愛知県犬山市の歯科~石井歯科室 -10ページ目

愛知県犬山市の歯科~石井歯科室

      安心の地~歯科医があなたに伝えたいこと~

スケーリング・ルートプレーニング(SRP)も深いところにこびり付いた歯石を取る処置ですが、それでも完璧にとるには直接、目で見てとるほうが確実です

これは、全身的な疾患により歯周炎を併発していない範囲で、どうしても歯ぐきが腫れやすく、SRPをしてもこびりつく量や範囲のレベルが高い場合(歯周ポケット約5~10ミリ以上)のような状態に直視で歯石取りをします



これを歯肉剥離掻爬術(しにくはくりそうはじゅつ)といいます

別名、フラップ手術、FOP(エフオーピー)といろいろ言い方がありますが

文字通り、歯ぐきをはがしてこびりついた歯石や汚れをかきだして綺麗にすることが目的です

歯周ポケット4ミリ以上の深いポケット、特に6ミリや7ミリともなると手探りで行うSRPは限界がありますので、このような方法が次の手段となります


手術なので、1本1本丁寧にと思われがちですが、歯肉を少しずつ切開しすぎると壊死を起こす可能性があり、また、切開線を増やして歯茎にダメージを与えたくないとの理由から4,5本まとめていっぺんにはがして行います。


「いたそ~う」に感じますが、麻酔をするので大丈夫です

骨から上のすみずみまで、目で見てとりますので完璧です

取り終えればしっかりと糸で縫い合わせます

更に、ばい菌がはいらないように歯ぐき専用のパックをします(顔にする化粧用のパックのような感じです)






歯石取り(スケーリング)というのは、一般に歯ぐきより同等かそれより歯の頭寄りについた歯石を取ることを言います



歯ぐきの頂上より下、歯周ポケット内はスケーリング・ルートプレーニングという処置になります



これは、 歯石や細菌、その他に代謝産物が入り込んだ病的セメント質や象牙質を機械のスケーラーや手用のスケーラーを使って取り除き、歯根面を滑沢化(つるつる)にすることです



セメント質とは根っこの表面の素材で、以前お話したコラーゲン繊維がくっついて骨としっかりつながっています
その部分が歯周炎によりなくなり、代わって異物がこびりつくという図式です




ですので滑沢化することにより常に衛生的に保つことで、更なる歯周炎の悪化を防ぐことが目的です







歯石を取る時にキキキーと虫歯を削る機械とは、ちょっと違った音がするのですが、これが機械のスケーラーですね


機械のスケーラーも2種類あって、エアースケーラーと超音波スケーラーとあります


エアースケーラーは、圧縮された空気を振動に変えて、それを歯石に伝えると剥がれ落ちるという原理 

超音波スケーラーはエアースケーラーの10倍の振動数があり、歯にやさしいので、主に歯周ポケット内の深い部分に使用します

更に固くて機械ではとれないものを、キュレットという彫刻刀の歯科バージョンといいましょうか、これで術者が手の力を使って削り取ります

持ち方も決まっているので、それを基準に7本のキュレットを駆使して行います

7本に分かれているのは、14本の歯の根っこの形に合わせて、刃の角度が作られています

ゴルフが、姿勢を変えずにクラブを変えて打球をコントロールするような感じに似ています





私がまだここで開業する前に、出会った症例ですが、40歳後半の仕事帰りの女性で「ごはんがかめない」ということでみえました

上の歯も下の歯も、虫歯もなく綺麗でどこか急性炎症でもあるのかなと思いましたが、さほど腫れている部分もみあたりません


どういうことかな?と「噛んでみて下さい」とお願いしたところ、噛んだ瞬間に上の歯14本全てが、ホッペのほうにぐ~っと真横に倒れるほど傾いたのです


下の歯はほとんどぐらつきがないので、余計に押されて上の歯が倒れたようでした


写真で骨の状態をみてみると、上の歯を支える骨が全て吸収され1本の歯の根っこも支えられていなかったのです
下の歯も根っこの半分近くの骨が吸収されていましたが、根の先はまだしっかり骨が残っていました

上と下のぐらつきの度合いの差があまりにもひらいたのも助長したと思われ、上の歯がこのような結果になったと思われます




基本的に歯を残していくことに思考を働かせるものですが、ここまでの状態は出会ったことがなく、しかもまだまだ働き盛りの、しかも女性。。。

患者様もご自身で状況をよく把握していらっしゃったので、取り乱す事もありませんでしたが、正直、私のほうが複雑な気持ちでした。。。


結局、最終的に総入れ歯にしたわけですが、私自身かなりショックを受けた処置でした


しかし、それでも入れ歯で「かめるようになりました」と言ってもらえた時は「女性は強い!」と改めて思いました