうとどんどんと相手への期待や要望が高まっていくのです。
それに気づきを促し、自分と向き合い、自分を知るお手伝いをしながら、犬と共に互いが良き暮らしを確立するための中立にたつのが家庭犬のプロだと思います。
何故依存が起こるのでしょうか?その根底には”甘え”があると言われています。
人間は誰もが弱い心を持っていますから、誰でも日々揺らいでいます。
その時、バランスが自意識よりも相手に向かう気持ちのウェイトが重くなると甘えがおきてしまいます。
犬を自分の希望通りにしたい、苦痛を取り除くために相手の自分が問題と感じている行動を変えたいというのもそのままだと、すごく身勝手で一方通行な”自己愛”を強めてしまい、犬が飼い主さんにとって問題と感じている行動が改善できたことに嬉しさ、快適を与えるだけを経験させてしまえば、益々それは相手のその時の気持ちを分からなくさせてしまうことを私たちプロと呼ばれる専門家がそれを強化してしまったことになるのです。だからこうした双方の暮らしを扱うということの責任の重さと怖さを常に自覚しながら自身もしっかりとした軸となる倫理や福祉(メンタルヘルスや相手への思いやり)を持っていないと優しくしたから、優しい方法だったら相手を好きなように変えても良いなんていうことも出来てしまうのも、家庭犬のプロの怖い事であり、それを自覚して鑑となるメンターが必要になります。
うるさいからそれを解決する為に犬に苦痛を与える道具で止めようとする・・引っ張るから相手が苦痛に感じる道具で相手の行動を直そうとする行為は冷静に考えたら”拷問”です。
相手の犬の行動自体はその犬の行動特性として発現しやすい行動であったり、皆さんと一緒にいること、側にいることで苦痛を感じるからこそ、犬は離れたくて、逃げたくて苦痛から逃げるために行動を取っているのに、益々それに不快を与えたら心が壊れてしまいます。
予防や管理(マネージメント)がかわいそうと犬を好き勝手に放っておいて、こうした行動が発現をしたら困ると、その行動を消そうとしますが一度発現した行動を消すということは犬にとってすごいフラストレーション(苦痛)が生じていることにかわいそうと感じないのはやはり”依存心”がそうした感覚を生み出してしまいます。心の中の魔物が悪さをしているからこそ、その方が持っている神性、仏性の理性的な愛情を取り戻すお手伝いをすれば、飼い主さんが悪いわけでもありません。
だから、良い悪いの評価よりも”どうすべきか?”を大切にし、飼い主さんも何故そうしているのか?を考え、理解して手助けしてあげることが私たちのできる指導です。
犬が起こしている行動のほとんどは実は私たちと暮らして、犬の行動後の私たちの反応によって増減されています。
犬がではなく、私たち人間がその行動を(行動は環境によって起こるもの)作り出しているからこそ、私たちが反応を変えて、犬にとっても飼い主さんにとっても暮らしの質、生き苦しくないように改善していくのが、トレーニングではなく問題解決のカウンセリングでもあります。
犬の行動を変える(結果)だけに執着して、結果だけ出すだけでは危険で、何故その犬がそうした行動を発現した理由、何故?を飼い主さんに考えてもらい理解してもらって実践しないと苦痛をすでに抱えている犬の場合、その苦痛を扱い、苦痛を苦痛でなくなるようにアプローチしてあげないといけませんし、嫌なことを扱わないといけないのも現実ですが、必ずその前に快適になる行動を増やしてから私もその部分に切り込みますが、最初から苦痛に触れることは危険であり、相手への心を無視したことになるので、いつも素地作りと言っているのも、すぐにそれを扱わずに褒めたり、犬に選択を提供しているのはそうした理由です。
一番はそうならない、困る行動を先に予測して、事前に予防するマネージメントや工夫、自分達という環境による影響を理解して予防してお互いが心地よく暮らすための行動を強化(メリットを与える)ことのウェイトを強めていくのが本当の優しさであり、飼い主さんも依存ではなく、自立した健康な犬との暮らしが実現できます。
トレーニング指導も犬の動きだけの行動を課題が出来た、出来ない、良い悪し評価をする意識は依存を高めたり、飼い主さんの依存心を高めたら、思い通りにならない苦痛を逆に背負わせてしまう教育者になれば、それはプロとしての自分を見直さないといけません。
プロも神様、仏様じゃないので、飼い主さんと共に自分も自分と向き合う姿勢や自己改善力をトレーニング(育成)していき、また育成してもらわないといけません。こうして誰が良いとか悪いのはなく、私たちに取り巻く環境がそうした自分と向き合うこと、意識する大切さを教える、習うということの大切さを教えられる環境でなくなっていることが一番の問題だと思います。
犬も飼い主さんも皆さんはお利口ではないでしょうか?
それを妨げるのは、”甘え”や”依存心”だけで気づけば、それを自分で自分の心の中のそうしたものを改善していけばいいだけ。
皆さんの反応が変われば、犬の行動にも必ず変化が現れます。
依存や甘えは、必ず双方に苦痛が生れ、その連鎖から離れられなくなると共依存が起きると中々連鎖を断ち切るのは難しくなります。
互いの暮らしの健康、心の健康のためにも、甘えと依存に意識を向けながら、犬たちをマネージメントして人間と暮らす中で生きやすくできるためのトレーニングが提供されて、人も犬も生きやすい社会、共生が実現できるように努めたいと思います。
