【書籍情報】
一駅一話! 山手線全30駅のショートミステリー
柊サナカ
出版社: 宝島社 (2023/11/7)
ISBN-13: 978-4299047823

【概要・コメント】
興味深い小説である。

ショートストーリーとしての出来は,かなり良いと思う。
後半のサスペンスものは,怖すぎて読めたものではないが,中盤の幸せな話は非常に満足度の高いものであった。

一方で,山手線30駅をテーマにショートストーリーを展開してはいるが,正直なところ各駅とストーリーの関係は希薄と言わざるを得ない。
もう少し,各駅の特徴を踏まえてストーリーを考えて欲しいというのが正直な感想である。

今まで短編小説は避けてきたが,この本のようなスト―リーであれば,避ける理由はないと思う。

 

 

 

 

【書籍情報】
悪魔には悪魔を
大沢在昌
出版社: 講談社 (2024/4/12)
ISBN-13: 978-4065350690

【概要・コメント】
「まさに大沢在昌先生のハードボイルド小説!」という感じの一冊である。

とにかく主人公が強い,賢い,かっこいい。
ハードボイルドの主人公は,こうあるべきというのを絵に描いたようなプロファイルである。

その分,サスペンス小説としてはツッコミどころが満載ではあるが,そのような無粋なことを言ってはならない。

個人的には,最後の結末はもっと深く,丁寧に描写して欲しかった。
自分はエピローグが長い小説のほうが好きなのかもしれない。

 

 

【書籍情報】
透明な螺旋
東野圭吾
出版社: 文藝春秋 (2024/9/4)
ISBN-13: 978-4167922689

【概要・コメント】
東野先生のガリレオシリーズの最新作である。

まず、この書籍を読んで思ったのは、東野先生の文章が非常に読みやすいことである。
先日、いくつかの文庫をまとめ買いしたが、東野先生の小説が圧倒的に読みやすく、そして読み進めざるを得ない文章の力強さを感じた。

本の内容だけでなく、言葉の選び方や、説明の順番などが人を引き込むのに大きな力を発揮しているのだと思った。
そして、自分もこのように人を魅了するような文章を書けるようになりたいと感じた。

話を本書の内容に戻して、本書のテーマは人と人との繋がりである。
そして複雑に絡み合った繋がりも紐解いていくと、比較的シンプルな矢印で描かれるということであろう。

トリックとして非常に複雑なものが描かれた内容ではなく、ガリレオシリーズらしい科学要素に満ちた内容ではないが、これまでガリレオシリーズを読んできたファンにとっては、湯川先生のプロファイルの起源を1つ1つひも解いていくのが大変心地よい。
彼の正確、分析力がなぜ生まれたのか、その伏線を回収するような1冊である。