日を重ねるごとにあきらしくなってきています。
飼い主さんの心の中にはすっかり消えつつ忘れものがあります。
14年前、ドッグブームになるまでは大型犬を中心に、やはり安全や本来すべき当たり前の教育を飼い主さんがしなければいけない、「この子が大きくなった時に迷惑をかけないようにしてあげたい」という要望でスタートされる方が多かった。
別の言い方をすれば真剣だった。
最近の方ももちろん真剣ですが、相手の幸せに真剣か?自分の都合良い(いい子、お利口さん)という抽象的な目標ではなく、私達の我儘、願望というこちらだけの欲求を満たすことに真剣になってしまっている。
だから、その中には「嫌われたくない」というものや「いい人でいたい」という自分がいい人でいたいということを満たすため、実現するために、「優しい」から「甘い」に変わり、相手の要求を満たすことで自分は嫌われないようになってしまっている。
それは別の言い方に変えたら『飼い主さんに自信がない」ということでもある。
癒しという願望が出来た時から、人びとは本来すべき自分たちの育てる、教えるという優しさを忘れ、相手にだけ自分の苦しみや触りたい、可愛がりたいという自分だけの楽しみを求めるようになってしまった。
これが私がこの仕事をやってきた中で、「癒し」が分岐点になって、違う方向に進んでしまっていることを本当に悲しく思います。
だから、言うことを聞かない、自分を癒さない相手は「問題」とレッテルを張り、「癒しを求める=努力はいや」なのだから、甘やかし、何でも相手が怒れば、咬めば、吠えれば要求に従ってきた飼い主さんが育てたこうした問題を他に渡して知らん顔ということ、だれかに渡せば私は殺したんじゃないから罪はないかのような意識が生まれ始めている。
それは本当に年々悪化傾向をたどっている。
癒しを与えてあげたい・・このイヌ達が安心して暮らせるように育てるには?人間社会のルールと自制心を育むことをするだけであり、それを相手のために行ってあげることは、必ず自分の為に帰ってくる。
でも、自分を優先し、相手を苦しめることで苦しみが帰ってきているのが、現在だと思います。
相手のこと、イヌのことを勉強してあげて、学び、実践しながら「わかってあげられた」という喜びをこれから感じていただけるドッグライフをし、イヌ達のことを知り、学び、そして彼らの世界を理解して教える、育てる飼い主になってあげたい・・そんな目標に戻れば日本の犬達は本当の意味で人もイヌも幸せで結ばれると思います。
私達家庭犬トレーナーやドッグオーナーズスクールは、そうした感動を広めたいのです。
是非、多くの方が相手のことを知る、学ぶ、彼らが理解でき人間と共に暮らせる教育法を専門家から学んだ飼い主さんになることでイヌを育ててあげる環境を広めたい・・それで身勝手な飼育放棄を減らしたい!と願う日々です。
イヌを育てる・・育てるのは苦労の連続。
だからこそ、乗り越えた感動も大きい。
小さな欲の「いやし」なんていう考えは一度捨ててほしい。
ただの卑しいにしかないのだから。
自分とは違う生命を育てる、難しさ、大変さ、そして迎えた責任の重さをもっと感じてこれからイヌと向き合う本当の共生を皆さんと共に広められたらと願っています。
逃げたくなるのも当たり前。だからこそ私達の指導に耳を傾け、実践してください。
そうしてサポートを受けながら育てることは、飼い主さんの心の中でも必要なことであり。助けは必要です。
もっと学びましょう、大切な相手のために・・そして自分のこの子との目標実現のために。
