家庭犬トレーナーという仕事の二面性 | 家庭犬共生共育トレーナー&共同生活問題カウンセラー田中利幸の気づきとぼやき

家庭犬共生共育トレーナー&共同生活問題カウンセラー田中利幸の気づきとぼやき

2021年11月でトレーナー&カウンセラー歴22年。
”イヌをなおさずして、問題を解決する”が私もモットーですが、そこに至るまでの様々なわんこ先生(犬達)と飼い主さんと歩んだ気づきのメッセージを楽しんで愛犬と共利共生を築いて頂けたら幸いです。

相思相愛

私の様々な目標の一つの中に、家庭犬トレーナーのプロを養成し普及させていくこと。

日本では、まだドッグトレーナーと家庭犬トレーナーとの違い、区別がしっかりと出来ていない状況で飼い主さんにもたらされる知識もプロドッグトレーニングと一般の方のトレーニングの適正な知識が提供出来ていない。

ここから変わっていかなければ、私は一般の方に適正飼養なんて難しいと思います。


人間社会にあてはめて良く考えてみると、病院の医師が教育情報を発信し、プロレーシングドライバーが一般の公道の運転に必要のない高度な運転テクニックを初心者マークの方にさせようとする。

家庭犬トレーナーは、教育のプロであり、人間でいえば学校の教師と同じだと思うのです。

獣医師は、医師であり、病気の専門家であり、家庭犬トレーナーは一般飼養者への教職、訓練士さんはプロレーシングドライバーでありとそれぞれの専門性にもっと認知しあって協力しあうことが必要だと思うのです。


家庭犬トレーナーという職を選んだこと、そして訓練士ではなく私があえて家庭犬トレーナーとして、一般家庭の飼養に目を向けて人とイヌとの関係、共育を専門に私も研究や勉強を続けてきたのも、この日本にも一般飼養者とイヌとのフェアな関係と共生社会を築くための専門教育を受けた人材の普及が必要だと感じたからです。


家庭犬トレーナは二面性を必要としています。


1.科学

やはり公平性のある、確実な理由を”説明”できること、科学的理論に基づいて、経験論ではなく確実なデーターに基づいた内容を分析、説明、そして指導を行えないといけない。

プロではない一般の方が納得するには、やはり公平性と方程式にそった”理由”を説明できないといけない。教育業である、家庭犬トレーナーはやはり行動科学(エソロジー)に基づいた教育者でなければいけません。イヌだけを扱うのではなく、家庭犬トレーナーは一般の飼い主さんが愛犬を教育できるスキル、行動をコントロールできるスキルを育てていくことが必要であり、イヌだけでなく飼い主さんのケアや行動教育のスキル教育を受けてこその家庭犬トレーナーだと思います。

技術職であるようですが、あくまで教育業

結果、飼い主さんが愛犬を上手くトレーニング(共育)することができ、コントロールできるように指導できれば、家庭犬トレーナーにもし技術が低くても良い訳です。

指導力こそが必要な職種でもあります。


2.芸術性

トレーニング方法、教育方法は色々な形の作り方があります。

人とイヌの暮らし、生活を創造する、心を創造するクリエイティブな仕事でもあります。

いくら科学的に説明が出来ても、それを形にするスキルがなければこれもまた家庭犬トレーナーとしてのスキルに欠けてしまいます。

創造力は私は芸術性であると思います。

その楽器、素材、それらを活かすというのはアートであり、家庭犬トレーナーはアーティスト的な要素を含んだクリエイターでもあると思うのです。

指導という言葉を使いながら今度はそれを形として創造する力も必要とする職種でもあります。


この芸術と科学をバランスよく持ち合わせた専門家が今後必要とされています。

イヌが好きだから・・イヌだけをよく知るオタクになるな!と言われたことがあります。

イヌだけなら自分でイヌを飼って、自分で訓練する技術を磨けばいい・・しかしそれを人に教えるというのであれば、もっと広くイヌを飼わない人たちのことまで視野を広めてどうすべきか?を考えて提供できるようにならなければならない。


家庭犬トレーナーは、訓練業ではなく人とイヌの共生を築くためのスキルを指導する飼い主への教育の専門家であり、飼い主さんがイヌを教育できる人に育てる仕事であることを忘れないこと!


私が常に家庭犬トレーナーとして、自身もそして養成するトレーナーにも伝えていくことです。

まだまだ家庭犬トレーナーという名目だけで、家庭犬トレーナーとしての必要な専門教育を受けている家庭犬トレーナーのタマゴの少なさを感じます。

これを確立し、家庭犬トレーナーとしての必要な専門教育を受けた家庭犬トレーナーを世で活躍してもらう。


飼い主変わればイヌ変わる。

親が変われば子が変わる。

専門家が変われば、飼い主さんが変わる。


まだまだ私達専門家が変わらなければ、飼い主さん、そしてそこから連なるイヌたちは救われないと思います。


私は一つ一つ、そんな目標に向かって歩んで行きたいと思います。


それが実現できた時、私は自然と飼い主さんがイヌを飼ったら家庭犬トレーナーの指導のもとで、愛犬トレーナーになるために、愛犬と共に通学するのが当たり前になる時が来ると思います。


私は第二ステップに向けて、取り組んでいきたいと思います。


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