小説の続き書きました。遠いデザイン 5-4 | 産廃診断書専門の中小企業診断士

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ふじのくにコンサルティング® 杉本剛敏 中小企業診断士事務所の杉本です。私はコピーライターとしてネーミングやコピーを作る一方で、中小企業診断士として企業のマーケティングを支援。2021年、2016年に静岡新聞広告賞受賞。これまでに提案した企画書は500を超えます。


前回5-3の続き

 

 何の収穫もない会議が終わり、七瀬がJAを出る頃、美紀は年代物の革張りソファに座って、不動産会社のオリエンを受けていた。課長の三谷が一切メモを取らない主義なので、同行した部下がメモ役に回る。「四社のプレゼン」、美紀は青い水性ペンの文字でそう書き込んで、その下に競合する広告代理店名を記していった。手を動かすと、半透明の筒の中のインクが揺れるのを彼女は気に入っていた。

 地元の私鉄系不動産会社が目を付けたのは、駅前から伸びる名店街の終わりにとり残されたようにある映画街だった。今では古色の趣を極めるその一画に開発のメスを入れ、低層階は映画館を束ねたフロアに、中、上層階は住居群とする地上二十階建てマンションを建設する。映画館主や地権者との調整もすでに済んでいて、後は着工を待つばかりだった。

「シネマ・コンプレックス・マンション」と題された分厚い計画書を前に、街の活性化にもつながると口を切った販売部長からバトンを受け取るように、一級建築士の肩書きを持つ工事担当課長、営業部の若手社員と、その場日.に居合わせた面々は、それぞれに全く異なった注文を突きつけて美紀たちを当惑させた。だが、「意見がまとまっていないようですが、いったいこの物件のコンセプトは何でしょうか?」と切り出そうものなら、「それを考えるのが、おたくたちの仕事でしょう!」と突き返されるのが、代理店と付き合いなれた客たちの定石だったので、二人はうかつに彼らの話しの腰を折れない。

 


遠いデザインとは、遺伝子の設計図のこと。

10年ほど前の2001年が舞台。

中年男が若い女性に憧れる、よくあるテーマの小説。
この歳になると。そんなことしか書けませんので
地域の産業支援を本格的にやりだしてから、
コピーを前みたいに書けなくなったので、
その手慰みのつもりで書いています。