不況になると口紅が売れる -27ページ目

不況になると口紅が売れる

~遊びゴコロで、世界を救おう!~

「子供が生まれた後、1ヶ月間はどんな買い物にも使える商品券」というものがあったらいい、と思う。


かつておもちゃ業界が「こども商品券」を導入し、それが今では、ベビー用品にも一部使えるという形になっている。

しかし、使える店舗や対象商品はかなり限られている。

これは結局、提携企業や店舗の組織化がなかなか難しいことによる。


そこで、国や自治体が主体となって「赤ちゃん商品券」を推進する。

これは、出産後の一定期間はどんな商品の購買にも使える、という期間限定型の商品券である。

狙いはもちろん、少子化対策だ。

ただしこれは、(一部の政治家が人気取りのためにすぐ思いつくような)税金をバラまく施策ではない。

このような仕組み・制度を考案し、導入すればいいだけの話だ。


なぜならば一般的に、同僚や親せきが出産すれば、周囲はなんやかんやと「お祝い」をするわけだ。

ただその際に、何をプレゼントすればいいのか、たいていの人は頭を抱えるのである。

「男の子か女の子か」でも悩むし、「こんなもの持ってるだろうな」でも悩むし、「サイズや好み」でも悩むし、つまりは相手のことを配慮すればするほど、何を贈ればいいか、わからなくなるのだ。


そこで「赤ちゃん商品券」を贈るのがベスト、という選択になる。

貰った方は、紙おむつでもミルクでもベビーカーでも、つまりは貰った方のニーズによって買うものは変わってきてもいい。

そうした、インターパーソナルな「ギフト」に使える商品券の仕組みを考案していけばいいというわけである。



消費の活性化にもなるし税収にもつながるし、いいと思うんだけどなあ…。

すでに存在する「シャドウ経済」を顕在化させるという経済政策があってもいいはずだ。

経済産業省は、わが国におけるデザインの足を引っ張るとともに、時代的課題に対応せず、生活価値の創造に貢献できなかったデザインを対象に「パッドデザイン賞」を設定している。


このほど、2013年の受賞製品が内定したので、その一部を報告したい。


工業製品部門では、以下の商品が受賞した。

・パナソニック「eneloopy付急速充電器セット」

・メニコン使い捨てコンタクトレンズ「Magic」

・国産メーカーのタブレット端末全て


メニコンコンタクトレンズ「Magic」は、「コンドームのようなパッケージ」という理由だけでなく、9個入りという不思議な設定に関し、「3つ目人間をターゲットにしたユニークさ」が評価された。


IT関連部門においては多数がノミネートされた中で、以下が栄えある受賞賞品に選ばれた。

・マイクロソフト「windows8」

・タッチパネル

・パズル&ドラゴンズ(パズドラ)


「パズドラ」については、「ゲームに熱中しすぎてのスマホ歩きを増殖させた」という理由からの選出であり、使用方法まで含めたデザインへの配慮が必要とされる今日的課題に対応していない点が評価された模様である。


ファッション・アパレル部門では、東京五輪招致が話題になった年だけに、スポーツアパレル部門の活躍が目立った。

・キム・ヨナの衣装

・侍ジャパンのユニフォーム

・芸能人プロデュースの小物

・ユニクロ(20年連続受賞)


ビジネスモデル部門においては、多数の商品・サービスが受賞した。

・スマートTV

・電子書籍

・「セカイカメラ」

・ヤマト運輸「クール宅急便」

・「百度」

・「くまもん」


「くまもん」については、露出過多によるキャラクター価値の低落により、今後のキャラクタービジネスの方向性を見誤らせたという理由からの受賞である。


コンテンツ部門は毎年激戦だが、今回は以下の3作品がクローズアップされた。

・「ポケモンXY」のキャラクターデザイン

・LINEスタンプのキャラクターデザイン

・映画「47RONIN」、「ガッチャマン」など48作品


ホームページ部門では東京電力が手堅く3年連続の受賞を果たしたほか、みずほ銀行が「悪うございましたね。反省の態度を示せばいいんでしょ」的なトップページが評価され、初の受賞を果たした。

・東京電力HP(3年連続受賞)

・みずほ銀行HP

・楽天市場


建築部門では、莫大な費用がかかることで憂慮されている新国立競技場の新デザインが受賞したほか、この賞の「顔」ともいえる「首都高速道路」が、なんと40年連続受賞という栄誉に輝いた。

・新国立競技場デザイン

・首都高速道路(40年連続受賞)


なお今回からスピーチ・オーラル部門が設けられ、以下が受賞した。

・安倍首相の五輪招致時の歌

・安倍首相の五輪招致時のスピーチ

・NHK「あさいち」における有働アナによる「あま受け」


安倍首相は元歌不明の歌と、アンダー・ザ・コントロールという虚言のダブル受賞であり、昨年の「ヌィッポンをトディモドス」に続いて2年連続受賞となった。


そして、2013年バッドデザイン大賞に選ばれたのは満場一致で、

・猪瀬東京都知事の「借用書」

であった。

企業コミュニケーションにおける「笑い」のあり方を考えている。



コミュニケーションとして笑いを位置づけるとすれば、
①「笑わせる」
②「笑われる」
③「共に笑う」
の3方向が想定される。


木村洋二氏は③を「共笑」と呼称し、「他者と<共に笑いうる>ということは、その笑いを起動した対象図式・変換図式・行為図式をその作動特性に至るまで他者と共有していることを端的に実証するのだ」と述べる(「笑いの社会学」 1983)。


つまり、同じものを見て共に笑える状況とは、知的な共通フレームがかなり深いレベルで相手と重なっているということである。


ここで気をつけなくてはならないのは、「私」と「あなた」の共通項を見つけて、第三者を嘲笑の対象にする動きである。こうした意識が、いじめや差別に容易につながりうるのは明白だ。


ただし、積極的に嘲笑を引き受ける「役回り」という存在がある。ひとつはトリックスター、もうひとつは組織のリーダーである。

松山淳氏に「バカと笑われるリーダーが最後に勝つ」(2013)という著作があるが、トップ自らが笑われ、ある意味排除されることで、むしろ組織は健全さを保つようなこともありうる。



だが大半の企業コミュニケーションにおいて、特定層を笑いの対象とするのは難しい。
再三事例として採り上げられるサウスウエスト航空だが、その社是に「あざ笑うのではなく、ともに笑え」とある。


そこで提案したいのが、企業サイドが顧客の置かれている困難な状況を支援しつつも、それを一緒に笑い飛ばしてしまう、という方法論である。


例えば、西友では「節約」を笑いに変えよう、というコミュニケーションを繰り返し行ってきた。

また、日清カップヌードルでも、ターゲット層の若者が直面する「合コン」や「就活」などを笑い飛ばすCMを展開している。


人ではなく状況を笑い飛ばす。
そして、一緒に悩み、歩むことを宣言するという形である。


いずれにせよ、その表現はぎりぎりの線を行かざるを得ないが、深いレベルでの共感を生みだすスタンスのひとつかと思う。

昨今は就職氷河期であり、就活学生たちは社会人基礎力とかコンピタンシーとかコミュニケーションスキルとか、面倒くさいことを押しつけられる時代となった。

しかし、どれだけ就活の準備をしても、なかなか身につかないスキルがある。

それは、ユーモア感覚である。


そのユーモア系スキルを問う人材募集を、いくつか紹介したい。


面白法人カヤック
「日本的面白コンテンツ事業」を掲げるカヤックの必殺技は、「ゲーム事業」「コミュニティ事業」「小ネタ事業」「飲食事業」など。
2013年度は「節就宣言」と題し、他社に提出したES(エントリーシート)でも応募OKの「ES使い回し」制度や、Facebookなどのアカウントでログインすれば応募が完了する「ワンクリック採用」、さらには「旅する会社説明会」と称してカヤックの専用のバスが日本全国を順番に回り、バス内で会社説明会を実施した。完全に現代の就活をパロディにしている。


バーグハンバーグバーグ
携帯アプリなどを制作する中目黒のプロダクション。「インド人完全無視カレー」「ロッテ・クレイジーガム放送局」「頭の悪い人向けの保険入門」などで軒並みヒットを飛ばしている。
同社の中途採用募集対象は「1回のジャンプ中にキックとパンチを120発以上撃てる人」で、給与は「20万発までは5万円。20万発以上は応相談」である。
2013年度は新卒募集を開始。リクルートサイトでは「従業員4人(うち2人死亡)」「休暇:年2日の休暇保証」「対象となる人材:餓死しない方、口答えしない方、あんまり死なない方」といった情報が掲示されている。


加藤電機製作所
制御盤や操作盤の製作などを手掛ける兵庫県の中小企業で、従業員数は13人。

この会社が、リクナビNEXTに2009年に出した求人広告が話題になった(図1)。
5年前にコネで雇った「原君」は仕事が全くできず、社長はクビにしたいが、次に雇ってくれるところがないだろうと我慢している。今回の募集でも、すごい人を望んでいるわけではなく、「原君よりも仕事ができれば、恩の字」として募集広告を出したのである。
一週間以内に70名の応募があったという。



居酒屋「養老乃瀧」のサンポップ綾瀬店
2011年に「フロムAナビ」に掲載されたスタッフ募集広告(図2)では、「綾瀬ですまねぇ」のタイトルを皮切りに、「39歳です…すまねぇ…」、「北千住…じゃなくてすまねぇ…」、「すまねぇ、気軽に電話くれ!」と、記事中で14回も謝罪の言葉を連発、極端に低姿勢なアピールした。
また店舗は「(千代田線)綾瀬駅から、ほふく前進で32秒!」とのこと。



後半2社は、ややヤケクソ気味な観もあるが、いずれもシャレを理解し、自分でもこうした笑いを振りまけるオトナが欲しい、ということであろう。

それと、笑いの瞬間は人間を解放し、その人の本音やセンスがモロにあらわれるので、互いが自らを笑いあえるような"出会い"は、非常に有意義である。


マジメに、地道に、汗水たらしてやるだけが仕事じゃない。

自ら仕事を楽しくする工夫ができる人だけが、楽しい仕事をしているのだ。

過剰適応系の学歴エリートちゃんたちを大量に排除するためにも、こうしたユーモア人材募集は必要なのだろう。


ただしこうした企業の面接に際して、"ふざけた態度"で臨んでよいかどうかはわからない。

それはそれで、別の意味での緊張感が走る?のかも知れない。


▼図1


▼図2


 大島希巳江さん(文京学院大教授)が2006年に行った調査によると、生命保険会社の営業マンの営業成績とユーモア度には、強い相関があったとのこと(n=312)。

 大島さんは「日本の笑いと世界のユーモア」の中で、顧客の病気や死亡について語ったりする必然性があるため、余計にそうしたユーモア能力が必要なのではないか、と指摘している。


 従業員の採用に際してユーモアのセンスがあることを重要視することで有名なのが、サウスウエスト航空である。これもまた、緊張を強いられることの多い仕事だからこそ、現場にユーモアと笑いが必要だという考え方が根本にある。

 従業員が乗客を楽しませる・笑わせることに全力を注いでおり、何をするかは現場の裁量に任されている。「ふざけすぎだ」と怒る客には、今後二度と乗らなくて結構ですと連絡するほどだ。


 サービス業においては、従業員のパフォーマンスが「商品価値」の一部となる。よって従業員の人間味やユーモアが、そのままサービスの付加価値となる。

 また顧客にとって、そのサービスとの一期一会の出会いが、笑いに満ちていたかどうかというのは、経験価値という視点からも重要である。

 さらには笑いやユーモアが顧客の心を開かせることにより、問題解決や購買促進などにも発展する点も見逃せない。


 と同時に、経営者が意識しなければならないポイントがもうひとつある。

 それは、今日の熾烈なサービス化社会において、従業員の士気を高めたり、プライドを維持したりするための哲学として「笑い」を採り入れることである。

 多くのサービス業にとって、労働時間が長い、休みが不安定、給料もけっして高いわけではない…しかしそれでも、この仕事にプライドをもって臨む「理由」が必要なのだ。


 今後、行動規範の定義において、"エンタテイナー"のメタファーがとても重要になってくると思われる。

 成功事例を採りあげれば、こんな感じになるだろうか。


 ●「スポーツマン」のサービス業化 →佐川急便

 ●「俳優」のサービス業化 →東京ディズニーランド

 ●「コメディアン」のサービス業化 →サウスウエスト航空


 他にも「ミュージシャン」「パフォーマー」「アーティスト」「マジシャン」といったエンターテイナーとして、従業員を位置づける企業が現れてきてほしい。

 客を楽しませることを評価基準・採用基準にし、笑顔や拍手の循環によって社員のモチベーションを高めていくのである。

 「イロモネア」的な採用試験があってもいいかも知れない。

 1分間与えるから、とにかく私を笑わせたら採用します、とかね。