『九相図をよむ 朽ちてゆく死体の美術史』(山本聡美、KADOKAWA) | 近鉄八尾駅前にある鍼灸整骨院 東洋医学の事なら、いど鍼灸整骨院。

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当院の患者さんにもよく言うのですが、私は幼稚園児の頃から「死」について考えていました。

 

祖母が家で亡くなった時の印象が強かったのでしょう。

死って何?、死んだらどうなるの、もう生き返ってこないの?等々……。

 

眠れない夜(←ココ大事!幼稚園児が不眠なんて 笑)には、永遠にお墓の中に閉じ込められた自分をイメージしながらいつの間にか眠りに入るという日々を過ごしていました。まるで、底なし沼に沈むように……。

 

九相図なるものがあると知ったのは、中学の「日本史」の教科書。凄惨でありながら、何とも言えない美しさを感じたのを覚えています。

 

ということで、今日はこんな本はいかがでしょう。

 

 

『九相図をよむ 朽ちてゆく死体の美術史』山本聡美、角川ソフィア文庫)

 

著者の山本聡美さんは、1970年 宮崎県生まれ。日本の美術史学者、早稲田大学教授。専攻は日本中世絵画史。

日本の美術史学者早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(文学)。

 

2016年、本書『九相図をよむ 朽ちてゆく死体の美術史』で、第66回芸術選奨文部科学大臣新人賞(「評論等部門」)、および第14回角川財団学芸賞受賞。

同年、「「九相図」をめぐって 仏教観想から無常観へ」で、第36回上野五月記念日本文化研究奨励賞受賞されています。

 

 

ご存じのように九相図とは屋外にうち捨てられた死体が朽ちていく経過を九相にわけて描いた仏教絵画で、死体の変化を九段階に分けて観相(イメージトレーニング)することによって自他の肉体への執着を滅却するという仏教の修行に由来するものです。

 

本書では鎌倉時代から現代まで十点の九相図を時代毎に追いながら、日本人の抱いてきた「死」への概念を辿ってゆくのですが、それに込められた意味が固定的なものではなく、時代によって変化したことが見えてきます。

 

とはいえ、伝統的に日本の九相図には女性の死体が描かれてきました。それも、高貴で美しい女性が……。

これは、九相観を行うのが男性で、煩悩の対象となるのが女性であるからなのでしょう。

 

個人的には、第八章「現代によみがえる九相図」の中の、松井冬子『浄相の持続』に対する著者の考察が非常に興味深かったです。

 

この本と関連して、『性食考』(赤坂憲雄、岩波書店)や『分解の哲学 腐敗と発酵をめぐる思考』(藤原辰史、青土社)なども読みましたが、死とは何か、肉体とは何か、生命とは何かという、人間が人間として生きるうえで避けては通れない思想がさらに深まった気がします。また機会があれば紹介したいと思います。

 

 

 

 

 

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