多田野本神社(福島県郡山市逢瀬町)
多田野本神社(ただのもとじんじゃ)。
福島県郡山市逢瀬町に鎮座。
御祭神は火之夜芸速男神(ヒノヤギハヤオノカミ)、鎌倉権五郎景政公(かまくらごんごろうかげまさ)。
社格は村社。
創建年代は不明。
その昔、物見ヶ岳(現在の大沢山)に火神を祀ったのが始まり。
のちに山から宮の森へとお遷しすることとなったが、その遷した先というのが現在の社地だという。
その後、平安時代後期の康治二年(1143年)、鎌倉武士の鎌倉権五郎景政公が東北征伐の際、当地を訪れ浄土ヶ岡に住んでいたという盗賊と大蛇を悉く退治したことによって村民の禍を除いたため、景政公とその御兄弟一族を 「 御霊の宮 」 として相殿に祀った。
大東亜戦争以前は、当社に祈願した村内の出征兵は誰ひとりとして死傷することなく全員無事に帰還したため、 「 武運長久・ごろうのみや様 」 として広く県内外から御神徳にあずかろうと参拝、祈願に訪れたのだとか。
御祭神の火之夜芸速男神は、火之迦具土神(ヒノカグツチノカミ)の別名。
神産みの際に生まれた神だけれども、カグツチは炎の神であったためにイザナミは陰部に大やけどを負ってしまい、それが原因でイザナミ黄泉の国に旅立つこととなる。
ただ、御由緒にもある通り、こちらの神社はもともとは火神をお祀りしていたようだけど、御神徳が篤いということで後から祀られた御霊宮としての崇敬が多かったようですねえ。
でも、なんで鎌倉権五郎景政公の祀られている神社って、『 御霊宮 』って呼ばれてるんですかね?
御霊というと、京都の上御霊・下御霊神社の祭神として代表される伊予親王・早良親王のように、深い恨みを呑んで亡くなっていった方々……いわゆる、『 怨霊 』が祀られている神社というイメージだったんですが。
十年ちょい前の高校時代、高橋克彦の『 蒼夜叉
』を読んで御霊信仰というものを知ったおいらには尚更です。
というか、蒼夜叉。
おすすめの本です。
伝記というのかホラーというのかミステリというのかサスペンスというのか、ジャンルはちょっと分からないですけど、おもしろい。
結構前に発売された本なので、恐らくブックオフなんかでは100円のコーナーにも何冊かあるかも。
好みは分かれるんでしょうけど、こういった「ちょっと変わった歴史の見方」を取り上げた本はおいらにはストライクだったりします。
話が横道に逸れだしたので、ここいらから境内の御紹介を。
【 神社 遠景 】
神社の入り口には大きな木がそびえ立っています。
こちらの神社は郡山市とはいえ、逢瀬町といってちょっとした郊外というか山のふもと。
境内には深い緑が茂っていて、素敵な雰囲気。
それはそうと、逢瀬町って地名も素敵だよねえ。
逢瀬と言えば、日本最大の怨霊と言われている崇徳院の和歌の、
「 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢わむとぞ思ふ 」
を思い出してしまうのはきっと、さっきの『 蒼夜叉 』という本の影響です。
で、上の画像の赤い両部鳥居が一の鳥居なのかな~?と思っていたら、
【 一の鳥居 】
こちらがどうやら一の鳥居のようで。
地震の影響か、上半分が崩れてしまっていたようでした (´・ω・`)
石造りの鳥居はこれがあるから大変だよねえ……
【 二の鳥居手前の左右の狛犬 】
体が小さくて頭が大きいのにあいまって、クリクリした丸い目がどこか幼さを感じさせる狛犬。
ちょっと漫画っぽい造形で面白い。
【 二の鳥居 】
こちらは木造の両部鳥居。
『御霊大明神』という額が掲げられておりました。
周囲の緑に朱塗りの鳥居が映えて綺麗だねえ。
それと注連縄。
三本の同じ太さの縄がよじられているようで、鳥居に直接結ばれているのではなく、吊るした竹に下げられていました。
注連縄もいろんな形式があるんだねえ。
【 二の鳥居を抜けた先の、左右の狛犬 】
丸みを帯びた体がびっしりと苔むして、涼しげな見た目の狛犬。
それにしても、こちらの狛犬も目がまるっとくっきり。
小さな狛犬も目がまるっと。
……これの左の狛犬、なんかに似てるなー?と思っていたんだけど、思い出した。
こいつ だわ。
【 手水舎 】
参道左手にある手水舎。
苔むした木々と手水用の石に光が差し込んで、すっかり緑色の世界。
清涼感のあるよそおいで素敵です。
清涼感といえば、昔は清涼院流水というミステリ作家の作品を楽しんでよく読んでいたんですが、『カーニバル・デイ』から少しずつ熱が冷めていきました。
まったく神社とは関係ないですね、はい。
【 境内社(?) 】
拝殿の右側、奥にある小さな祠の群れ。
おそらく境内社なんでしょうけど、どれがどれなのかはさっぱり分かりませんでした (´・ω・`)
【 神楽殿 】
こちらは拝殿の左手にある神楽殿。
中には御神輿が納められておりました。
【 禊場 】
で、こちらは神楽殿と拝殿の間あたりの奥にある、禊場。たぶん。
平成六年に皇太子殿下御成婚記念事業の一環として建設されたのだとか。
毎年、大寒の前の日曜日に氏子による寒中禊がおこなわれているらしい。
【 拝殿 】
武士である景政公らしい、どっしりとした威容の拝殿。
拝殿の注連縄も、二の鳥居のものと同じ様式。
注連縄の形式についても少しずつ覚えてみたいけど、何で覚えたらいいのか分からずにいるおいらです。
【 本殿 】
風雨をよけるための覆屋におおわれている本殿。
よく見えなかったけれど、流造の本殿らしい。
さて、無事に参拝も済んで、社務所へ。
御朱印をお願いします。
で、いただいた御朱印がこちら。
しっかり『御霊の宮』と書かれていて、景政公の存在の大きさがうかがえます。
日付も六月ではなく、「水無月」と書かれていたり。
境内の緑の風景とあいまって、風流な印象を強めておりますね(`・ω・´)
実は御朱印をいただく際に、御朱印帳をお渡ししたら、
「どうしますか?見開きで書きます?それとも片面で?」
と聞かれたので、もしかすると見開きでも書いて頂けるのかも。
もしくは御朱印のスタイルが固まっていないというか、どんな風にでも書けるということなんですかねえ。
そのあたりはよく分からなかったので、普通に書いて頂いたんですが……
それにしても、宮司さんも大変親切な方で、素敵な神社でしたよ(´∀`)
■ 多田野本神社への地図
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◆ 神社の情報
多田野本神社 ただのもとじんじゃ
御祭神 : 火之夜芸速男神、鎌倉権五郎景政公
社格等 : 村社
鎮座地 : 福島県郡山市逢瀬町多田野字宮南66



















