冬から一気に初夏って感じの季節の急激な変化。
体もそれに適応できずに体調を崩されている方も多いのではないでしょうか?
人も犬もこうした気温差の激しい毎日は、体の不調に繋がりやすいので気を付けてお過ごしください。
愚者の私は、罰を使わない方法を求めて師の指導を離れて浮遊していました。
しかし、その遠回りで自分の自己満足に過ぎなかったこの道外れもまた本来の大切なことを気づくきっかけになったので無意味ではなく、ぶれない軸を持つためには大切な時間となりました。
やっと20年前に教えてもらったことを理解し、飼い主さんにも求めてたのはそこだと言われました。
これからこの国に適した犬との共生教育の普及と養育、教育文化を広めてけたらと思っています。
褒めるしつけ・・欧米スタイルの生活が取り入れられ、しつけ方も褒めることを重要視した内容に大きく変わってきました。しかし、私はニセ欧米式の生活や教育、様々な施設など形ばかりが取り入れられてしまい、実際の意味や中身を理解していないことが多いことに危惧を感じます。年々増え続ける犬の咬む問題の相談。
基本的に、犬のしつけ法を考える上で、その国の文化、思想、常識によって内容を変えないと欧米式をそのまま日本に取り入れて良しとするのは、犬を形だけ教育にさせてしまい、犬の生きるための力を奪う、化け物教育になりかねないのです。
問題行動で相談にくる犬の状態は様々。犬を見ると吠えまくる子、人に吠えかかる子、散歩に怯える子、体に触れられると咬みつく子、人や犬に咬み襲い掛かる子など様々な子がいる。学問上ではこうした行動は防衛的や恐怖性が常識的判断になる。
しかし、これは犬の状態のみの話で、ここに飼い主さんと犬という相互の関係性を考慮した状況判断はなされていない。家の中で管理されて、クレート生活、善し悪しを徹底してしつけされている飼い主さんと犬との間に起こる問題であれば、防衛的、恐怖性は適正で、それに応じた方法と褒めるしつけでいいと思う。しかしこれが家の中は好き放題、善し悪しは教育せず、犬にストレスがかからないようにと事前にストレス刺激を排除したり、不快、嫌悪な出来事、思い通りにならないストレスを排除するようなカーリングペアレントに育てられた犬であれば、これを同じ防衛的、恐怖性と判断し、それに応じた方法を提供して結果はどうなるのでしょうか?あきらかに犬が抱えている状態、養育状態が異なる為、行動を起こす犬の心理状態は大きく変わる。後者の方は、飼い主が気に入らないことをした時にキレること(咬む、吠え襲い掛かる、唸る)などをすると成功するのです。
それでほめるしつけを提供して、恐怖や防衛の脱感作を行えば、より攻撃行動はひどくなっていく。そして薬物療法も前者の場合の恐怖、不安軽減には繋がるが、残念ながらわがままに効く薬はない。ここで日本での適した人と犬とが共生できるための教育を見直して、犬たちが人間と生きられるスキルを提供していかないと、多くの問題犬は負の刺激や出来事に潰されてしまう、生きることの適応力不足で怯えている犬がほとんどなのです。
欧米の犬の育て方と日本の犬の育て方の飼い主の意識は正反対に等しい。
どちらが良いか悪いかではなく、国の文化や思想や子育てに対する考え方が違うからなのです。最近はこうした事を考慮できない専門家が多く、何でも欧米の方法が良い、優しい方法がいいと取り入れてしまうが、その辺りが日本は教育の専門家も核を見失ってしまっている現状がみられる。欧米の子育ての特徴として幼い頃から親と部屋を別にして寝かせる。
これを父性の切り離し育児ともいうが、その為に犬も自立をさせるためにクレートなどで育ててプライバシーやプライベート空間や時間を尊重する。その反面日本の育児の母性の一体育児というが、幼い子どもと添い寝をして親子が一体となってする子育て方が特徴です。日本人はそのため「甘え」という特性があると言われていますが、犬も一緒にいたいとかいさせたいという気持ちが強く、甘やかしが強く自立を拒み、いつまでも親子仲良く一緒に生活することが望ましい文化のため、犬も同じように育てることで甘えが強くなり依存的になりやすく、甘えというわがままからの問題行動の心理傾向が強い。
欧米の自立型は親にも従う、No excuse!が基本の為、お互いの別離感を少しでも中和するためにもほめてしつけ方法で自発性も人間と暮らす上での適応性も育つ。
しかし、日本はお願いしてダメなら親が要求をのむために、そこに犬が不快や嫌悪、フラストレーションやストレスがかかった時にそれに耐える心の筋力を育むことを忘れてしまい、おやつをもらうためだけに行動するようになってしまうと都合の良い状況だとやれるが、都合が悪くなるとキレる状況になってしまう。結局犬にもダメを教えて褒めるというしつけをしていかないと、負荷や自分にとって不利な状況になった時、快を求めて自発的な行動がとれなくなるため、それは自発的な行動やストレス回避をして、快を求めて行動する思考スキルが育たなくなるとストレスにも弱くなってしまう。
何度も言っているが、生きるとは不都合や自分にとって不愉快、不快な出来事と向き合いながら生きていかないといけないのが現実で、ストレスのない社会は存在しません。
ストレスを心配して過保護にするのではなく、ストレスをストレスと感じない心の筋力をつけて耐性を付けてあげることこそが、本当の優しさでありいつまでも指示されないとできないような自律性のない状態を抜け出すためには大切なのです。
最近は、トレーニングを習ったが問題が解決しないという事で依頼を受けることが多くなっているが、トレーナーが良いとするトレーニングメソッドと、実際に飼い主さんが求めているダメと良いを教えるしつけ(欧米だとレジリエンス教育という)のニーズがずれてしまっていることが多く、しつけ方を知らないトレーナーや罰はよくないと何でも欧米式そのままで無視と褒めだけでやっても、日本の育児環境では成果に結びつかないだけでなく結局犬も訳がわからないストレスから問題に発展してしまう。
人と犬が共生していく上もっとも大切なのは、しつけ(レジリエンス教育や選択学習と呼ぶ)であり、これが出来ていれば普通にお互いに暮らしていける。そこにより一層関係性を高めたい時に良いのがトレーニング(行動教育)なのです。今一度、共生の基礎となるしつけ方をしっかりとその国民性に適した方法で提供されていき、生きることに怯え、溺れてしまって適応できずにパニックや攻撃、怯えるなどにならないようにしていかないといけない。我慢力、耐性を育てて、人と犬も共に快適に暮らせるための心のスキルを養育していき、日本にも人と犬が共に暮らせる文化を専門家から変わっていき、飼い主さんに広まっていくことを望んでいます。是非皆さんも愛犬に必要なしつけを学んで育ててあげてください。
