戦前の平凡なチェロを改造 その1 | ヴァイオリン技術者の弦楽器研究ノート

ヴァイオリン技術者の弦楽器研究ノート

クラシックの本場ヨーロッパで職人として働いている技術者の視点で弦楽器をこっそり解明していきます。


ハンドメイドの新作楽器にとって超えるのが難しい壁となるのはモダン楽器です。特に古い量産品は音だけでなく価格でも競争力があります。量産楽器にはいくつか問題点がありますがそれを直すことができるとすればどうでしょうか?

こんにちはガリッポです。

只今は、チェロの製作に向けて作業台の製作にかかっています。
これだけでも木工のブログなら作品と言えるレベルのものになるでしょう。しかしあくまで安くて機能的ということを目的とします。
私も10年以上前なら何もかも完璧に作らないと気が済みませんでした。
当時は作業台なんて作ろうものなら市販されているものをはるかに超えるものを目指したところでしょう。
今なら肩の力もぬけて「いい加減」にできるでしょう。
DIYはずっとやりたいと思っていましたが期が熟して来たなと思います。

作業台のポイントはグラグラしない丈夫な机です。
事務用や家庭用の机などはグラグラします。グラグラを続けていると接合部分がバカになってきていよいよダメになってしまいます。
私なんかは癖で大きな家具屋に行くと机をゆすってグラグラしないか確かめてしまいます。ダメだこりゃと帰ってくるのです。

木工で丈夫な台を作るということは何千も前から人類は研究してきたことで、骨太の木材に凝った継手をすればびくともしないものができますが、大変に手間がかかります。今なら機械で正確に加工できるのですが量産品はそれよりはるかに安いものが求められます。

DIYで凝った継手をする人はまずいませんからいい加減なものです。
今回は一生使う台を作るわけではないので「いい加減」にやりましょう。そうでないと指物師という職人になってしまいます。私の場合には「DIYのレベル」に抑える必要があります。

ヴァイオリン職人が家具を作るとピッタリに作りすぎてゆがんでくると、戸が開かなくなったなんて話を聞きます。木材の変化も考慮しなくてはいけないという点では新鮮です。

もうひとつのポイントはチェロのニスの乾燥機を兼ねることです。紫外線のライトを照射してオイルニスの乾燥を確実にするものです。しかしすごく強力なものではなく太陽光と同じくらいの紫外線が24時間当てることができれば十分です。ペットの爬虫類を飼育するのと同じです。なぜか我々の業界ではUV-Cというとても有害な紫外線がニスの乾燥に必要だとデマが広まっています。こんなのばっかりです。
太陽光と同じくらいの紫外線で十分です。UV-Cはオゾン層で遮断されていて地表に届いていないのでニスの乾燥にも必要はありません。
ランプの紫外線は指向性が強く裏側に回り込んでいきません。すべての方向から均等にライトを当てるのが難しいのです。
それに対して自然光はムラなく仕上がります。逆に言うとそれだけ太陽の紫外線は遮るのが難しいということです。帽子などで影を作っても効果は限定的だと思います。
出来れば日当たりの良い所に専用の小屋のようなものを立てて自然光で行きたいところですが、それもまた夢です。現実では天候、防犯、不動産の問題があります。風で飛んでしまったりいたずらされてしまったら大変です。

私の先輩がこのような「専門知識」に基づいてUV-Cランプを取り付ける巨大な乾燥箱を作ったのです。非常に有害なので光はもれないようにしなくてはいけません。これを使ってオイルニスを乾燥させようとしたところ効き目がありませんでした。納期が決まっていたので急いでランプをUV-Aのものに交換するとニスがちゃんと乾きました。乾燥箱は職場に置く場所がなくなって、どこかの倉庫に眠ったままになってしまいました。光を漏らさないために密封した箱はランプの熱で乾燥するという問題があります。割れなどの原因になります。品質を安定させるためにちゃんとしたものを作らなくてはいけません。使わないときは机として使えれば置き場所に困ることもないでしょう。幸い東京などと違って部屋に広さはあります。

このように我々の業界の知識というのは常に実証されていない物ばかりなのです。
てっとり早く知識を仕入れようと噂が独り歩きしていきます。それが常識をわきまえた人のすることです。間違った知識でも広まってしまえば常識となります。私のように実際にやってみるのは非常識な人なのです。


あまりにもくだらなくて自分の業界が情けないです。
我々の言うことを鵜呑みにしないようにしてください。






さてチェロの修理の仕事が続いていました。
修理しながらも自分が作るチェロの構想を練っています。
無難に作っておけば100年後には素晴らしいチェロになることは間違いありません。しかし作ったからには誰かに使ってもらいたいものです。そうなるととても難しくなります。


近代以降は弦楽器の作風が標準化されたため、教科書通り作られたものは優れたものです。それでも理由ははっきりしませんが音は様々で弾き比べて選ぶ必要があります。
弦楽器とはそういうものであり天才でなくても知名度が無くても誰でもまじめに訓練を受け働けば作れるものです。

このようにして作るには膨大な作業時間がかかるため高価になってしまいます。そこで大量生産によって安価なものが作られました。

大量生産というのは今日では退屈な魅力のないものと受け止められていますが、人々に物資を供給し生活を豊かにするとともに経済を発展させ国力を強めてきたのです。第二次大戦でも圧倒的な工業生産力を誇るアメリカは日本とドイツを合わせた飛行機の生産数の倍を製造したそうです。

弦楽器を製造するのも定まった設計に基づいて作業をすれば誰でも立派な楽器が作れます。これが近代の工業です。


その上、弦楽器は50年から100年くらい経つと音が強くなります。もし教科書通りに作ってあったものならすでに優れたモダン楽器です。値段はヴァイオリンなら50万円くらいからで道具として優れたものですから新作楽器に300万円も出すのはばかげています。それより安い量産品では粗悪なものが多いです。

これがチェロになると状況は全く違います。
教科書通りちゃんと作ってあるチェロというのはとても少ないです。教科書自体も十分に確立しているとは言えません。手ごろな値段のモダンチェロは多くの人に求められていますがガラクタのようなひどいものや自己流のよくわからない物だったりします。買ってしまうと修理代が100万円を軽く超えてしまいます。

現代では新品の大量生産品は常時店頭で買うことができます。
コンピュータで制御された機械で高い精度の加工ができます。
ドイツ製なら値段は高めで上級品なら150万円くらいになるでしょうが、ルーマニアなどの旧共産国で作られているものと比べて音が良いということもありません。それらなら100万円にも満たないものです。さすがに非常に安価な中国製品はまともに演奏もできず、ひどい弦が張ってあるため、それを交換するとチェロの値段になってしまうというものもあります。

機械の性能が良くなったことで昔に比べればはるかに悪くないものが作られるようになりました。私のところでも仕入れて販売していますが、業者によってセンスや知識に差があります。今でも楽器の良し悪しに全く興味のない製造業者がたくさんあります。ある中国の業者は「ヨーロッパ産の古い木材を使っています」というのですがあまりの仕事の汚さに材料をゴミに変えただけです。商売人として重要なのは「ヨーロッパ産古材」という能書きだけで品物には興味がないです。

良いものを作りたいという思いが強い人は少数派なので人が多く集まるとその意見は消えていきます。世の常です。


それらよりも良いものが欲しいという人が多くいます。
そこで私のところでは、途中まで機械で作ったものを私が改造してニスを塗って仕上げるということをやっています。これはコストパフォーマンスに優れたもので、ハンドメイドの新作楽器に迫るものです。教科書通りに作られた新作楽器に対して大量生産品では十分でない部分があります。さらに私は「教科書」に対して疑念を持ちそれらとは違う音の楽器を作れるように研究しています。

ハンドメイドの楽器でも問題のある楽器はありますからそれらよりは音に関して優れているということになります。

イタリア人の同業者と一緒に仕事をするときがありますが、イタリア語の場合に数字が大きいことを「グランデ」と言います。ただしグランデという言葉には何かすごいものだという意味が込められています。「板の厚さがグランデ」となると板が厚いことです。板が厚い=偉大なものとなってしまいます。またドイツで工業製品と言えば頑丈でしっかりしたものが良いものだと考えられています。このような常識も頑丈すぎる楽器を作る原因となるでしょう。思い込みや勘違いによってハンドメイドでも「物足りない」というものはあります。

私は低音から高音までまんべんなく出る板の厚みを常に研究しています。薄すぎたかな?厚すぎたかな?といつも探っています。

量産品は高くても150万円くらいまでと考えて良いでしょう。
私は量産品でも品質を高めて150万円を超えても良いと思います。でもそのようなチェロを見たことないです。やはりチェロの工場を経営する人に上質な量産品を作ろうという人がいないのです。従業員としての職人も同様です。私でも工場に就職しようなどとは全く思いません。腕の良い職人は量産工場には勤めません。必要な技能が全く違うからです。

一方ハンドメイドで楽器を作ると300万円くらいするのが普通です。それでも大企業の会社員に比べて収入ははるかに少ないです。先ほどの量産品を改造するものは100~200万円の間でハンドメイドのものに近いものですからコストパフォーマンスに優れているというものです。

100~200万円のカテゴリーで最も優れていると思うのは古い量産品を改造修理するものです。チェコでは個人でも量産品と高級品の中間ぐらいのものが作られていました、これも候補になります。
50年以上経っているものなら音がずっと強くなっているからです。

古い上等な量産品でちゃんと修理されたものは新しい量産品に比べればワンランク上と考えて良いと思います。

しかしかつては分業による手作業が主体でそれぞれを担当する人は楽器のことを全く理解しておらず、チェコのハンドメイドでも手抜きのために構造には問題もあるため単に古いというだけでは限界があります。より理想的にするには問題点を直す必要があります。また古い楽器ですので傷んでいる部分もあります。特にチェロは傷みやすいので修理代がかかります。さっきの話のように修理代が100万円を超えるようなことは普通です。

この前は日本の方のミルクールのチェロを改造修理しましたが、ご本にも先生方も大変に満足していただけました。ハンドメイドの新作楽器に対しても優位な部分はあると思います。
私が自分でチェロを作ってもおそらくこれらにはかなわないと思います。私が一生懸命チェロを作ったところでそんなにパッとしたものにはならないのです。

古い量産品を改造しても値打ちは変わりません、量産品でしかないからです。
それだけの労力をかける人も多くないはずですし、ノウハウが分かっている人も多くないでしょう。商売人であれば出来るだけ手を入れずに高く売りたいと考えるものです。偽造ラベルが貼ってあるものを選べば何も知らない人は勘違いしてしまいます。努力の矛先が全く違います。



そういうわけで買いたいと思ってもいつでもどこでも売っているようなものではありません。単に古い量産品を修理しただけでもすぐに売れてしまいますが、板の厚みまで変えたものは私のところでも滅多にありません。

その上で重要なのは音のキャラクターは弾いてみないと分からないということです。これは弦楽器に関してはいつもそうなんですが、私が自分で作ったり、同じ工場で途中まで作ったものならある程度予想が付きます。しかし古い楽器というのは同じメーカーのものだけを入手するなんてできませんから毎回違うメーカーのものになります。予想も何もできません。私としても自分で作ってないのですから責任を持つことはできません。試して好きか嫌いかをご自身で判断しなくてはいけません。


私もチェロを作ろうと準備を進めていますがあらかじめこれらにかなわないことは覚悟しています。それで値段はずっと高いのですから作る人も少ないわけです。
ヴァイオリンでも同じことで古い40~70万円くらいの上等な量産品か無名な職人のモダン楽器に新作で対抗するのは非常に難しいです。そのためヨーロッパでは職人は自分で楽器は作らず修理に従事しています。日本などへの輸出を主にしているイタリアを除いてです。

コンクールに勝負をかけている学生さんなどにとっては少しでもパフォーマンスの優れたチェロが求められていると思います。新作楽器の場合には最善のものを求めるには不向きだと思います。
ただ古いチェロで良いものを見つけるのが難しいのも事実です。私なら最善ではないにしてもそこそこのものが確実に用意できます。まともに作ってあれば教授が何年か使ったもの、オーケストラ奏者や教師が20年30年使ったものなら「古いチェロなんて必要?」と思うくらいになります。300万円でも労働に対しては安すぎるくらいでボッタクリということはありません。
一生の楽しみと考えて長く使うなら滅多にない良いチェロの一つになっていきます。まともに作られた他のチェロより優れているということはありませんがキャラクターは独特のものができるでしょう。

改造のベースとして面白いザクセンの量産楽器

あるイギリスのテレビ番組でヨーロッパの高級スポーツカーを持って行ってアメリカを旅するというものがありました。とんでもなく高価で最高速度や馬力を聞くとレーシングカーじゃないかと思うようなものです。
アメリカには1/4マイルの直線で発進加速を競うドラッグレースというのがあります。1950年代には公道で自慢の愛車で競争が行われていたそうで歴史のあるものです。
飛び入りでイギリスから来たスーパーカーも参戦したわけですが、ボロ負けです。
相手はホンダのシビックのような大衆車を改造したもので目ん玉が飛び出るような速さです。もし予算が決まっているのなら中古車のボロ車を改造したほうがびっくりするほど速いものができます。もちろんヨーロッパの高級スポーツカーもそういう目的で作られているわけではないので当然の結果です。お金持ちのパーティに乗っていくと絵になるわけです。ボロボロのシビックではそうはいきません。

単に結果だけを求めるなら東ドイツのザクセン州の量産品を改造するのは優れたものだと思います。ヴァイオリンでも粗悪品は板の厚みもひどく厚すぎるので好きな厚さにできます。上等な量産品以上の結果も十分あり得ます。300万円のイタリアの新作楽器に対しても同じです。日本でもやっている人がいます。
日本の楽器店はそれよりも高く売れるミルクールのものを好むようですが何も変わりません。ミルクールの量産品をフランスの名器として売るわけです。ミルクールの量産品と一流の職人の楽器は全くクオリティが違うので私にはすぐにわかりますが、実際フランスの名器を使っている人でも見分けがつかないのですから「フランス製」と素人を騙すには十分です。


戦前のものでというと大量に作られたのは東ドイツのザクセンの地域です。ザクセンで一番中心になるのはマルクノイキルヒェンです。一部は今の国境で言うとチェコに含まれるボヘミアという地域でかつてはドイツだったときもあります。今の国名で違っても同じ流派です。

改造するとなればミルクールのものでもハンガリーのものでも同じですが数として多いのはザクセンのものです。いずれの産地にしても品質は様々でほとんどのものは修理代が楽器の値段を超えるような粗悪品です。品質が比較的よく、奇跡的に状態の良いものなら候補になります。

チェロの場合状態のひどいものは500~1000万円くらいするようなものでもどうにもならないものはあります。直すのに年単位の時間がかかりますが、買う人は1000万円も出してボロボロのものを買うでしょうか?表板や横板、ニスを新しいものに変えてしまえば価値は激減です。
それが量産品なら直す価値は全くありません。ほとんどのものはどうにもなりません。先生や知り合いからとかネットオークションなどで手に入れてもさらに修理代がとんでもなくかかります。

したがって量産品でも可能性のあるものを見極めることが重要です。

今回の修理のチェロ

休暇の間は日本でチェロの修理をしていましたが、休暇を終えて職場に戻るとこのようなチェロが用意されていました。


長年使われずに眠っていたようなチェロですので音を出すことすらできません。我々はこのようなものの中から良さそうなものを選びます。

汚くてオンボロになっていますが材料の質もよく仕上げのクオリティも高いものです。
ストラディバリモデルのごく普通のチェロです。おそらくマルクノイキルヒェンの流派のものです。

ボタンは割れかけています。ミルクールのチェロでは大破していましたが、大破する一歩手前です。
ネックにねじれの力かがかかって割れたのではないかと思います。


表板には割れもあります。過去に修理されていますが汚いのものです。これでは売り物になりません。

こちら割れが始まっています。バスバーに沿って割れていくと修理は大変になります。このままではもちろん売り物にはできません。

角は修理されていますがヘタクソです。こんなヘタクソな職人は信じられません。自分で楽器を作ったことがあるのでしょうか?

こちらもパフリングの先端を切り落としてしまっています。ひどい修理です。

状態には多少問題はありますが、修理できる範囲です。f字孔を見ても粗悪品ではありません。仕上げの品質には厳しくチェックしていたのでしょう。仕上げをうるさく言っても根本的には分かっていないので板は厚すぎますがアーチも無難です。

改造する素材としては面白いものです。わざとらしいアンティーク塗装もされていないので今となっては魅力的になっています。

スクロールもいかにもザクセンという感じのものですがペグボックスにも損傷が無いのは助かります。ペグの穴は埋めなおす必要があるでしょう。

工芸品としての価値はありませんがひどく粗悪でもありませんので普通のチェロといえるでしょう。


これはドイツのモダンチェロの特徴です。
こちらは以前のミルクールのものです。ミルクールのもののほうがストラディバリのオリジナルに近い形です。

丸いところの直径がフランスのものよりドイツのものは小さく円の中心の位置も離れています。フランスのもののほうが丸いところが埋まっていて、ドイツのもの方が飛び出ているように見えます。
さらに矢印で示したように突き出た部分のラインが丸みを持っています。フランスの楽器では真っ直ぐです。フランスの楽器でもストラディバリに比べると強調しています。もっとさりげないものです。
いずれにしてもドイツの近代の楽器では先端がくるっと丸くなっているのはよく見られます。こうなっていたらまずドイツの楽器で大半は量産品です。上等な楽器ならきれいに丸く加工されています。

ちなみにこのチェロではペグボックスの端が赤線のようになっています。モダンネックは斜めについていて真っ直ぐに見えるようになっています。アマティやストラディバリなら黄色の線のように指板の接着面に対して90度になっています。
これも丸い部分が飛び出て見える原因です。

ミルクールのチェロのほうがそれに近いです。ミルクールなどフランスでも近代の楽器には上のようになっているものもありますのでドイツだからというわけではありませんが近代のネックに合わせて作られたので近代の楽器であるということです。
スクロールのクオリティ自体はミルクールのものよりもマルクノイキルヒェンのもののほうが高いです。フランスの一流品ではありえないクオリティの低さです。
マルクノイキルヒェンの方はニスの質感もいかにもという感じです。

楽器を見分けるのは音ではなくてこのような特徴です。
全体的に見た感じというのが一番重要なのですが、動かぬ証拠も出てきます。

それに対して音で製造国を判断できる人はいません。
言い換えれば国ごとによる音の違いは無いということです。

ヴァイオリンやチェロの先生と職人で値段を当てる目利きをやったら我々の圧勝です。
ただし自分が愛用するかどうかは自分で決めなくてはいけません。

続きます

さらに詳しく見ていきましょう。
マルクノイキルヒェンや古い楽器特有の問題点もあります。
音については、同時に同僚が同じようなマルクノイキルヒェンのチェロの修理をしていました。こちらは板の厚さを変える改造はしていません。状態も修理にかかる費用も違います。同じような故障個所もあります。

音についても厚みを変える改造をしたのとしないのでどう違うのか結果は興味深いものです。板の厚みを理屈として考えるのではなく実際にどんな音になるのか体験することが重要です。


名前や値段以外で楽器の良し悪しがあるということを知ってもらいたいです。