カスタマーエクイティという概念がある。全ての顧客の将来を含めた資産の総計、といった意味で定義されているかと思う。
外資系の金融業者とかがこの言葉を使うといやらしく聞こえるためか、大して普及しなかった言葉だ。私自身も、正直あんまり好きではない。なにやら、「客は全部自分のもの」的な、自分のことしか考えていないような概念だからだ。
ただ、資産ということだけに焦点を当てるのでなく、顧客の持っているあらゆる可能性の総計と捉えてみると、少しは広がりも出てくるかな、とは思っていた。それをかねてから戦略的に活用していたのが、日経新聞である。日経の読者数は、読売や朝日よりも少ないが、読者の知識・教養・地位・年収などは他紙を相当上回る。読者のクオリティが高いことを差別化ポイントとしたわけだ。その結果、今日でも日経の広告は溢れんばかり(?)の状況にある。
今日車を運転していてふと、自動車会社に、この戦略が応用できないかと感じた。
つまり、ある特定のメーカーが「わが社の車に乗っている人は紳士的な人が多い」といった地点を目指すということだ。むろん、口だけでは仕方ないので、広告やセミナーなどで顧客啓蒙を必死に行い、第三者機関で調査もやり、最終的に最も紳士的な自動車ブランドとしての地位を確立していくのだ。紳士的な人が支持する自動車会社、ということであれば、企業イメージやロイアルティ、リピート率アップはもちろんのこと、事故率も低下するであろう。そのメーカー車であれば、保険料が下がる、といったことも起きるかも知れない。もっとも、メルセデス・ベンツなどはそうした傾向もあった。特定のブランドでも成立しそうである。
車の品質をあげるだけでなく、ドライバーの品性もあげること---これがこれからの自動車メーカーの戦略としては有効かと思う。