小説の続き書きました。新版・遠いデザイン3-42001年 冬 七瀬はエレベーターに向かった。その後ろ姿を眺めつつ、モデルの女は微かに白い歯を見せた。そして会食個室に向かって歩きはじめた。膳台を抱えた若い調理場の男たちが、廊下の奥から歩いてきたモデルに気づいて足を止める。剃り残しの髭が目立つ青白い両頬をすぼませて、その中の一人が野卑な口笛を投げつけるように吹いた。 遠いデザインとは、遺伝子の設計図のこと。15年前の2001年が舞台の古いお話です。