今の転職マーケットでの戦い方 -まずは前提のお話から- | ideateのブログ-採用のタネ-

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採用がビジネスの成否を決める時代。
採用を成功に導くためのヒントを綴ります。



何度も言ってきていますし、色々なところで喧伝されていますが、転職マーケットは過去に例を見ないほどに盛り上がりを見せています。

企業の採用意欲が高まっている、というのもありますが、転職というものがごく当たり前の時代になったというのも、大きな理由と言えます。

約10年前の転職マーケットのお話
私が初めて転職活動をしたのは2003年頃。
まだまだ転職はネガティブな時代でした。
求人を探す媒体もそれほど多くなく、人材紹介会社からのスカウトというのもほとんど無い時代。
周りでちらほらと、外資のコンサルティング会社からスカウトが届いた、年収1.5倍のオファーが届いた、という話があり、皆ですげーなーと大騒ぎしていました。

転職というものがネガティブだった反面、逆に目新しさ、物珍しさがあり、とても特別感・憧れ感があったのも事実です。
一部のエリート層だけのもの、というイメージがありました。

そこからITバブルやリーマン・ショック、景気の上向きやベンチャー企業の隆盛等で、今では転職というものは
ごく当たり前の時代になりました。


転職マーケットの成熟化(当たり前化)と情報の氾濫
インフラ(IT)の爆発的な成長、情報が溢れる時代になり、採用の仕方、というのも大きく様変わりしました。
企業が優位に立つ時代から、応募する側が優位に立つ時代、売り手の時代。

2000年初までは、応募しても返事がないのが当たり前、待たされるのが当たり前。
企業が優位に立ち、自由に選ぶことができた時代でしたので、それが可能でした。
応募する側も、だからこそ返事が来た時の興奮やワクワク感は大きかったと思います。
宝くじに当たったという表現は言い過ぎですが、何かのキャンペーンで当選した時のような、ドラクエを発売日にゲットして、早速家でパッケージを開けてゲームを始めるようなワクワク感。
(思えば転職に限らず、今の時代こういう喜びを感じる瞬間って、少なくなりましたよね。。。)

今のように、連絡が来ないとフラストレーションが溜まったり、どこかに書き込まれるということもありませんでした。
なぜなら、それが当たり前だったから。誰に聞いても分からなかったから。

ITインフラが整備され、誰もが情報発信者になれる時代になった今、そのやり方は全く通用しなくなりました。
悪評が書き込まれ、拡散され、その企業の姿勢としてネット上に刷り込まれてしまいます。
大げさに言えば、世論として定着してしまうのです。
ひどい場合、採用担当者や面接官の名前がそのまま出回ってしまうというリスクもあります。
デジタルタトゥーと言われるように、後からそれらを消すことも非常に困難です。

3年前、5年前に書き込まれたことが、今もまことしやかに事実として語られる。
今は全くない事実、もういない採用担当者、面接官等の名が、残ってしまっているのです。

今の時代、応募者は必ず情報収集をします。
ポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報も含め。
また、採用プロセスだけの話だけではなく、経営状況、事業戦略、働く社員、人事制度、離職率等、ほぼ全ての情報について。

あれは間違っている、これはちょっと違う、といったことがあっても、ネット上ではファクトとして伝わってしまいます。
憤っているだけでは、何も変わらないのです。
面接の場で、そんなこと信じてるのか?いつの時代の話だ??なんて言ってしまうこともよくある話ですが、応募者や人材紹介会社を怒っても仕方の無いことです。
いつの話なのかなんて気にしませんし、書かれている以上はそういった情報は気になってしまいます。

新しい街に引っ越すとき、車を買うとき、絶対にポジティブな情報だけで判断しないですよね?
それと同じことです。



カウンターパンチを食らわせる的発想
もちろん、そういった評判が出回っていないに越したことはありません。
(全く情報が出ていないのも、それはそれで怪しまれてしまうので、なんともややこしい時代です。。。)
ただ、出回ってしまっている以上は、タトゥーのようにネットの世界に残り続けていきます。

では、どうすれば良いのか?

情報を逆手に取れば良いのです。カウンターパンチを食らわせるのです。
「あ、その話ね。それは3年前までは確かにそうだったけど、社内で改革を進めて、今は全く変わっているよ(笑)」
「そうなんですよね、それが大きな問題なんですよ。でも、それを変えなくてはいけないと考えていて、取り組んで行こうとしている最中なんです。」
簡単に書きましたが、もう少し詳細な話を加えて、きちんと伝えてあげるのです。キョドること無く、焦ること無く、自信満々にさらっと、です。

情報が溢れている、ネガティブな情報が出回るというのは今の世の常です(とても残念なことですが)。
ただ、それらをそのまま鵜呑みにしている人はほとんどいません。
そんなもんだろうな、と理解しています。

だから、懸念していることや聞かれたことに対して、真摯に答えることが重要なのです。
その問題をはっきりと認識している、そしてそれを改善するために企業が取り組んでいる、ということが伝われば、応募者の安心感は一気に増します。

「あ、なるほど!」「へー、そうなんだ!」「そりゃそうだよなー」

ポジティブな情報だけしか無い時よりも、応募者の気持ちをグッと引き寄せられる可能性は高いと思います。
ギャップにやられる、とは恋愛の世界でよく言いますよね。
映画やドラマの世界でも、感動を呼ぶのは、悲劇からの大逆転。
「やられたらやり返す、倍返しだ」の半沢直樹の世界でもおなじみ。
やられたから、やられ方があまりにひどいから、その逆転劇の痛快さに視聴者は惹き込まれました。

wowなexperienceは、ド派手なプロモーションの場だけ意識すれば良いのではありません。
一つひとつの会話の中にも、そのタネはあるのです。
しかも、大輪の花を咲かせる可能性を秘めたタネが。


いよいよ面白くなってきた採用というミッション
10年前とは、取り巻く環境が大きく変わったと冒頭に述べました。
今は、今の時代に合わせた(迎合するという意味では無く)やり方をする必要があります。

採用活動は、大きく分けるとプロモーションと選考の2つのプロセスに整理されます。
プロモーションと選考は、車で言えばボディとエンジン。
見た目だけ良くてもうまくいきませんし、馬力だけあってもまた然り。
ポルシェにはポルシェの、マーチにはマーチのバランス感が必要です。

また、上記で述べてきた採用環境(氾濫する情報)は、車のガソリンと表現しても良いかもしれません。
ガソリンの残量を常に確認しながら、適切なタイミングで補給していけば、快適なドライブが楽しめます。
ネット上に溢れる情報をしっかりと分析し、その対策を練っておかなければ、ガス欠を起こして途中で止まって(辞退されて)しまいます。

適切に情報を入手して分析し、内部の情報をアップデートしていけば、きっと選考プロセスはうまく回るでしょう。
(もちろん、ボディとエンジンのバランスを整えている事が前提です)

採用担当者に求められる役割は、以前と比べてとても広くなってきたと思います。
難しい、大変な仕事になってきたと思いますが、策も色々とある時代です。
もはや、人事の中に収まらないレベルになってきました。
今まで以上に、やりがいのある、面白い仕事になってきました!


今回はちょっと長くなってきたのでここで終わりにしますが、次回は採用活動全般の概要について、もう少し突っ込んだ話をしていきます。


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