宮崎国男著(木本書店)。
本書は、アマトップクラスの人たちの、将棋人生と将棋に対する姿勢を綴ったものだ。
ここに登場する面々は、おそらく少年期の環境さえもう少し整っていれば、確実にプロになれた人たちばかりであろう。
だがそんなことは気にも留めず、彼らはアマチュアとして、いまでも将棋の究極を追い続けている。
特に天野高志さんの章は、読んでいて涙が止まらなかった。
もう随分昔のことだが、たとえどんなに辛いこと苦しいことがあっても、一度盤に向かうと、不思議と立ち直っている自分がいた。
将棋の神様は誰にでも平等だし、そして将棋は、実に沢山のことを教えてくれた。
たとえばこういう仕事をしていると、「思考体力」というものの大切さが身にしみてわかる。
つまり、ひとつのことをずっと考え続けられる力というのは、凄いことなのだ。
たいした棋力にはなれなかったが、将棋にだけは裏切られることはなかったと、秘かに思っている。
将棋という存在の前で、もう一度謙虚で純粋な心を取り戻すための本、と位置づけたい。
アマ日本一など無縁、と思っている人にもお勧めしたい。