企業と消費者とを結びつけるためには、
ビジネスモデルだけでなく、カルチャーモデルの構築が必要である。
カルチャーモデルというのは聞き慣れない言葉だが、
重延浩氏(テレビマンユニオン)の主張にオリジナリティがある。
ここでは私なりに、
「商品利用に関わる生活文化テーマの下に、
送り手と受け手とが情報・知識・感情の交換を図り、
そのテーマに対する考察を相互に深めていくための仕組み」
…と定義しよう。
ビジネスモデルにおいては、商品とお金の交換が目的であるが、
カルチャーモデルにおいては、情報・知識・感情の交換が目的となる。
この文化的な交換の土台が、ひいては経済を活性化することにつながる。
カルチャーモデルは、特定少数のファンと作り手が交流するためのシステムだ。
それは、商品のジャンル、ブランドバリューによってさまざまな形態がありうる。
ただ、一般的な商品以上に、コンテンツ作品においてはこのカルチャーモデルが機能していた(はずである)。
具体的には、
・読者のお便りを出版社が受け付ける仕組み
・オーサーズビジット
・宝塚の会員制度
・月刊「村上春樹」のような解釈コンテンツ
・作品パロディを許容、促進する仕組み
…などがそれに該当する。
送り手側にとってみれば、売上には直結しない。むしろ非効率な「顧客管理施策」にすぎまい。
しかし今日、こういうことが重要な意味を帯びてきているのは、言うまでもない。
単純な図式で表すと、
ビジネスモデルが「送り手→コンテンツ→受け手」であるのに対して、
カルチャーモデルは「送り手→コンテンツ←受け手」という流れとなる。
送り手側も、受け手と一緒にコンテンツを楽しむことができるのが理想の形である。
そして今日、こうした仕組みを、コンテンツ産業のみならず、
作者は作者で、小さくてもいいから持っておくべきだというのが私の主張である。