鶏足神社(福島県南相馬市鹿島区) | ゴシュインデイズ

鶏足神社(福島県南相馬市鹿島区)

鶏足神社(けいそくじんじゃ)。



福島県南相馬市鹿島区に鎮座。
御祭神は宇比智迩神(ウイジニノカミ)。
社格は村社に列格。


御祭神の宇比智迩神は、天地開闢の際に現れた神。
古事記によると、天地開闢の際には七代の神のうち第一代・第二代までは男女の別の無い独り神だったが、
第三代の宇比智迩神(ウイジニ)・須比智迩神(スイジニ)から初めて男女一対の神となったと言われている。

ウイジニの「ウ」は古語で「泥」を表し、スイジニの「ス」は「砂」を表すそうで、
天地開闢の際に泥と砂によって大地が生まれた様子を表しているんだとか。

ちなみに、こちらの鶏足神社があるのが北海老地区。
南海老地区には金砂神社という神社があるが、そちらの御祭神は須比智迩神。
北海老・南海老のそれぞれの神社の御祭神が一対となり、陰陽を表しているらしい。


当社の勧請については明らかではないものの、鶏足神社のある一帯は林崎古墳という丘陵地になっていて、
それが鶏冠に似ていることから、

神社の東を峯崎(みねざき)、西を冠脇(さかわき)、南を冠下(さかした)

として、社号は冠嶺(さかみね)を名乗ったのだという。

だが、文化年中に相馬中村藩第十一代藩主・相馬益胤公による行方郡延喜式内社八社(多珂・高坐・日祭・押雄・鹿島御子・益多嶺・御刀・冠嶺神社)の調査の際、
鶏足神社も「冠嶺神社である」と名乗りを上げたものの、認められなかったそうだ。


ちなみに、現在の社号の「鶏足」の由来なんですが。
縁起によると、宇比智迩神が頭に被っていた鶏冠をこの地に落としたのだという。
その数年後、ひどい泥雨が連日降り続くようになった。
これに人々は困り果ててしまい、神様に祈ったがついに霊応はなかった。
だがこの時、ある人が「この地に鶏冠神社があるのだから、祈れば必ず応えがあるはずだ!」と言う。

そこで、徹夜で社に籠り雨を止ませる祈りを行うこととなった。
祈りはじめて三日三晩経った時だった。
空から突如、雄雌二羽の鶏が社殿の前に降り立ち、首と尾で庭土を天高く掻き上げたではないか!
人々が驚いてこの様子を見ているうちに、たちまちにして雲は散り雨は上がったのだという。

神社前を見ると、その鶏の足あとがくっきりと残っていたので、人々は「鶏足神社」と呼び崇めた……というのが由来だそうです。


ちなみにこちらの鶏足神社さん、駐車場らしい駐車場が見当たらず……
鳥居の前に寄せて車を置かせて頂いて、他の車が通る前に急いで参拝、というドタバタでした。
今度機会があれば一対となってる南海老の金砂神社とあわせてゆっくりお参りしたいものです(´・ω・`)





【 鳥居 】
石造りの明神鳥居。
前回の山田神社さんは津波で社殿が流失しておりましたが、こちらでは津波の被害は無事だったようです。
やはり古墳になっているような丘陵だからなんですかね。





【 参道 】
参道ももちろん登り坂と階段になってます。
さすが古墳。





【 狛犬 】
堅い石のはずなのに、毛のフワフワ感のある狛犬。
苔の生え具合がステキですね。






【 拝殿 】
こちらが拝殿。
現在の社殿は大正十五年に発生した火災により、昭和二年に完成したものだそう。
相馬中村藩第七代藩主・相馬尊胤公から社領一石を寄進したとのことで、こちらの神社も九曜紋がくっきり入っておりますね。
写真はややピンボケですが……



【 本殿 】
こちらの御本殿も拝殿と同じく、昭和二年造営のもの。
大正十五年の火災は類焼だったそうですが、社殿すべてを焼失したそうです。
御本殿の隣には境内社もありました。


さてさてさて。
お参りも無事済んだわけですが、ここ数回の記事と同様、こちらの鶏足神社さんは伊勢大御神 下大神宮さんが兼務してらっしゃるためそちらで頂きました。



神世七代の神様を祀ってらっしゃる神社は県内でもそう多くはなかったと思います。
(ぱっと思い浮かぶのは豊斟渟命の豊景神社くらい?)
県内ではなかなか珍しい御祭神かと思いますので、是非お参りされてみてはいかがでしょうか。




◆神社への地図





◆神社の情報

鶏足神社   けいそくじんじゃ

御祭神:宇比智迩神
社格等:村社
鎮座地:福島県南相馬市鹿島区北海老字林崎107