家庭犬トレーナーを支える影の立役者 | 家庭犬共生共育トレーナー&共同生活問題カウンセラー田中利幸の気づきとぼやき

家庭犬共生共育トレーナー&共同生活問題カウンセラー田中利幸の気づきとぼやき

2021年11月でトレーナー&カウンセラー歴22年。
”イヌをなおさずして、問題を解決する”が私もモットーですが、そこに至るまでの様々なわんこ先生(犬達)と飼い主さんと歩んだ気づきのメッセージを楽しんで愛犬と共利共生を築いて頂けたら幸いです。

3月なのに、初夏を感じる日々を感じる今日この頃。

しかしながら寒暖の差が激しい日々が続いています。

人間の自律神経も気温差10℃もあると適応できず、色々な不調が起こりやすくなります。

犬などですと、やはり胃腸系に出る事が多いので、この季節はこうした原因のわからない嘔吐、下痢が起きやすいので、あまり続くようであれば動物病院で診察を受けてください。

 

褒めるトレーニング(正の強化)を主体とした犬の教育法が主流になりつつある今。

罰を使わないということも最近は言われており、科学的トレーニング(教育)はかなり発展してきているのは素晴らしいことだと思います。

しかしながら、最近気になるのは私たちの大切な影の立役者の存在を忘れ、その立役者に自分たち専門家の価値観ばかりを押し付けて、現状を知る事を忘れてしまっているように感じます。

 

これまで家庭犬トレーナー、人と犬の共生問題解決カウンセラーの仕事を20年弱の間に、日本人の飼い主さんのみならず、アメリカ人の方、イギリス人の方、ブラジル人の方、フィリピン人の方、スリランカ人の方、韓国人の方、ロシア人の方など、様々な国の飼い主さんの指導をさせて頂きましたが、国の違いや文化の違いから私たちが学ぶこと、気づかせてもらうことしか多かったです。

私もスタートは英国式のトレーニング法を提供していましたが、何も苦労なく最初はスムーズに褒めて育てる方法はできました。

しかし、年々それが難しくなりおやつや飼い主さんにも興味を示さない犬たちが増えていきました。

トレーニングはできるが、日常生活では咬む、吠えるなどの問題を抱えて悩んでいる飼い主さんが多くなっています。

 

どうして褒めるだけであったり成果があがったか?

問題解決の現場で向き合っている現実として、襲い掛かる犬、攻撃性のある犬と褒めるだけではできない。

犬に対して不快を与えないでやる方法というか対処は、緊急時は自分の身を守るためにも不快を提示しないといけないこともあります。

大きく変化してきている結果として、基礎となっていた生活が崩れてきている今、支えるポイントを変えてあげないといけません。

飼い主がしつけ学習(選択学習)をしてくれていることが出来ていて、正の強化が成り立ってきました。

しかし、今はしつけもしないで犬を飼って、犬の要求通りや家の中を好き放題にしてあり、可愛がり甘やかしまくっている。

そして飼い主さんの存在さえも不快になっていることもある。

 

飼い主さんの指示やサインさえにも不快を示し、褒めようとすると咬む、気に入らないと咬むなどの子が増えてきている。

おやつもいらない、玩具もいらない。自分の要求通りになっていれば犬はご機嫌になる。

こうした中で、褒めるだけの選択しかなければ何もできなくなる。

 

海外の方と日本人の飼い主さんの大きな違いを感じたのが、家での生活方法のしつけをしっかりされていて、行動マナーや社会化を身に付けさせたくてスクールに来る方が多かった。この子が人間社会で生きていくための基礎スキル(個のしつけ)は自宅で飼い主さんが行い、社会化や社会対応力、適応力など行動マナーの習得(公のしつけ)は教室で教えたい方が多かった。

犬は人間社会の生活ルールや常識は知りません。

今までは家と外で生活が別でしたが、最近は生活エリアの共有をするようになり、家での生活ルールを教える必要になってきた。

何がダメ(不快)で何が良いのか?(快)を学び、不快を回避し、褒められる快の刺激を選択し、褒められる快の選択ができるようになってくるともう強化(褒める)しか必要なくなる。これこそが褒めてしつける基本になります。

それで自己判断して生きられるようになってこそ、自由な暮らしが得られるようになる。

 

しかし、何も教えずに生活エリアの共有を好き勝手にさせているのは自由ではなく、好き勝手なのです。

 

こうした選択学習で褒めて育てるしつけ方が出来てこそ、私たちの陽性強化法で無視と褒めで教育ができるようになっていきます。

私たちがそうした良き教育法を提供できるのも飼い主さんのしつけ(選択学習、生活学習)があってこそなのです。

 

犬にいい方法ばかりをついつい発信し、求めてしまいがちですが忘れてはいけないのは、飼い主さんという立役者あっての犬もトレーナーもそして飼い主さんも幸せな共生が確立できます。

 

私たちを支える飼い主さんを支えるサポートがこれからは必要になっているというのが現場の声で感じることです。

トレーナーがすごいのではなく、飼い主さんがすごいのです。