月曜の台風から2日続けて熱帯雨林みたいな夕立(と呼ぶには野太過ぎる)に降られて改めて気候の極端化を感じます。
毎日渡る荒川も濁って増水してます。おそらく、河川面積占める面積約4%で日本一だという埼玉県のどこかではこのさなかに橋の下や林などに潜んでいたアライグマや野生動物が流されているのではないかと思います。気温も急上昇して昨日はその日に捕まったアナグマが僕が到着したときには既に死んでしまいました。間違いなくこの気候は野生動物にも堪えているようです。
かといってアライグマが捕まらないわけではなく、月曜にはとんでもない大きさの個体が捕まりました。
この腹のでかさですが、中身は子供ではなく脂肪を大量に蓄えたメスです。重さは8.9kgと体脂肪率、重さともにこれまでに見てきたメスの中では最重量でした。いい餌場を独占して、長年(おそらく5年以上)生きていたような個体が、もしかすると台風を経て飛び出してきたのかもしれません。
で、今日はこのメスが捕まった近くで子供が2頭捕まりました。直接の子供かは分かりませんがどちらとも既に70cm以上で体重も4kg前後でほとんど成獣と変わりがありません。ただし、成獣かその年に生まれた子供であるかを見分けることはできます。牙を見ればいいんです。
これが月曜の母親の歯並びです。上下の牙はしっかりとした太さと鋭さを持っており、健康状態のよさと成長度合いを教えてくれます。アライグマの場合、上下の牙が生え揃うのにだいたい12ヶ月ほどかかるのでいい判別基準になります。では子供を見てみましょう。
これが今日捕まった幼獣の牙です。角度が違って比較しづらいですが、明らかに牙が細く短いことが分かるかと思います。おそらく10ヶ月程度で独立寸前の段階で、牙が成獣のものになるにはあと2,3ヶ月ほどかかるところにいると思われます。
古谷先生の講演内容にあったように、アライグマが各地をうろついて出会いを目指す繁殖期は目前に迫っており、こうした子供たちもそろそろ親元を離れて(特にオス)旅立つ時期にいます。各地の道路、田畑、河川などがいつも以上に賑わうかもしれません。この時期に行ったことの無いところに移動することもあるかもしれませんので、「アライグマなんて見たことない」と思っているところ(特に埼玉県内)にいる方々の近くにもアライグマがやってくる可能性がありますのでご注意ください~。