前回は京都の食堂についてでしたが、食後はやはり喫茶店ですね(笑)
京都へはよく行く私ですが、実は喫茶店に入ることはまずありません。
そんな私がアレなんですが、こんな本はどうでしょう。
『京都の喫茶店』(木村衣有子、平凡社)
この本の発売が2013年…京都カフェブームの火付け役となった『京都カフェ案内』から12年後です。
著者の木村さんは20代半ばの3年間、京都の喫茶店『喫茶ソワレ』でウェイトレス、学生のときには恵文社一乗寺店で働いていたとあります。いずれも京都人でなくても知っている名店ですね。
掲載されている喫茶店は、イノダコーヒ本店、喫茶ソワレ、喫茶マドラグ、進々堂、ゼンカフェ、ラ・ヴァチュール、六曜社、フランソア喫茶室、カフェ・ヴィオロン、カフェ・デ・コラソン、カフェ・ヴェルディ、ウィークエンダーズ・コーヒー、 アカツキコーヒー、高木珈琲、ガルーダコーヒーの15店。
皆様ご存じのお店も多いのではないでしょうか。
10年以上前に出版された本ですが、今なお読まれているのは、巷間よくあるようなカフェガイド本ではなく、京都の「喫茶文化」という視点から、店主の思い入れや時代背景も描き込んだ随想集なのだからでしょう。語りかけてくるような写真も素敵です。
京都生まれの哲学者・鷲田清一氏(『京都の平熱』などの著書があり、元大阪大学の総長)と筆者である木村衣有子さんの対談「『平熱』としての京都の喫茶店」も秀逸。『京都の平熱』の中の鷲田氏の「奇人がいる街は住みやすい」言葉を受け、「喫茶店が多い街は『すき間』『ゆとり』が多いのかもしれませんね。」と返す木村さん。
…私は「河原町のジュリー」を思い出しました!(知ってる人いるかな……)
そうそう、私が学生の頃よく通った、紅茶専門店『せいほう』(三条を少し下がった河原町通りに面した喫茶店『六曜社』の上、のち烏丸御池へ)は掲載されていません。残念!
某大学の教授がやっていて、紅茶はもちろん手作りケーキが美味しかった
。数十年経った今でも、壁に並んだ沢山の素敵なカップ&ソーサーが思い出されます。
…ご存じの方おられますか?
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