【書籍情報】
あなたが誰かを殺した
東野圭吾
出版社:講談社
発売日:2026/8/12

【概要・コメント】
加賀シリーズの最新作で,おそらく最後の作品ではないかと思われる.

まず結論として,この小説のタイトルは非常によく出来ている.
この物語の遷移と結末を表すのに(最も)適したタイトルだと思う.

また,この小説の話の進め方も非常に興味深い.

<以下ネタバラしを含む>
主犯が明確になっているところからの真実を暴くというスタイルの小説だが,全体的にすっきりとストーリーはまとめられ,最後の結末に関しても違和感なく受けとめることができる.

一方で,(夕木 春央先生の「方舟」のような)大どんでん返しはない.

小節にも,いろいろな楽しみ方があるのだと実感させてくれる一作である.

 

 

 

【書籍情報】
虚像の道化師
東野圭吾
出版社:文藝春秋
発売日:2015/3/10

【概要・コメント】
ガリレオシリーズの短編集である.
テレビドラマ化されたので,内容は知っていた.
そして,おそらく過去に読んだことのある内容だった.

テレビドラマを見ていない方であれば,楽しめると思う.

ただし,全体としてトリックが興味深いというよりは,科学(特に物理現象)の興味深い要素に着目し,それを上手に活用してミステリーとして仕上げているというところに本書の魅力がある.

その意味で,ピュアなトリックによる純粋な?ミステリーを期待している人には,少々物足りないかもしれない.

このような特殊な物理現象を率先的に取り入れて物語りを構成していたところに東野先生の先進性が表れているのだと思う.

 

 

 

【書籍情報】
方舟
夕木春央
出版社: 講談社 (2024/8/9)
ISBN-13: 978-4065358542

【概要・コメント】
この本を読んだ記録を残すのを忘れていたので,読了してからおそらく1年以上経過した状態でこの文章を書いている.

まず本書はミステリー小説の大傑作である.
ミステリー小説において,結末をどのように迎えるかが,一番の腕の見せどころであるが,本書はその結末において,何よりも優れた終え方をしている.

一方で,小説として読みやすいかと言うと,必ずしも読み進めやすいわけではない.
正直,途中で読むのをやめようと思ったが,本書を進めてくれた人がいたので頑張って最後まで読んだという感じである.

しかし,その中だるみ?も,最後の結末のための伏線だと思えば,ある意味全てが納得できてしまいくらい,本書の結末は素晴らしい.

ミステリー小説が好きであれば,ぜひ読んで頂きたい一冊である.