私の目指したいこと、そして家庭犬トレーナーとして活動している理由をいくつかあげてみようと思います。
日本には、今まで特殊なイヌ、お金持ちだけの特別なイヌだけが「訓練」を受けるというイメージであり、今もそうした敷居の高さは残っていると思います。
何事も新しい習慣を始める時は、中々思うように広まらないものです。
遊びと違って、学びはやはり面倒でもあるからです。
私の率直な目標は「愛犬を迎えたら、愛犬と一緒に学校に行こう!」です。
特にイヌを迎えてから本当に多くの経験や触れ合いをさせないといけない一生で一回しかない、イヌの一生の気質を決める最大の教育期でもある社会期(生後3週~12週)を迎えています。
家庭犬として暮らすイヌにとっては、ここが一番大切な教育期。
その後、継続社会化をパピークラス(イヌの幼稚園クラス)、や成犬までの生後6カ月から継続して行う若年期の教育へと進み、飼い主さんの親業の責任を3歳までに終えるというのが、一つのライフステージでもあります。
しかし、こうした大切でもありながら、こうした大切さを最初の時に説明を受けて知っている人はどれだけいるのでしょうか?
また、皆さんは何の目的でイヌを迎えた?かによって学校も選ばないといけません。
特殊なスキルの必要な犬(警察犬、訓練競技会、ドッグショー)などの場合は、それを専門とする訓練士さんの元に一定期間預けて訓練をしてもらいます。
家庭犬として迎える場合は、訓練士さんではなく皆さんが安全にイヌを育てコントロールできるようにしておかないといけないので、愛犬と一緒に飼い主さんが通って、飼い主さんが学ぶという家庭犬専門の飼い主さんの学校に一定期間通学して、飼い主さんが愛犬を通じて訓練指導を受けます。
ここが、、家庭犬と訓練犬の教育の方法の違いです。
本来は、家庭犬として迎えたら、自分たちが安全に犬を管理、教育できるように飼い主さんのスキルを身につけないといけません。
様々な犬らしい行動を教育できるだけのスキルがないことで起こっていることが「問題行動」であり、この問題行動は飼い主さんのみならず、周囲の人たちを危険に巻き込むことを放置していると同じなのです。
犬を直すために、イヌを預けても訓練士さんの手元にいればスキルと知識、理解できる犬の専門家の元では安心しているのは当然です。
しかし、皆さんがスキルを養わなければ、それがそもそもの「問題」であり、それを習うという行動をとらないことが「問題行動」だと思うのです。
そうして、毎日のようにフェイスブックに載っている、里親を求める犬の情報。
放棄するのも、必ず私達にとって都合の悪い状況があるからこそ起こるものであり、防ぐことはできることなのです。
でも、それを防ぐことを強化せずに、ただ保護、保護だけでは、結局は油に水になってしまいます。
私はイヌが怖いし、元々は好きではありません。
しかし、だからと言って犬を飼うな、散歩するなともいいません。
逆に犬の苦手な方、怖い方も安心して暮らせるような行動を犬に指示できる飼い主さんなら、我々のような犬が怖いものも責めずに共生できます。
それが共生なのです。
そして、それが出来れば、イヌも飼い主さんも共に心地よく暮らせます。
今までの日本には番犬という感覚でしかなかったのが、今では大きく変化して家族の一員と言っているのです。
なら、子ども同様に犬達も人間社会で暮らすための行動や心の教養を受けられる親の元にいくことが必要でしょう。
変わっているのだから、学校で学ぶということの必要性に変わっても当然です。
そうして、原点からイヌを飼って放棄や中途半端な思いで勝手放棄する源流を変えていき、罪なき相手が人間の甘えの罪を多いかぶせられ、冷たい、不安、最後には苦しんで訳もわからず怯えて死んでいく犬達をなくしていく・・それはイヌの苦手な方達にとっても安心した暮らしを得るために教育でもあり共育(人とイヌが共に習う、共に育て合う「共習共育」)がこれからもっと力を入れていきたい、普及させたいことです。
私も家庭犬に携わって、自ら感じるのがプロになるまで勉強して始めて犬という動物の賢さ、難しさを改めて日々感じ、簡単に迎えて飼えるものではないと感じています。
人もイヌも苦しまない、共生社会を目指して、是非皆さん、イヌの歳に拘らず、家庭犬として暮らしている愛犬と一緒に家庭犬専門の飼い主さんが学べる学校に行きましょう!
そんな人たちが街にありふれた時、どんな情景になっているか?
想像するだけでも明るい社会が見えてきます。
私はこうした想いで、この仕事をしています。
愛犬と一緒に是非、飼い主さんがそのイヌの月齢に合う教育法を専門家から学んでみましょう。
以外と自分たちの共生に通ずること、人間性を取り戻す教育であることを感じると思いますよ。
