【書籍情報】
表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬
若林 正恭
出版社: 講談社 (1998/11/13)
ISBN-13: 978-4062639149

【概要・コメント】
「完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込」以来の,オードリー若林さん執筆の書籍2冊目である。

今回は,キューバ,モンゴル,アイスランドの旅行記である。

普段は旅行記なんて読んだことがないが,若林さんが書いた本であれば読まずにはいられない。
そして,今回のこの書籍も"若林味"たっぷりの興味深い文章であった。

まず,この書籍全体として,若林さんがふだんから持っている疑問への答えを見つける旅(プロセス)となっており,それに加えて無くなった父親の追悼が大きなテーマとなっている。

よって単なる旅行気分を味わいたい人には,まったくお薦めできない書籍でもある。

さて話が少し横にずれるが,毎週ラジオでフリートークをするためには,常に大きなアンテナを張っている必要があるが,
若林さんのアンテナは非常に特殊な周波数の電波をキャッチできるようである。

それこそが,芸能人の芸であり,能であろう。

最近,若い人がテレビを見なくなり,テレビにおじさん,おばさんばかりが出るようになってきた。
一方で,おじいちゃん,おばあちゃんは,あまり出演しなくなってきたので,それはそれで心地良い。

若林さんは,若い頃売れない時期が長かったので,その時期に特殊なアンテナを養い,その結果,おじさん,おばさんに受け入れられる芸能人としての能力を伸ばしていったに違いない。

バブルの時期の芸能人,とんねるずやダウンタウンは若くして売れた。
それは,あの時代のテレビには苦労とか,愚痴とかは似合わなくて,パッと出てきて,パッと売れるのがかっこよかったからであろう。

もしくは,それがカッコよいとテレビ業界が演出しようとしていたからであろう。

でも現代は違う。

もはや日本は高度経済成長期でも,バブルでもない。
淡々と小さな成長と小さな後退を繰り返す時代である。

こんな時代においては,人の苦労が分かる人こそが,テレビで活躍するのだと思う。

オードリーもサンドイッチマンも,最近結婚した有吉さんも苦労の様子が滲みでるからこそ,
バブル崩壊後の苦しみや就職氷河期を味わってきたおじさん,おばさんに親しまれるのだと思う。

一方,今YouTubeで活躍している若い人たちはどうだろうか?
YouTubeの中では,若い人たちがキャピキャピと騒いでいる。
若い人は苦労の様子を,"まだ"見たくないのかもしれない。

昔はテレビしかメディアが無かったので,どんな演出を好むか視聴者には選択肢が少なかった。

でも,今はテレビ,ラジオ,YouTube,その他配信系と,いろんな選択肢がある。

そんな中から僕は,オードリーが出ているテレビとラジオを選んでしまう。
僕も若林さんの苦労が身に染みるほどわかるから。

 

 

 

【書籍情報】
業務改善の問題地図 「で、どこから変える?」 進まない、続かない、だれトク改善ごっこ
沢渡あまね, 元山文菜
出版社 : 技術評論社 (2020/11/6)
ISBN-13 : 978-4297116392



【概要・コメント】

改善が根付かない組織において,何が障害となっているのか,その障害はどのように排除することができるのかをユーモラスに記した1冊.
技術的な書籍というよりは,改善に真面目に取り組もうとしている人に,「苦しんでいるのはあなただけではないよ」,「皆同じように苦しんでいるよ」と穏やかに諭すような書籍である.
以下,この書籍の中で興味深い文章を以下に箇条書きで引用する.
 

  1. 改善が進まない/定着しない組織の多くは,改善の個人の気合と根性に依存しすぎ.
  2. 組織に改善を定着させるためには,制度・個人スキル・プロセス・場の4つの視点が大切である.
  3. 人事部門,あるいは経営企画部門が単独で進める改革や改善は,なかなかうまくいきません.
  4. 意識合わせよりも,景色合わせを
  5. 改善して浮いた時間で何をするのか?話し合って言語化してください.
  6. (改善の)提案書と実行者を分ける.マネージャーがいったん問題・課題は受け止めて,だれに改善を担当してもらうかは別で決める.
  7. 改善が定着している/し始めた組織は,トップ(社長,部門長ほか)も正しく汗をかいています.
  8. 成果は,数値化によって評価してください 変化は言語化によって評価してください
  9. 「やめることを決める」 最新の法制度や社会的トレンドにあわせて,ゆるめるところはゆるめる
  10. 何をこれからも大切にするのか? 新たにどこを目指すのか? どこで尖っていくのか?
  11. ECRS (Eliminate, Combine, Rearrange, Simplify)で業務を整理整頓する
  12. ソリューションをうまく使いこなしている企業は,トップが導入後に何度も活用促進を言い続けています.
  13. 「あなたにしかできない」「あの人に聞かなければわからない」という状況が,「仕事ができること」だと勘違いしている
  14. 3つのグランドルール ①現地で問題解決,②人を責めるな,仕組みを疑え,②即実行,即実感
  15. (改善に反対する)モンスターはすぐに倒せない,だれでもモンスターになりうる
  16. 『パーキンソンの法則:進歩の追求』において,「仕事の量は,完成のために与えられた時間を全て満たすまで膨張する」
  17. 業務改善の成功には部門を横断する強いリーダーシップが欠かせません.これを実行できるのは,経営層なのです.
  18. 「業務は生き物」。業務とは,変化し続ける特性を持っているのです。
 
 

【書籍情報】
配色デザイン良質見本帳
たじま ちはる
出版社 : SBクリエイティブ (2019/12/20)
ISBN-13 : 978-4797399271

【概要・コメント】
まさにタイトル通りの本である。

配色(色の使い方,組み合わせ方)に困っている人,
特にポスターやWebサイトで工夫をしようと,多様な色を使うあまり美しくないアピアランスを作り上げてしまう人にはお勧めの本である。

非常に多様な見本が掲載されているので,それらを眺めるだけでも,なかなか楽しい。
※カテゴライズには,やや無理がある項目もある。

一方で,自ら色を自由自在に使い分けられるようになりたい人には,あまりお勧めできない本である。
この本は,良質な見本を真似ることで答えるアプローチには役立つが,どのように考えたらゼロベースで良質な配色を考えられるようになるか,までは言及できていない。

おそらく,ゼロベースで考えるには,非常に多くな知識と経験が必要なため,この手の書籍には収まらないのだと思う。

また,見本帳であるため,原理・原則を示すページはわずかであり,実例を示すために多くのページを費やしている。

やはり,色の基本を勉強するには,まずは公益社団法人 色彩検定協会が主催する検定向けの教科書に目を通すのが良いと思われる。

一方で,とにかく真似ることで,今悩んでいる配色への答えが欲しい人には,いくつかの手がかりとなる見本が得られるのではないだろうか?