土津神社(福島県耶麻郡猪苗代町)
土津神社(はにつじんじゃ)。
福島県耶麻郡猪苗代町に鎮座。
御祭神は土津霊神。
会津藩の初代藩主である保科正之公を祀っている。
御祭神である保科正之公は、徳川二代将軍・秀忠の第四子。
父の秀忠が恐妻家であったため、側室だった母の浄光院は妊娠後、武田信玄の次女である見性院のもとに預けれられる。
正之公は誕生後、武田信玄の元家臣であった信濃高遠藩主・保科正光に預けられ育てられた。
将軍家の血脈であるので、後に幕府から松平姓を名乗るよう勧められるが、養父である保科正光への恩義に報いるのだとその生涯を保科姓で通したという。
ちなみに保科正之公はことのほか熱心に神道を尊信しており、神道家の吉川惟足に卜部家神道を学んでいる。
御祭神になられた後の「土津霊神」の「土津」の神霊号も、吉川惟足より受けたものとのことだ。
その様な経緯もあるので、正之公は神仏習合を改めるよう尽力していた。
喜多方市の諏訪神社付近には多くの神社や寺院があるが、保科正之公らによって神道と仏教を明確に分け、それぞれを保護したと聞いたことがある。
神道を尊崇していた正之公はかねてより神式の葬儀を希望していた。
また、この猪苗代に鎮座している延喜式内社・磐椅神社 の末社として神に仕えたいとの遺言を残している。
その遺志により設立されたのが、この土津神社だ。
こういった経緯だけども、今となっては磐椅神社 よりも土津神社の方がメジャーになってしまっている。
もちろんそれは名君だった保科正之公の御遺徳もあるだろうけども、立地的な部分も大きい気がする。
向かっていくと真正面にこれだけ大きな神社があるんだもの。
それはそうと、仏教を保護していた江戸時代に、こうした神道を篤く信奉した大名というのは珍しかったんじゃないかなあ。
ちなみに、二代目藩主・保科正経公以外の藩主はみな、神式で葬られており、この土津神社に配祀されている。
橋を渡った先には大きくて白い鳥居が。
右手に見えるモミジとの色の対比が鮮やかだ。
境内に入る前から風景が素晴らしい。
こちらは社号標近くのモミジ。
上の画像右手にあるモミジと同じ木だけども、見る角度によってまったく違う色に見える。
当然と言えば当然のことだけども、いざ見てみると面白い。
鳥居を過ぎたあたりから右手を見た様子。
こちらの斜面は一面モミジが植えられており、燃えるような赤い色に染まる。
この日はまだ完全には紅葉しきっていないけれども。
ちなみに、猪苗代の山裾に鎮座しているので、時期が重なると一面の雪化粧の上に敷き詰められた真っ赤な落ち葉という光景が見れることもあるようだ。
良いじゃない良いじゃない、そういうの。
季節の変わり目の様子は独特の風情があって、結構好きなほうだ。
たとえば、残暑の厳しさが去ったあととか。
ふわり、と冷たい風に乗せられて鼻孔をくすぐる金木犀の香り。
深まりゆく秋の到来を告げる香りは、私の住んでいる地区の例大祭の時期を告げる香りでもある。
ずっと昔から記憶の中で結び付けられてきた感触というのは、どんな時でも正確に時の流れを感じさせてくれる。
かなりの年季を感じる手水舎。
こちらはどこからか水が注がれるタイプではなく、底から水が湧き上がるタイプのようだ。
【 手水舎の近くの記念樹 】
この記念樹はクロマツとのこと。
おおおう。
Xジャパンのメンバーだった人ですね(ちがいます)
しかし、在任中に参拝してたとは知りませんでした。
ふぐすま県民として恥ずかしい。
【 拝殿 】
紅葉目当ての参拝客が多いためか、どの画像にも人が写ってたので御容赦を。
社殿は正之公の死後3年が経った延宝三年(1675年)に完成したが、戊辰戦争の際に焼き払われ消失。
現在の社殿は明治十三年に造営されたものだとのこと。
焼失前の社殿は「東北の日光」と呼ばれるほど絢爛豪華なものだったそうだ。
ぜひその様子を見たかったものだねえ。
こちらにはしっかりと葵の御紋が。
初代・保科正之公の時代には葵の御紋は使っていなかったが、三代藩主・正容公の時代から松平姓と葵紋を使うように変わっていったらしい。
かなり大きな本殿。これも保科正之公の人望の篤さからか。
ただ、拝殿からは結構距離があって、こちらまで見に来る人は少なく、ちょっとさびしい感じも受ける。
さて、無事参拝と境内の散策を済ませ、社務所へ。
季節がら、菊の花が飾られているところは多い。
こちらでも飾られていたが、かなり立派な菊が置かれていた。
で、いただいた御朱印がこちら。
初穂料は300円。
初代正之公および三代~九代までの会津藩主が祀られているためか、「会津藩主松平家墓所」の文字が。
ちなみに、二代藩主・正経公だけは仏葬だったため祀られていない。
と、いつもなら御朱印を紹介したところで終わりだけども、今回も霊山神社 の時と同じくおまけの画像。
最近何かと変な構図にしたがる私なのでした。
■土津神社への地図
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