【書籍情報】
虚ろな十字架
東野圭吾
出版社: 光文社 (2014/5/23)
ISBN-13: 978-4334929442

【概要・コメント】
海外出張する際に空港で衝動買いした2冊のうちの1冊である。

東野先生の小説には,壮大かつ複雑なトリックを含むミステリを期待する読者が多いと思うが,この小説はその類ではない。

正直なところ東野先生はこんなテーマの小説も書けるのだと驚いた。
いやな見方をすると,ゴーストライターが書いたのではないかと思うほど,ミステリー要素は少なく,人間ドラマを中心として小説である。

子供を持つ親にとって,この小説が取り扱うテーマは非常に重たいものであり,また最後まで小説を読み終わったあとも非常に重苦しい気持ちになった。

様々な運命を憎み,世の中はうまくいかないこともあるのだなとなんとなく悲しい気持ちを受け入れてしまう自分がいた。

この小説,精神的に健康なときに読めば,いろいろと考えるきっかけをくれて良い本だが,疲れているときに読むことはお薦めしない。

 

 

 

【書籍情報】
現代制御論
吉川 恒夫, 井村 順一
出版社: コロナ社 (2014/9/30)
ISBN-13: 978-4339032123

【概要・コメント】
吉川先生の古典制御論の教科書がとても分かりやすかったので,現代制御論の方もチェックしてみた。

自分が学生の時に感じた不満はかなり解決されている教科書だと思う。

特に伝達関数行列と状態方程式表現の関係については非常に丁寧に記されているので,状態方程式表現を用いる利点について,かなり上位の概念として消化することができる教科書だと思う。

しかし後半の最適制御とH∞最適制御の章は,式展開が丁寧でないので着いていくのがなかなか厳しい。

この二つのトピックは概念だけを伝えるのか,その詳細な証明まで伝えるのか,メリハリが必要なのであろう。

現代制御論と広くまとめた教科書で,詳細な式展開を求めるのはフェアでないのかもしれない。

 

 

現代制御論 現代制御論
 
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【書籍情報】
祈りの幕が下りる時
東野圭吾
出版社: 講談社 (2016/9/15)
ISBN-13: 978-4062934978

 

【概要・コメント】
さすが東野先生のサスペンスという作品である。

 

前振りから途中の伏線など,どれもキレのある作品だと思う。

 

特に主人公加賀の人生に踏み込んだストーリを,しっかりとしたサスペンスとして成立させているところが素晴らしい。

 

これ以上書くと,ネタばれになるので,今回はここで辞めておこう。とにかくお勧めの1冊である。