「気配」を提供するサービス | 不況になると口紅が売れる

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 ネット社会で、これからもっとも貴重品とされてくるものは「人の気配」だといわれる。

 「他人と違うことをしていてもいいから、場を共有して人の気配を感じていたい」というのが、今の若年世代。

 個々の嗜好や目的はバラバラでも、同じ場を物理的に共有することが求められている世の中といえよう。

 例えばいま、中学校や高校では、生徒の志向の細分化によって、成立しない「部活」が生まれてきている。部として活動するには、人数が足らないというわけだ。

 しかし、そうした異質の部活の連中を一堂に集めて、互いにやってることは違うんだけど、他者の気配を感じながら練習に打ち込める環境をつくるとか、そういうことはできない手ではない。「その他」の運動部をまとめて「総合運動部」にする、などのマネジメントだ。

 

 「おひとりさま」が多くなると、家庭に「人の気配」を提供するサービスが求められてくる。

 もちろん、介護ヘルパーなんかは現実にそういう役割を果たしてきているのだけど、若年層やアラサー、アラフォーの1人暮らし女性なんかにも、そういう欲求はあるはずだ。

 「気配を発信するロボット」というのは作れないか? 人の体温や、発信する電波、しぐさ、体重、息使いなんかを踏襲するのだが…。

 ロボットは、無線を通じてプログラムを常に書き換えられるようにする。つまり、ユーザーの気分で、毎日違った人の「気配」を感じることができるようになるというわけだ。特定の「あの人」を想定して、その人の気配を感じられるような仕様にすることもできよう。

 そうなるとまさに「惑星ソラリス」になってしまうのだけど…。