⑦「らうたし」その3
「らうたし」の今日的な意味とは…「かわいい」ということでしょう。
川口盛之助氏の「オタクで女の子な国のモノづくり」では、
美女という存在を以下の4つの類型で分類します。
・大人っぽさ×男性的=ゲルマン風マッチョ(グレタ・ガルボ)
・大人っぽさ×女性的=ラテン系エレガント(ソフィア・ローレン)
・子供っぽさ×男性的=アメリカ風グラマラス(マリリン・モンロー)
・子供っぽさ×女性的=日本風カワイイ(浜崎あゆみ)
これから世界を席捲するのは、おそらくは「日本風カワイイ」なんでしょう。
よって、レディ・ガガよりも、きゃりーぱみゅぱみゅの方が「強い」ということになります。
いま、この「カワイイ」という感性のあり方が、海外にも浸透しつつあるようです。
「Cool JAPAN」とはいうものの…海外でウケているのは「Cute Japan」だったりもします。
ポケモンやハローキティなどのキャラクターが売れ、
「たまごっち」や「バウリンガル」はイグノーベル賞を受賞し、
秋葉原や原宿には外国人観光客で賑わい、
ファッションやアクセサリも「東京カワイイ」スタイルが注目されています。
J-popや日本の菓子、日本の文具など、これまであまりグローバルでなかった日本文化も、
おそらくこれから注目の「カワイイ」対象となってくるかも知れません。
らうたげなるプロダクトデザインにも注目です。
昨年、脳波で動く「ネコミミ」という商品がヒットしましたが、
この商品には、大島弓子「綿の国星」とか、最近の腐女子系キャラとか、
そういう「らうたし」の感性が原点があるようです。
ホンダに「ピアンタ」という耕運機があります。
中でも緑色のバージョンは、SDガンダムのザクみたいで、カワイイです。
SDガンダムといえば最近、従来のキャラクターを2~3頭身にしたデフォルメキャラが台頭しています。
「ワンピース」や「戦国無双」など、オリジナルとは異なるキュートな世界観が魅力的です。
「ブランド」にも、これからは「らうたげ」なるものが求められてきます。
「ビックロ」のロゴマークなんかは、そのあたりに来ているような気がします。
ブランドを、企業理念とか環境保護とかコンプライアンスとか、
そういうマジメなことだけを語るための堅苦しい方法論にしてしまったのは、
90年代の(優等生的)マーケティングに責任があります。
しかしそんなブランドでは、息苦しくて仕方ないわけです。社員も消費者も…。
どうでしょう、お宅の会社は息苦しくないですか?
マーケティングコミュニケーションにおいても、顧客の目線を下げるブランディング
…ユーモア、意外性、自虐、卑俗化、虚実混淆などの要素が求められてきています。
「ゆるキャラ」も、ブランドの敷居を下げる存在として不可欠です。
「欠点がない立派な美しいブランド」ではなく、
「自分が世話しないとダメになってしまうほど、弱くてしょーもないブランド」こそがいい。
…そんな時代になるかも知れません。